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98年4月24日行財政改革特別委員会
東京の都市計画の長期構想について、新海面処分場見直しについて

◯曽根委員 それでは、きょうの質疑の一つのテーマであります、中長期的な財政運営に関連して質問をしていきたいと思いますが、私たち日本共産党は、財政健全化計画の実施案をめぐる、この間の論議を通じまして、大型開発など過大な投資にメスを入れることなんだ、そうすれば、都財政の確立と都民の求める施策とは両立できるということを示してまいりました。そこで、この公共投資のあり方を考えるという場合、今、特に基本的な問題として、東京の都市計画が余りに過大なのに対して、それがきちんと是正されていないんじゃないかということなんです。中長期的に、このままのペースで都市整備が進みますと、将来、都民の方に重い負担がかかってくるということが予想されるわけです。  そこで、都市の将来像の大もとになる人口という点でどうかという点からお聞きしていきたいんですが、現在の人口と、二〇〇五年、二〇一〇年、二〇一五年、東京都の予測が出ていると思いますが、東京の昼間、夜間の人口についてどういうふうに推定をしているでしょうか。    〔委員長退席、立石副委員長着席〕

◯安間政策報道室計画部長 東京都の将来人口というお尋ねでございますけれども、最近では、一九九七年二月に策定いたしました生活都市東京構想におきまして、二年前の一九九五年の国勢調査のデータなどをもとにしまして想定を行っております。同構想におきましては、東京都の常住人口につきましては、当面の間は横ばいないしは緩やかな減少で推移する、ご質問のありました二〇〇五年には千百七十万人程度になるものと想定しております。その後、さらなる高齢化の進行などによりまして、自然減に転じまして、二〇一五年には千百四十万人程度になるものと想定してございます。また、昼間人口につきましては、二十一世紀に入ってから緩やかな減少に向かいまして、二〇〇五年には千四百四十万から千四百五十万人程度、また、二〇一五年には千三百九十万人から千四百万人程度になるものと想定しております。

◯曽根委員 将来的に常住人口、つまり、夜間人口はもちろんですが、昼間の人口についても減少に向かっていくという予測を東京都自身が立てているわけです。東京都の都市基盤整備の計画については、また、そのほかのいろいろな事業があると思うんですが、九七年の、いわゆる生活都市東京構想のこの人口推計に基づいて各分野の事業計画がつくられているのか、特に、都市基盤整備についてはどうなんでしょうか。

◯安間政策報道室計画部長 各種の東京都の計画における人口想定の扱いといいますか、どういう形で使われているかという趣旨のお尋ねだと思いますけれども、生活都市東京構想において想定した将来人口につきましては、この構想では、将来に向けた施策を検討する際の前提としての性格を有するものということでございます。これを受けまして、同構想あるいは重点計画におきまして、少子化対策の推進、あるいは都心居住の推進など、将来人口の想定を踏まえた種々の施策を掲げているところでございます。  また、各種の計画における扱いということでございますけれども、それぞれの計画の性格あるいは内容によりまして、将来人口想定値とのかかわり、あるいはその取り扱いというのは異なっておりまして、一様に申し上げることはできませんけれども、非常に粗っぽく申しますと、例えば、一つは、より細分化された計画の目標値を算出する際に、基礎的な数値として使用していくというケースもございます。また、施策の方向性を導くための、いわば前提条件といいますか、背景説明というような形で引用されているケースもございます。また、直接、将来人口想定値は基礎としないで、独自の指標をもとにして施策の目標値を算定しているものなど、計画によってさまざまでございます。  お尋ねの都市基盤につきましては、人口想定が即、例えば道路の整備の計画に直結するという形にはなっていないというふうに考えております。

