左京
平安神宮
所在地:左京区岡崎西天王町(地下鉄東西線 東山駅 徒歩10分)
HP:http://www.heianjingu.or.jp/01/0101.html
入場料:一般600円 子供300円
開館:6:00〜18:00(神苑は8:30〜17:30)



平安神宮応天門
 


 八坂神社からさらに北へ20分ほど歩く。巨大な真っ赤な大鳥居がそびえ立っている。それが平安神宮である。
 入り口である応天門(神門)も、大極殿といずれもその赤い色が鮮やかに目に入ってくる。
 平安神宮は1895(明治28)年に平安遷都1100年を記念して建てられている。ちなみに平安遷都は794(延暦13)年。「泣くよウグイス平安京」と覚えた ものだ。ご祭神は桓武天皇(737〜806)。言わずもがな、平安遷都当時の天皇である。後に皇紀2600年にあたる1940(昭和15)年に、平安京で過ごした最後の天皇である孝明天皇(1831〜67) もまた祭神に加えられている。
  



平安神宮大鳥居
 


 平安神宮でまず何よりも目立つのが、先にも触れた大鳥居。とにかくでかい。高さは24.2メートルという。
 1982(昭和57)年に新潟県の弥彦神社に30.2メートルの大鳥居が建てられるまで永らく日本一の高さであった(ちなみに現在では2000(平成12)年に建てられた和歌山県の熊野本宮大社の33.9メートルの鳥居が日本一)。
  



大極殿
 

 
 平安神宮の社殿は桓武天皇当時の平安京の大内裏の正庁である朝堂院を再現したもの。大極殿(だいごくでん)を中心に応天門、朝集堂などが建てられ、当時の朝堂院に比べると8分の5の規模だそうである。大極殿は、かつては即位の礼などといった国家的な儀式が執り行われた格式の高い建物であった。
   



白虎楼
  


 大極殿の奥に本殿がある。そして、平安神宮の敷地を3方から囲むように広大な神苑が広がっている。東・中・西・南の4つに区分され、その広さは30,000u。明治の代表的庭園として国の名勝にも指定されている。  
  



神苑
 


 この神苑を手掛けたのは庭師の7代目小川治兵衛(1860〜1933)。人工的な石を使うのが得意だったとかで、神苑にも臥龍橋という飛び石の橋がある。なお、臥龍橋を作るのに使われた石は、天正年間に豊臣秀吉が造営した三条・五条両大橋の橋脚であったそうである。
    



臥龍橋
 


 平安神宮は桜の名所としても知られており、かつては昭和天皇夫妻が桜を見に訪れたこともあるという。僕が訪ねたこの時期はちょうどアヤメと菖蒲の季節。苑内にもその美しい姿を見ることができた。
 娯楽が少なかった平安時代の人々にとって、こうした自然を眺めると言うことは、この上ない楽しみであったに違いない。現代の我々にとっては忘れがちなことであるが、この平安神宮でなんとなくそれがわかったかのような気がする…。
   

(2006年5月20日)

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