02年11月21日文教委員会 「都立高校の統廃合は許さない」と、請願陳情を支持して都を追及 |
(1)養護学校への緊急対策について ○曽根委員 最初に盲・聾・養護学校に関連して幾つか質問します。 盲・聾・養護学校については、最近、何校か見学に行きましたけれども、どこも生徒、児童がふえて、教室や先生やスクールバスやトイレや、ありとあらゆるものが不足しているという状況でした。都の方も盲・聾・養護学校の改善検討委員会が始まっているというふうに聞いていますが、どういう検討が行われて、いつまで検討が行われるんでしょうか。 ○比留間学務部長 都教育委員会は、都の心身障害教育が抱える諸課題に対応するため、本年七月に学識経験者や区市町村教育長なども加えた東京都心身障害教育改善検討委員会を設置し、これからの都における心身障害教育の基本的な方向について諮問を行ったところでございます。 検討委員会におきましては、教育内容、方法の充実、教育環境の整備、区市町村への支援のあり方の三点を主要な検討事項といたしまして、来年五月を目途に答申をまとめるよう審議を進めているところでございます。現在まで三回審議を行いまして、これまでに改善の理念及び改善の指針や都立盲・聾・養護学校の教育内容、方法の充実などについて検討を行ってきたところでございます。 ○曽根委員 私は、今、国の方でもある方向を出そうとしていて、それは障害にはいろいろな種別がありますけれども、その種別をいわば無視したような、いろいろな種類の障害を持った子どもたちを一つの学校に集めるようなやり方まで検討されていると聞いています。問穎は、こうした今ある東京都の盲・聾・養護学校の中に何とかうまく詰め込めばいいというような段階ではなく、決定的に都内の養護学校が不足しているのが東京の現状です。したがって、根本的な解決のためにも、養護学校の増設、そして、本当の意味で子どもたちが、少なくとも今、一時間半以上、長い子どもは片道一時間四十分バスに乗って通っている現状の根本的な解決を目指すべきだと思っています。 ◎青鳥養護学校久我山分校の問題 同時に、きょう具体的にお聞きしたいのは、もう待ったなしの状況にある学校です。一つは、青鳥養護の久我山分校ですが、ここは分校ができ上がってから十三年になり、ずっとプレハブ校舎です。すぐにでも本校になるかと期待していた父母の方や生徒たちの期待を裏切って、いまだにめどが立ちません。なぜもっと早く本校として独立できなかったのか。設置できなかつたのか。この経過についてお知らせください。 ○比留間学務部長 青鳥養護学校は、当時、中学部及び高等部からなる知的障害養護学校でございましたけれども、在籍者数の増加に伴い、教室不足が大きな課題になるとともに、調布養護学校に通学している世田谷区在住の小学部児童の通学条件の改善を図る必要がございました。しかしながら、青鳥養護学校は校地が余り広くないために増築が難しく、また、世田谷区内に新たな校地を確保することも困難であつたため、比較的校地に余裕があり、区内に立地する久我山盲学校の敷地に、平成二年四月、小中学部からなる久我山分教室を開設するとともに、青鳥養護学校は、高等部単独校として改編を行ったものてございます。その後、久我山分教室につきましては平成四年に分校として整備を行いました。 平成四年度の久我山分校開設当初の児童、生徒は五十八人でございまして、その後、平成十三年度まではほぼ六十人前後と、他の知的障害養護学校に比較すると小規模な人数で推移してまいりました。また、久我山分校は、久我山盲学校と同一敷地内にありまして、校地が狭隘であることから、増築が困難という事情もございます。こうしたことから、久我山分校の本校化については実施してこなかつたものでございます。 ○曽根委員 この二、三年、急速に小学部に入学する児童の数がふえて、現在八十名近く、そして、来年も二十人ぐらいふえる可能性があるというふうに聞いています。したがつて、もう使える教室はほとんど、特別教室も何もかも普通教室に切りかえておりますので、最後に残ったプレールームあたりが犠牲になるのかなというふうに思いますけれども、とにかく、先ほど少人数だという話がありましたが、プレハプ校舎ですから、一人当たりの子どもに対する面積でいっても劣悪過ぎるというのが私の実感です。