◯曽根委員 今のお答えをお聞きして、私は思い当たる節があるんですね。将来の人口想定が、かなり減少していくだろうという全体の生活都市東京構想の中での推計が出ているにもかかわらず、都市計画の分野では、むしろまだ右肩上がりで考えているんじゃないか。そうじゃなければ、今出されている都市計画の規模、事業量が、推計に見合わないんじゃないかと思うんです。  それで、お聞きしましたら、東京都の都市計画の市街化区域及び市街化調整区域の整備、開発又は保全の方針というのが、都市計画局でいえば都市整備のベースになっているというんですが、これは都市計画を持っていない自治体もありますから、そういうところも加えて人口の将来の推計がどうなっているのかを見ると、大体、二〇〇五年には一千二百五十三万人というふうに想定されていて、東京構想の想定とは逆に、現在より七十万人も人口がふえるという都市整備の方針に基づいて今の都市計画がやられている。ここに問題が一つあるんじゃないかというふうに思うんです。こういう人口フレームや産業フレームをもとにして、さまざまな都市施設の建設が必要とされるんだということで、例えば、環状二号線の再開発とか、汐留の土地区画整理事業とか、業務核都市、外郭環状道路、圏央道など、大型の開発幹線道路がメジロ押しになって張りつけられているんじゃないかと思うんです。  人口が減少傾向に向かっているのに、都市計画の方向は相変わらず拡大拡張路線だというのは、やっぱり矛盾がある。この点では、さきの第一回定例会の予算特別委員会で、我が党の指摘に対して、例えば下水道局が、過大な事業計画のもととなっていた都市計画決定に基づく計画フレームを見直す、つまり、下方修正するということを表明いたしましたが、東京都の将来計画についても、同じように実態に見合った見直し、修正が必要だと思うわけであります。  そこで、見直しを行う場合に配慮しなければならないのは、東京都の全体的な人口推計は先ほどの生活構想なんですが、国の方でも、東京圏もしくは東京都の人口推計を出しているわけですね。ちょっと取り寄せてみたんですが、厚生省の人口問題研究所が人口統計資料集というのを出していまして、これの九七年度版によりますと、二〇〇五年には東京の人口が一千百二十六万七千人、さらに二〇二五年、かなり先ですけれども、九百四十万七千人、一千万人を割るという人口予測を出しているわけですね。ですから、先ほど紹介した都市計画における人口推計と比べると、二〇〇五年の時点でも、既に百二十七万人もずれている。下回っている。二〇二五年段階ではもっと下回ることになる。これだけ人口推計値に違いがあるということを押さえておく必要がある。  先ほどお答えの中で、昼間の人口も二〇〇五年にピークを迎えた後は減少に向かうんじゃないかというふうにされているというお話がありましたし、既に将来の東京の姿がこういう形で見通されているわけですから、都市開発の計画がこれに見合っているものになっていないということは明らかだと思うんですが、この点についての見直し、考慮が必要じゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

◯安間政策報道室計画部長 先ほどもちょっとお答えいたしましたけれども、各種の計画は、それぞれの計画が目指している事業目標とか、施策の方向とか、そういうことをベースにしまして、さまざまな将来推計をしているわけでございます。先ほどの都市計画の見通しについて、どういう考え方でそういう推計をしているかを私は承知しておりませんので、ちょっとコメントはできませんけれども、東京都の長期構想の場合には、五年に一回の国勢調査を基本としながら、ある程度、中期的あるいは長期的な視野でその都度人口推計をしながら見直しをしていく、そしてまた、その推計のもとにさまざまな施策の方向性を明らかにしていく、こういうことをやっておりますので、各種の計画についても、一定の年限で、そのときの状況に合わせた人口推計を行った上で施策を打ち立てるということが、各局の計画においても行われているものというふうに考えております。

