index      2022年10月19日更新   

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相続登記を自分でする。

田舎の山林、田畑、家屋、共同所有の山林など不動産計70筆10haほどを相続することになりました。

司法書士に依頼すると、基本料金+1筆増えるごとに何千円とかで、かなりの費用になりそうなので自分で相続登記することにしました。

 

兄弟2人で遺産相続し、預貯金+不動産の課税評価額の総合計額を2等分。

他所に住んでる兄は預貯金、私は預貯金+不動産で遺産分割。

 


2021年4月21日成立の所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し では

個人所有の土地を手放し、国庫に帰属する法律ができました。

ですが条件がかなり厳しいです。

 

法案を読むと

相続で取得した土地に限られる。

共同所有は全員共同で申請でなければならない。

建物が建っていたらダメ。

抵当権設定されていたらダメ。

他人が入ることが必要な通路とかはダメ。

境界が不確定だとダメ。

土壌汚染はダメ。

以上1つでも該当すると申請すらできない。

加えて申請手数料が必要。 当然、申請が通らなくても帰ってこないと思われる。 

 

申請後、現地調査の結果

管理が大変すぎる崖とかダメ。

残置物があったらダメ。

埋設物があったらダメ。

…。

 

申請が通ったら

土地種目に応じた国有地の10年分の管理費相当額を納めなければならない。

参考額で、原野20万円、宅地200平方メートル80万円とか・・・。

  

条件が厳しいですが、出すことができる金額なら手放したい「負動産」

そのためにもちゃんと相続登記して、申請を拒否られないよう整備管理しておきます。

 

この法案の良いところは、

法律に記載の条件に合えば「承認をしなければならない」ところ。

  

 

注意点

 

司法書士、土地家屋調査士等の資格を持っていない者が、他人の依頼を受けて登記申請書を作成したり、代理人として登記申請することは法律に違反する場合があります。

 

相続人本人が相続登記申請するのはOKです。

 

年度が変わると、固定資産評価額が違ってくるので、年度内で資料を集め手続きすること。

 

相続登記

手順

 

1 相続する財産の把握

2 遺産をどう分けるか相続人で話し合う。

3 遺産分割協議書の作成

4 相続登記の書類の作成

5 添付書類の収集

6 法務局で登記の手続き案内を受ける

7 法務局で登記申請

8 登記完了証、登記識別情報通知書の受け取り

 

1 相続する不動産の把握

 

参考資料、情報を集める。(登記申請時に提出する資料ではない。)

 

■ 保管してある登記済証書

これが一番確実な資料になるが、紛失していたら把握ができない。

古いものは達筆で読めないものもあったり、

私の場合、圃場整備事業で置換になってたり、登記済証だけだと不明なところが多数あった。

  

■土地家屋名寄帳兼課税台帳 (名寄帳) 市役所

■固定資産税都市計画税 納税通知書 毎年4月に送られてくる

■固定資産税 評価証明書 市役所

以上3つの資料は同じデータベースのようで、共同所有の不動産がほとんど載っていない。

税金方面の資料では共同所有の不動産はほとんど把握できなかった。

 

■集成図

市役所で出してもらえる土地の地図。 有料

住所地番がわかれば、その地番を中心とした周辺の地図が出してもらえる。

心当たりの土地の地番を把握するのに使う。

所有者名の表記は無いが、

窓口でディスプレイ上では名前を閲覧できるが、共同所有の他何名の中だと解らない。

 

法務局では、名前から所有している土地を探す検索はしてくれない。

データベースを名前で全文検索すると、過去に所有していた不動産などもごちゃ混ぜで出てくるらしい。

 

現在審議中の法案で、

2024年頃から、名前から所有する不動産の一覧を把握できるようにするらしい。

 

わからない共同所有等は、町内会、ご近所さんに聴きまくる。

 

家屋、土地への進入路、町内会の防火水槽、町内会で祀ってる氏神様の敷地なんての

が昔の各地区代表者の共同所有で被相続人が入ってたりすることがある。

 

以上の資料から、所有する土地、関係すると思われる土地の住所地番の一覧を作成し、

実際に被相続人名義で登記されているか、下記方法で確認する。

 

土地情報提供サービス 

を使えば、オンラインで

法務局の登記事項証明書と記載内容的には同じものがPDFファイルでダウンロードできる。

測量図面、地図もダウンロードできる。

所有者名での検索はできない。

住所、地番が解っていなければらない。 

有料サービスなのでユーザー登録、登録料300円、クレジットカード登録が必要。

1筆ごとに費用が必要。

不動産登記情報  全部事項 1筆334円  地図、図面 1筆364円

 

使えるのは、

平日 午前8時30分 から 午後11時まで。

土日祝日 午前8時30分 から 午後6時まで。

地図及び図面情報については、平日の午前8 時30 分から午後9 時まで。

  

閲覧できる期間に制限があり、その期限内にダウンロードしておくこと。

ダウンロードしておけば閲覧、プリントアウトは期間制限なしにできる。

  

■法務局で登記事項証明書

600円/1筆と高いので、上記土地情報提供サービス をお薦め。

 

2 遺産をどう分けるか相続人で話し合う。

 