お聞きしますと、青鳥養護の本校の方も高等部がふえてきて大変だというお話も聞きますが、何にもまして、このプレハブ校舎で十数年我慢し続けた方々に、一日も早い本校、そして、場所は手狭です から、場所を探して移すということは、全体の計画とは同時に並行して急いで進めなければならないと思いますが、この点でぜひ最優先で対策をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○比留間学務部長 久我山分校では、これまで児童、生徒数の増につきましては教室の転用や間仕切りの設置により対応を行ってまいりました。平成十四年度に児童、生徒数がそれまでの六十人規模から七十六人というふうに増加いたしましたために、実習室を転用して普通教室を確保するとともに、スクールバスを大型化するなどの教育環境の整備を行ったところでございます。今後、さらに児童、生徒数が増加することも見込まれるために、盲・聾・養護学校全体の教育環境整備を検討する中で、総合的な対策を講じていきたいというふうに考えております。 ○曽根委員 全体の中でやるということはやむを得ないかもしれないけれども、その中で も最優先にこの学校の改善について取り組んでいただきたいことを重ねて要望しておきます。 ◎港養護学校の移転問題 もうlつは、昨年、ことしの春、それから二定のときにも取り上げましたが、港養護です。マンションの建設が既に隣地で始まっており、私、ことし二月に申し上げましたように、このマンションが建設されると、午前中の日差しが完全に遮断され、さらに午後になると、もう一つ、既に建っているマンションの影で午後三時まで日照がなくなります。したがって、朝から午後三時まで日が当たらないという状況になってしまいます。しかも、前にはモノレールが走り、新幹線の引き込み線が走り、そして、産業道路に高速道路羽田線と、本当に道路と鉄道と、裏側は運河と、全く逃げ道がないという状態の、教育環境としてはもう成り立たない場所になってしまいました。したがつて、来年あたり、マンションが立ち上がって日が差さなくなるまでに、急いでこれも移転先を決めて、動かなければならない場所だと思いますが、適地を探す努力をされていると思いますけれども、具体的にはどういう動きになっているんでしょうか。 ○比留間学務部長 港養護学校の教育環境につきましては、都教育委員会としても重要な課題であるというふうに認識をしてございます。現在、都の財政状況が厳しい状況にあること、都心の周辺地域で必要となる校地が適切に確保できるかなど難しい課題がございますけれども、港養譲学校の教育環境の向上のために、今後、先ほどお話を申し上げました心身障害教育改善検討委員会の審議も踏まえながら、移転も含めて、総合的に検討を進めてまいります。 ○曽根委員 私、地元の方にお聞きしてみたんですけど、まず、近くに港南四丁目の都営住宅の建てかえを今進めるところですか。お聞きしたら、半分ぐらいの土地を使って、民間の今度新しいやり方による入札をやって、五百数十戸、今ある戸数よりもはるかに大きい戸数の都営住宅をつくると。残り半分用地があくんじやないかと思ったら、そっちは民間に売却して、民間のマンションを建てる計画になるんだそうです。貴重な都有地であり、しかも、この学校が入るスペースが十分にある。団地全体で七千平米の貴重な土地があるにもかかわらず、民間のマンションに売却するというのはいかにも惜しいと。しかも、この港養護自体が道路に面し、一級地に建っているわけで、その土地を活用することも考えれば、そんなにお金をかけなくても移転できる方法は幾らでも工夫できるんじやないかと思います。このほかにも、お聞きすると、今使っていない下水道局の処理場の跡地とか、自衛隊があって、今はもう移ってしまっている跡地とか、少し手狭だそうですけど、いろいろ探せば、国有地、都有地はあるというお話で、ぜひ一刻も早く適地を探して移転できるように、手だてを打っていただきたいということをお願いしておきます。 (2)都立高校の統廃合問題 ◎定時制高校を守る生徒の会への都の姿勢 それでは、高校改革問題について質問します。 最初に、既に九月二十七日に一回質疑をしておりますが、その後教育委員会の決定があり、また、この間の新しい動きとして私が注目したいのは、定時制高校を初めとする生徒の皆さんの運動が始まったことです。東京全体の定時制高校の生徒に声をかけて、呼びかけてつくられた生徒の会というのがあつて、報道やその方々からの話を聞くと、十月三日に教育庁に一回要望書を提出に来たんだけれども、教育庁は、現役の生徒には直接会わないと。