◯曽根委員 私は、各事業局がそれぞれ独自に考えて人口推計を持ってやっていけばいいかとか、都市としての見通しをそれぞれの分野で考えてどんどん進めていいのかというと、そうはならないと思うんですね。  私の前に質問された委員も、一たんつくれば、一定の年齢が来れば、橋梁や道路その他公共施設というのは、必ず補修、大規模な更新、そういう時期を迎えてくる。このコスト負担は大変なことになるというようなお話をされましたけど、私はそういう問題を考えなきゃいけないと思うんですよ。人口はどんどんふえていく、もしくは減らないというふうに決めつけて、それに基づいてどんどん都市基盤を広げていいんだ、単純にそれで進めるという状況でないと思うんです。  もう少し具体的に聞きたいんですけれども、例えば、実施案の中で、投資的経費の見直しとして代表的な三十項目の中に、環状二号線地区等の市街地再開発事業の見直しということで、市街地再開発については見直しますよということで、環状二号線地区とか北新宿地区について例を挙げて見直しをいっています。これでどういう形で見直しが行われたのか、財政健全化計画実施案に基づく見直しについてお聞かせいただきたいと思います。

◯木内財務局主計部長 市街地再開発事業につきまして、平成十年度予算におきまして、コストの縮減、施工方法の見直し等によりまして総事業費の抑制を行ったところでございます。また、工事工程を見直すことによりまして事業費の平準化を図った、そうした見直しを行いました。こうしたことによりまして、十年度予算において十四億円の削減を行ったところでございます。今後とも、事業の実施方法等につきましてさらに見直しを行っていきたい、さように考えているところでございます。

◯曽根委員 十四億円の削減を行ったというお話で、今年度の予算原案の中にもそのことが紹介されていましたので、建設局に聞いてみたんです。そうしたら、環二の開発も北新宿も、健全化計画に基づく見直しは行っていないというふうに明言しているんです。建設局の環二の予算が四十億円減っているので、これは減らしたんじゃないですかと聞いたら、いや、国の補助金の扱いが変わって、都市計画局扱いになっただけだ、事業そのものは見直されてはいないんだと。それから、北新宿の開発についても予算は原案どおりで、事業の見直しは行っていないというふうに事業局の方はいっているわけです。私は、こういうやり方では、過大な都市計画について、今後もそれに基づく再開発を続けるということになると、大変な後年度負担になってしまうと思うんです。  さらに心配なのは、四月に入って出された都市構造再編プログラムというのがあるんですね。これは二十三区を対象にして出されているんですが、それから、多摩の方を対象にして、魅力ある多摩の拠点づくり―多摩の心しん育成・整備計画というのを出している。どちらも四月になって相次いで出た計画なんです。これを見ますと、本当にバブル時代からの再開発、区画整理、道路計画、ありとあらゆる今出ているもの、また、今回新たに入れたものも含めて、事業計画をリストアップしているんですね。私なんかは、バブルそのものじゃないかという感じがしたんですが、そういう副都心開発などの都市づくりや、業務核都市などの都市づくりと、それを支える幹線道路網の計画がずらっと並んでいるということで、こういうビッグプロジェクトが──先日、道路の問題で、同時多発でいっぱい計画が出ちゃっている、事業化されつつあるという話をしましたが、再開発などについても、同時多発的に着手されるというふうになっているんです。これを見ると、バブル時代の反省はどこに行ったのかと首をかしげざるを得ないものなんですが、財政的にも、これではまた泥沼にはまり込んでいくんじゃないかと思えてなりません。  財務当局としては、こういう計画が発表されたことによって東京都がまた財政圧迫とならないように、開発計画全体についてきちんとチェックしていく必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

◯木内財務局主計部長 今お話をいただいた都市構造再編プログラム、これは所管の都市計画局及び建設局が、国、建設省の要請を受けまして、今、現に実施している事業について、将来どういうふうになっていくだろうかということを推計したものだと聞いてございます。そうした前提に基づいて両局が試算をし、推計し、取りまとめたものでございまして、また、いろいろな計画についての財政面でのお話がございましたけれども、私どもとして、それぞれの局がそれぞれの自立的、自主的な判断に基づいて行っていくことについて、強権的にと申しますか、そうしたことは必ずしも望ましいことではないだろうというふうにも思っております。ただ、将来にわたる財政を拘束するというものについて、そういう視点から、私どもとしてもご相談させていただいている部分もあるわけでございます。

