| 失敗山日記 T−1 | 
| 初めてのビバーク、熊 in 奥多摩 天祖山(99年11月6日) | 
| ―― 山で非論理的になるのは私だけ? (ブドウ糖の不足?) | 
| by 山へ行っちゃあいけない男(登山不適格者?) | 
| その6 (後日談) | 
|  10日程のち、何かすっきりしない思いが残っていたので、再度天祖山を訪れてみました。 彼らは引っかき疵の多い幹を指して、熊の仕業ではと言います。疵の具合から熊ではなく鹿の角の痕です。何でも熊に結びつけるのは私だけではないと、可笑しくなりました。 少し先で彼らは再び立ち止まり、これは体をこすった痕ではと、また幹を示しました。今度は太い幹の表面が摩擦によってうすく、広く、一様に擦り減っています。体を長時間、あるいは度々訪れて、こすった痕と考えるのが自然です。地面からの高さといい、こすれた面積の広さといい、絵本や写真などで熊が幹に背中をこすっている場面を連想せざるを得ません。 しばらく一緒に登った後、彼らとは別れ、ビバーク場所に戻りました。木の間越しに見ると、先日 光の見えた方向に確かにガードレールがあり、林道も確認できます。日中なのでよく見えるとはいえ、先日のことが馬鹿馬鹿しく思えます。 ところでビバーク場所にはリュックなどを立てかけたり、蝋燭を置いたりするのに重宝した、長径7、80cm、高さ5、60cmの切り株がありました。先夜も上の面に鑿のような鋭い刃物で突つきまわしたような切り口が無数にあり、少々気味が悪かったのですが、木の株としては一つにまとまっていました。  ところが今回は3〜4分の1ほどが縦にパックリ割られて、その片方が転がっています。さすがに少々ゾッとしました。あの日の私は、運が良かっただけなのかもしれません。  私のビバークした近辺は、やはり彼らが度々訪れる場所であったようです。 | 
| *連載の読み物のように、1日1ページずつ読んでいただくのが私の希望です。 | 
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