校長を通さなければ会わないという態度をとって、そのときいた卒業生の人には会うということで、卒業生の人が要望書を受け取るように交渉したらしいんですけれども、そのときの担当課長の姿勢で、そのように、校長を通じてしか会わないということになりました。 その後、十月二十一日には、改めて生徒の会が要望書と、二週間ちょっとの間に集めた定時制の生徒へのアンケートを含めて提出したというふうに聞いています。この当事者である定時制高校の生徒の会の要望書について、その要望内容についてはどう受けとめておられますか。 ○山際都立高校改革推進担当部長 要望についてどう受けとめたかというふうなお尋ねですが、夜間定時制高校に通っている生徒が自分の高校の統廃合に関しまして、学校存続の要望を出したことについて理解できる部分はございます。今回の計画が定時制教育の条件改善につながることを引き続き学校関係者に対して説明しまして、生徒の理解も深めてまいりたい、かように考えております。 ○曽根委員 多少でも理解できるということであれば、なぜ校長を通じてしか会わないというような態度をとるのか。それから、出された要望書を教育委員会の際になぜきちんと報告し、資料として提出しなかったんですか。 ○山際都立高校改革推進担当部長 生徒の要望書の提出についての基本的な私どもの考え方でございますが、生徒が主体的に物事を考え、そして、みずからの考えをまとめ、そして、高校生として相応な意見として表明するということは大切であるというふうに考えておりますが、意見表明の手段、方法につきましては一定のルールが必要である、このように考えております。生徒が意見を表明するに当たりましては、教育の専門家たる校長などが、生徒の適性、あるいは能力を踏まえまして、必要な指導、助言を与えることが重要でございまして、教育的な配慮のもとに、日ごろから生徒の考え方や学習状況を把握している校長を通じて行うことが原則であるというふうに考えております。 なお、二点目に、教育委員会で生徒の要望があったかどうか、あるいはそれについて反対であるというようなことを伝えたかどうかというふうなお話でございますが、私ども、この定時制の改革については、これまでもるる教育委員会で議論していたところでございます。教員関係者、あるいは生徒を含めて、この定時制の統合については、かなり強い反対意見がある、一部に強い意見がある、このようなことについては既にお話をしているところでございます。 ○曽根委員 事実上、生徒の人たちが、教育委員会では本格的な議論が既に十月十日にもやられていると聞いていますが、しかし、生徒の会が要望書を提出したのは十月二十一日で、二十四日の教育委員会の直前です。それだけに、一番新しい生徒たちの動きについて、私は、一番重要な情報の一つとして教育委員会に改めて報告するのが筋だと思うんです。それを無視したやり方は非常に問題だと思います。 それから、三日に事前に提出のやり方について交渉した卒業生の人と担当課長のやりとりが生徒の会のホームページに公開されておりましたので、これはテープレコーダーで録音したようですけれども、読ませていただきました。 生徒の会のメンバーは、第一に、生徒の会は、団体としてまとまった要望を提出するのであるから、計画案の作成部署に直接提出するのが当然である。個々の生徒が校長を通じて要望を出すことは筋違いだし、無理だというふうに述べています。 また、学校ごとに対応が違って、かなりの学校では、生徒自身が休み時間にさえ署名活動をするのをやめさせられるなど、校長や教頭の妨害に遭っている。協力どころか、生徒同士の署名や対話さえやめさせようとする人に要望書を託すことはできない。 三つ目に、都は、生徒の意見は校長を通じて聞いているというが、自分たちの意見は聞かれたことがない。生徒の意見は、計画案をつくっている人に直接届けるしかないと判断した。以上、三つの点をきちんと述べています。 これに対して、応対した担当課長は、ただルールが必要とか、校長を通じてとかを繰り返すだけでした。明らかに生徒の会に主張に道理があると思いますが、いかがですか。 ○山際都立高校改革推進担当部長 先ほどお話をさせていただきましたが、定時制に通っている生徒が自分の高校の統廃合に関しまして、学校存続の要望を出した。その中で、学校存続に対して寂しさを感じる。