◯曽根委員 今、木内さんのお答えで、現に実施している事業を並べたものだと。それから、各局が自主的、自立的にやっていることについて、強権的にあれこれいいたくないというお話があったけれども、それにしては踏み込んでいる計画なんですよ、これは。今までこういうものを出したことはないと思うんですが、例えば、今やっている再開発事業について、道路事業について、平成十四年までに、あと五年間で完了させる事業はこれこれですよ、それから、それ以降になる事業はこれこれですよと振り分けをやっているわけです。  それで、調べてみましたら、例えば市街地再開発事業で、これから五年間に完了させる事業が、この中で二十五カ所の再開発。私の地元では赤羽北とか、第二種市街地再開発ですね、西神田とか、大崎東口とか含めて、あと五年間以内に完了させるというのが二十五カ所で、事業費の総額を足し合わせてみると二兆一千億円なんですね。これは、昨年度、平成九年度までの五年間で既に完了した市街地再開発事業の二十四カ所、総事業費の額で、一兆円に比べて二倍なんです。それをあと五年間で完了させるというふうに、具体的に踏み込んで書いてあるんです。  私、そういう点でいうと、またバブルに逆戻りみたいな発想でつくられていやしないかと、そういう懸念を非常に持つんですね。ですから、例えば、この実施案の中でも紹介された北新宿の再開発なんかは、都の開発計画の情報をつかんで地上げが行われたといわれているところですし、九〇年に策定された放射五号線がのせられたことによって、沿線に当たる北新宿地域がターゲットとされて、どんどん土地が地上げされた。当時、日本興業銀行などが資金を提供して、ランディックというような地上げ業者が動き回って住民を追い出して、今日も虫食い状態で放置されている。にっちもさっちもいかなくなっている。それをわざわざ第二種再開発事業としてやってやる。こういうのは、私は甚だ疑問なんですね。  こういう再開発を見直すということで実施案に書かれているわけですから、これは、私は率直にいって、見直しにはまだほとんど手がついていないと思いますので、先ほどもお話がありましたけど、改めて、財政健全化計画で積み残しているこういう再開発の見直し、財政的な面からも、また、将来の東京の全体像との関係でも、過大過ぎる事業として見直してほしいと思うんですが、財務局長、いかがでしょうか。

◯西念財務局長 今回の施策の総点検は、常々申し上げてきてございますように、聖域なしで、すべてをまな板の上にのせて進めてきたつもりでございます。今ご指摘いただきました市街地再開発事業につきましても、既着手事業については、進捗状況あるいは事業収支に基づき、事業の見直しについて取りかかっているわけでございますし、いうまでもなく、新規事業については一定の見通しがつくまでは実施しない、こういう方針に基づきまして、一定の見直し、取りかかりは、すべて抜かりなくやっているつもりでございます。