不動産の共同所有はやらないほうがいい。

数次相続が発生すると、関係者がどんどん増えてしまい、

不動産の取引時に、相続人全員から承諾、印鑑、印鑑証明をもらうなど手続きがどんどん増えてしまう。 

 

3 遺産分割協議書の作成

 

遺産分割協議書 サンプル .docxファイル

 

本来なら、全ての不動産の一覧を遺産分割協議書に添付するのだが、

把握していない不動産が後から出てきたりすると、

そのたびに新たな遺産分割協議書を作成し、実印をもらったりと手続きが大変になるので

 

私のように不動産を単独で相続するのなら  

「被相続人○○○○名義の不動産は相続人○○○○が取得する」

と記載しとけばOK。

 

不動産を、複数の相続人で分けて相続するなら、誰がどの不動産を相続するか記載しなければならない。 

 

 

4 登記申請書の作成

申請書サンプル .docxファイル

  

A4サイズの上質紙 (コピー用紙でok) 

 

登記の目的

共同所有の不動産がある場合 「所有権移転 及び ○○○○持分全部移転」

共同所有の不動産が無い場合 「所有権移転」

 

原因 令和〇年〇月〇日相続 

被相続人が亡くなった日。

 

相続人  (被相続人 〇○○○ )  

相続人の住所は、住民票の内容を書き写す。 番地と書いてあれば「番地」も記す。

連絡先電話番号は、連絡の取れる番号を記入。 携帯電話もok

 

添付書類 

  登記原因証明情報  住所証明情報

  

令和〇年〇月〇日申請  ○○地方法務局○○支局 御中

不動産のある地区の法務局で申請する。

   

課税価格の計算

10万円以上の評価額の固定資産の合計額の一、十、百の位を切り捨て。

 

登録免許税の計算

上記課税価格の1000分の4の一、十の位を切り捨て。

 

10万円以下の不動産の登録免許税免除は時限立法。

 (租税特別措置法第84条の2の3第2項)

詳しくは法務局、相続登記の登録免許税の免税措置について参照

 

共同所有の不動産は、持ち分で計算。

評価額50万円持ち分10分の1なら5万円が評価額。

 

保安林は非課税だが、登録免許税は必要。

法務局で固定資産評価額情報請求書で出してもらった。

 

墓地は、地目が「墓地」で墓地として使われていれば登録免許税は免除。

地目は墓地だが墓地として使われていなければ登録免許税は必要。

墓地として使っていても、地目が墓地になっていなければ登録免許税は必要。 

(登録免許税第5条第10号)

 

免除、非課税になる不動産は、その根拠を登記申請書に記載しておかなければならない。

次の文言を登記申請書に書くこと。

□にはチェックマークを入れる。

 

    □価格10万円以下の土地について

     租税特別措置法第84条の2の3第2項により免除

    □墓地について

     登録免許税第5条第10号により非課税

   

不動産の表示

には、 各不動産ごとに

  

単独所有なら不動産番号

不動産番号 0123456789012

 

共同所有なら持分も記載

不動産番号 0123456789012

持   分  10分の1

の2項を記載。

 

不動産リストの最後には 「以上」 を記載。

  

登記申請書+登録免許税収入印貼りつけ台紙(白紙の紙でok)で綴じて、各ページ間に契印

 

  

5 添付書類の収集

1束目 クリップ止め

   1、登記申請書 + 登録免許税貼付け台紙(白紙) ホチキス止め 契印

   2、相続関係説明図  相続人で作る。 サンプル

 

2束目 原本の束 (登記後返してもらえる書類) クリップ止め

   3、相続人全員の印鑑証明書

   4、相続で不動産を取得される方の住民票

   5、遺産分割協議書

   6、死亡した方(被相続人)の出生から死亡までまでの連続した戸籍の謄本。

       (除籍、改製原戸籍、現在戸籍)

   7、相続人の中で死亡している方がいる場合、その亡くなられている方の、

      出生から死亡までまでの連続した戸籍の謄本が必要。(除籍、改製原戸籍、現在戸籍)

   8、被相続人の戸籍の除附票の謄本

   9、相続人全員の現在の戸籍の謄本

   

3束目 (登記後も法務局に残る書類) クリップ止め 

   10、相続人全員の印鑑証明書のコピー (3のコピー)

   11、相続で不動産を取得される方の住民票のコピー (4のコピー)

   12、遺産分割協議書のコピー (5のコピー)

   13、固定資産税の評価証明書のコピー 

  

※固定資産税の評価証明書

  市役所で被相続人名義で出してもらう。

  共同所有の不動産等は、「住所、地番」がわかれば出してもらえる。

  

  保安林は法務局で固定資産評価額情報請求書で出してもらった。(地域による)

6 法務局で登記手続き案内

上記の書類を一式集めたうえで、

法務局の登記の手続き案内を受ける。 予約が必要。

 

必要な書類の選別、申請書の記載方法等のアドバイスは受けれるが、

登記申請書の記載内容のチェックまではしてくれない。

 

7 登記申請

登録免許税分の印紙を登記申請書の台紙に貼り、

不動産の所在する地区の法務局で申請する。

8 登記完了証、登記識別情報通知書の受け取り

 3か月以内に受け取りに行く。

 

2021年4月15日ページ作成開始