◯曽根委員 ぜひ財政の観点からも、また、将来の都民に余計な負担を負わせないという観点からも厳しくチェックし、見直しをお願いしたいと思います。

●新海面処分場の計画見直しについて

 次に、もう一つ、中長期的な問題として見直しの必要に迫られているにもかかわらず、現在もまた今後も、長期にわたって莫大な財政投入が予定されております新海面処分場の問題について、ちょっと取り上げたいと思います。  新海面処分場のごみ、残土、しゅんせつ土の埋立計画というのは、バブル破綻直前の九〇年当時、ごみ処分や残土処理状況をもとにして将来計画の中で立てられたもので、ごみの埋立計画量は三千四百六万立方メートル、建設残土が二千九百万立方メートル、しゅんせつ土で四千五百六十万立方メートルなど、合計で一億二千三十七万立方メートルという膨大なものとして計画された結果、巨大な処分場計画となって、総事業費で七千四百四十億円、護岸整備だけでも四千五百億円に上るという巨大プロジェクトになっているわけです。その当時計画された工法というのも、これはパンフレットを港湾局からお借りしてきたんですが、全体を一括してつくるんじゃなくて、中を間仕切りをつくりまして、AからGまでブロックで、とにかく中央防波堤外側処分場が満杯になる日が近いということから、新処分場は幾つかのブロックで次々建設しながら供用を開始していくというような計画で立てられたものです。  ところが、その後、ごみの処分量というのは、埋立量はかなり減っているんですね。伺いますけれども、最近、東京スリムプランということで、今後にわたって、ごみの埋立量について計画が出されたと思いますが、その内容というのは、この処分場が完成するころには、どれぐらい埋立量は減っているということになるんでしょうか。

◯安間政策報道室計画部長 昨年十二月に清掃局の方で策定いたしました一般廃棄物処理基本計画、東京スリムプラン21と呼んでおりますけれども、これによりますと、将来のごみ量を推計しておりまして、平成八年度の四百十三万トンから十年後の平成十八年度には三百六十五万トンまで減らすことを目標として掲げてございます。  また、同じプラン21におきまして、埋立処分量でございますけれども、仮に目標どおりのごみ量とした場合の想定として、平成九年度から平成十三年度までの五年間の埋立処分量は、四百八十万トンと予測しております。また、平成十九年度から二十三年度までの五カ年間の埋立処分量は、三百九十七万トンと予測しております。  さらに、溶融スラグを全量資源化した場合ということで、その場合の十九年度から二十三年度の埋立処分量は、二百五十六万トンになるというふうにしております。

◯曽根委員 焼却灰の溶融スラグを別の形で、例えばれんがとか、その他で活用すれば、一番進めた場合、二百五十六万トンまで減らせると。これは五年間の値ですね。この処分場計画をつくったときは、一年間でごみを五百万トン埋める計画でつくられているわけです。ですから、五年間で二百五十六万トンですから、十分の一ぐらいまで落とせるだろうということに計画上はなっている。  現状はどうかというと、私、港湾局にお聞きしたんですけれども、平成八年度、九六年度で二百三十三万トン、昨年度、九七年度で百三十五万トンと。これでも計画の半分よりも少ないぐらいの量にまで下がっている。今、どんどん下がっているわけです。下げなきゃならないわけです。そうしますと、処分場、一体、こんなに大規模なものを急いでつくる必要があるのかということは、当然考えなきゃならない問題だと思うんですね。私、思うんですけれども、AからGまでのブロックを細かく分けて、急いでつくる必要性というのは非常に薄れたと思うんです。  それから、もちろん、残土やしゅんせつ土もあるんですが、しゅんせつ土も量はずっと横ばい状態。残土についても減っているんですけれども、さらに、都内で発生する残土の四分の一は東京都の公共事業から出ているので、環境への配慮の面からも、先ほど述べたように、公共事業、大型開発などを将来的に見直す方向に立てば、処分場の負荷も軽減できるんじゃないかと思います。この点で、新海面処分場の計画の見直しというのは、私は、もう具体的な検討の俎上にのせなきゃならない段階に来ていると思うんですが、東京都の検討というのはどうなっているんでしょうか。

◯木内財務局主計部長 埋立処分場の整備についてというふうに理解させていただきまして、私ども申し上げさせていただきますけれども、ごみ量というのは、経済環境とか、あるいは減量等々の努力といいますか、そんなことによって大きく変わっていくんだというふうに考えておりまして、その辺の推計については、所管当局において十分な議論がなされていくものと理解いたしております。その結果が先ほどのお答えであろうかと思いますし、さらに、それらを前提とした上での処分場の整備につきましても、ごみ量の変化等々を踏まえた形で所管局、清掃、港湾両局において適切な対応がなされていくものというふうに私どもは考えているところでございます。

◯曽根委員 これも所管局にということなんですが、私、この問題も所管局任せにすべきではないというふうに思うんです。というのは、処分場への負荷を軽減するというのは、財政面から見ても極めて重要な課題だと思うんです。それは国の補助金が、補助の仕組みをお聞きしましたら、処分場の外側の護岸、外海に面している護岸には国の補助がつくんだそうです。ところが、中の間仕切り部分には補助がつかない。まるっきり東京都の単独事業でやるという仕組みになっている。したがって、AからGまでブロックを分けていく間仕切り部分というのは、東京都の丸々の負担になっているわけですから、その必要性が薄れた以上、その部分の削減というのは財政的にも大きな意味がある、かなり浮くと思うんです。  港湾局に試しに計算してもらったんですが、新海面を北半分と南半分に分けて、現在つくっているA、B、C、それから、その東側のGブロックの四ブロックまでと、南側のD、E、F、三ブロックに分けて、南側を凍結したらどれぐらい財政が節約できるんですかと聞いたら、護岸整備についてだけですけど、四千五百億円近い護岸整備のうち、二千五百億円節約できるというのです。半分以上下げられるわけです。ですから、これは財政的に非常に大きな課題だと思うんですね。  そういう点から、私、率直にいって、せめて間仕切り部分の建設だけでも直ちに見直し、凍結をすべきじゃないかと思うんですが、こういう提案についてどのようにお考えでしょうか。

◯木内財務局主計部長 処分場の整備の進め方についてのお話でございますけれども、それぞれ先ほど来答弁申し上げておりますように、近年におけるごみの量の推移といいますか、そんなことを踏まえながら、所管局が適切に対応すべきものと私どもは考えているところでございます。繰り返しの答弁で申しわけないですけれども、そういうことだろうというふうに私は思います。

◯曽根委員 この分野になると、えらく不熱心になっちゃうな。ほかの福祉の分野なんかは、財政健全化計画実施案で随分踏み込んで、ここを削れ、あそこを削れといろいろなことを書いてあるのに……。これだけ過大計画になっていることは明確だし、お聞きしたら、港湾局の技監を責任者とするプロジェクトもできていて、既に検討が内部的に始まっているというふうにも聞いているんですが、私、財務局からちゃんと注文を出すべきだと思うんです。このことは意見として申し上げておきます。  最後に、公共事業の必要性について、最近、景気対策という観点からいわれているわけですけれども、この点について一言申し上げておきたいと思います。  現在の平成不況といわれる戦後最長の不況に当たっては、国が九二年以来、六回の景気対策をやってきているわけです。総額でいうと六十六兆円、このうち公共事業は約五十兆円です。しかし、深刻な不況を抜け出すものにならないばかりか、結局、国の方は累積赤字の大きな要因となってきたことは明らかであります。今回の景気対策も、きょうかあすか、発表されるようですが、十六兆円、同じ轍を踏もうとしているものといわざるを得ません。  私たち、いろいろ経済界の出したものも読んでいるんですけど、富士総合研究所の研究リポートに、公共投資の景気浮揚効果をめぐる議論についての再考察という研究リポートがありまして、これを読みますと、今後の景気対策を考えるに当たっても、公共投資に下支え以上の呼び水的な効果を安易に期待すべきでないというふうに述べているんです。つまり、工事による雇用効果はあるけれども、景気を上向かせるほどの効果は期待できないというふうに、富士総研なんかでも、もういわれているわけです。  ですから、景気対策をいうのであれば、まず、消費税を三%に戻すとか、特別減税を恒久減税として国民の懐を直接暖める、消費を拡大するということがまず第一だ。公共事業についても、これは住宅や学校、福祉施設など生活密着に転換することで、中小企業の仕事の確保に努めることが必要だということを改めて表明しまして、私の質問を終わりたいと思います。

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