そういう感情について、私は、理解できるところでございますが、しかし、生徒が、私も要望を読ませていただきましたが、現状はかなりいいんだと。現状はいいんだというようなことで、現状をこのまま生かしていただきたいというようなお話を私も聞いておりますが、しかし、私としますと、今の教育はさまざまな課題があるわけで、今、どんなようなところが、身の回りに問題があるのか。定時制は現在の夜間だけでいいのか。そして、これからどういうふうになつたらいいのか。そういうことも十分に生徒の中でも議論していただきたい、かように考えているところでございます。 ○曽根委員 私は、手続論について申し上げたんですが、生徒の主張についての評価については後でまたお聞きしますけれども、大体、校長を通じてとか、校長立ち会いとかいっているのは、私の知る限り、東京ぐらいなもので、この間、統廃合が行われている各県の状況を調べてみましたが、例えば大阪府でも、去年も大きな統廃合問題があつて、ある新聞のニユースに載っていましたけど、大阪府の教育委員会に高校生自身が要望書を提出しているわけですよ。当事者にお聞きしましたが、提出すること自体には何の問題もなかったと。もちろん要望書が受け入れられたわけではありませんけれども、実現したわけじゃありませんけれども、しかし、提出することにまで、校長を通じてとか、直接会わないとかいう教育委員会の態度は一切なかったと。なぜ東京でそんなことが問題になるんですかという話です。 それから、先日、埼玉県でも男女共学の高校づくりの問題について、生徒が意見があるということで教育委員会に要望の提出に行きました。NHKが取材して、テレビのニユースに出ていましたが、それも職員に会うことは何の問題もなかった。知事が会うかどうかについてはよく考えたいというような話だった。したがって、校長を通じてとか、教育的配慮といっているのは東京だけの事態で、私は、異常だと思うんです。 現実には、二十一日にはどういう方法で、私は直接要望書を渡したというふうに聞いたんですが、どういう方法でそれが実現したんでしょうか。 ○山際都立高校改革推進担当部長 二十一日に要望書をどのように受け取ったかというお話でございます。その前に、ちょっとお話をさせていただきますが、私どもとして生徒に説明する、あるいは生徒のことを聞くということをいとうているわけではございません。 生徒の意見には参考になることもあるし、あるいは生徒の社会参加を促す意味もある。しかし、学校である以上、生徒の行動には当然一定のルールがあるだろうというふうに考えております。通常、それは校長あるいは教員を通じて意見を開陳する、そのようなルールになってございます。したがって、私どもは、そうしたルールに沿って対応すべきというところで考えておるわけですが、しかし、校長の判断、あるいは校長の同席のもとで対応することはあり得るし、また、実際に対応したところでございます。十月二十一日につきましては、校長同席のもとで要望書を受理しております。 ○曽根委員 おかしいですよね。さっき生徒の会の人がいったように、団体としてまとまった要望書を提出するんですから、しかも当日二十一日は複数の生徒が要望書の提出に来ているのに、どの校長が立ち会ったんですか。 ○山際都立高校改革推進担当部長 定時制を守る生徒の会のメンバーそのものについては詳しくわかりませんが、しかし、会長の、はっきり申し上げて、八潮高校の生徒でございます。その会長の所属であります校長、八潮高校の校長が同席したところでございます。 ○曽根委員 何の意味があるのかなというふうに私は思うんですね。八潮高校の校長が生徒の会の活動全体について何らかの責任を負う立場にあるのか、それとも、教育的指導をその後やれるのか、そういう団体との関係じゃないと思うんです。しかも、これは会長の生徒さん自身の了解をとったでしょうか。もしとってないとすれば、校長先生の立ち会いは困りますというふうにいった場合、生徒は拒否できるんですか。 ○山際都立高校改革推進担当部長 先ほどから申し上げているとおり、私どもが生徒と会ぅ際には、校長の同席、あるいは校長の判断のもとに同席するということに、私どもは考え方として、そういう考え方で対応しているところでございます。先ほどの質問の中で、生徒の方で同意があったのかどうかというようなことがございましたが、それは私どもの基本的な考え方でございまして、それに従ったものというふうに受けとめております。 ○曽根委員 たまたま八潮の校長先生は、会長さんの活動に対しては、校内で署名活動することについても文句はいわない人だったそうです。しかし、これが仮にほかの高校であったように、校長先生がみずから妨害すると。学校の外でやれというような人だったらどうなるのか。当日、教育庁が校長の立ち会いを何としてもやれという態度をとったために、定時制の中でも、推薦で大学を受けたいと思っている生徒がいて、非常な不安を感じたといっていました。そういう点で、これは教育的な配慮どころか、教育の名による生徒の自主性への威圧ではないかと思います。生徒に不利益が生じるようなことがあり得た場合、校長の立ち会いというのは、教育的配慮じゃありません。自主活動に対する、ある意味ではバリアを張っているようなものです。こういう時代錯誤のやり方は今後一切やめるように、ほかの県でやっている当たり前の、一般市民と同じ、基本的、社会的常識を守って要望書を提出しているんですから、そのルール以上の余計なルールをつける必要はないということを申し上げておきたいと思います。 次に、生徒の会が取り組んだ、短期間でしたけれども、八百人に及ぶアンケートの結果、これは当然、提出を受けているわけですから、ご存じだと思います。 最初に会ったとき、担当課長が、君たちは少数派だ、マイノリテイーだと決めつけたようですけれども、しかし、この八百人のアンケートの結果を見ると、まず、半数の生徒が計画を知らなかつた。 先ほど都民のアンケートの結果もありましたが。そして、知ってみると、賛成、反対については、どちらかといえば賛成、賛成を含めても六%しかいない。反対が五四%、わからないというのが三一%という、ある意味では非常に正直な結果が出たと。教育庁が彼らを少数派と決めつけることはできないと思いますけれども、どうですか。 ○山際都立高校改革推進担当部長 アンケートの結果について私も話を聞いておりますが、これが定時制の全体の声なのかどうか、それについて、あるいはアンケートがどういうふうな経緯を経て、だれが展開したのかについてつまびらかにわかりませんが、しかし、反対が多いということについては受けとめておきたい、かように考えております。 ○曽根委員 生徒の会の提出した書類の中にも、恐らくどういう方法をとったアンケートか書いてあったと思います。各定時制の高校の生徒会あてに郵送でアンケート用紙を送って郵送で回収したもので、したがって、統廃合の対象校以外の学校にも送っていて、そういう学校からも返答が来ているそうです。これは自分の学校がなくなるので寂しいとかいうだけじゃなくて、夜間定時制というもののあり方そのものに対する、まだ対象校になっていない学校の生徒も含めた意見だという点で、極めて客観的なやり方だと思います。これに対抗するだけの教育庁の調査なんかないと思うんですよ。ですから、今後、一切、夜間定時制がなくなっては困ると生徒たちの多くは思っているんだという、これについて少数派だと決めつけるのはやめていただきたい。教育庁の方にも根拠はないんですから。 それで、問題は、生徒たちの声を受けとめるというのであれば、三部制に全部まとめてしまうという将来の構想については、この際、撤回すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 〇山際都立高校放革推進担当部長 私ども、定時制教育そのものについては、今、多様な子どもたちが学んでいる。中退を含めて、あるいは不登校の子どもたちが学んでいる。そうした定時制教育そのものについての重要性は十分に認識しているつもりでございます。 しかしながら、じゃ、定時制で学ぶ生徒たちの状態はどうなのかという点からしますと、かつてのように勤労青少年が学ぶ、どうしても夜間でなければならない、そういう理由は見当たらない。しかも、定時制で学んでいる子どもたちが、全日制のある意味での片隅に追いやられて学んでいる。そういうようなこともあるわけです。さらに、登下校時間が制約されている。あるいは、施設についても、五時から、それ以前に運動場とか、図書館で学べない、こういうような問題点がある。したがって、私どもは、そういう生徒の実態、あるいは課題に対応して、周辺の定時制高校、夜間定時制を統合して、全定併置の昼夜間定時制独立校を設置するということでございまして、これは定時制教育の充実につながるものであるというふうに考えているところでございます。 ○曽根委員 るる勝手な解釈を述べられたんですけど、私は、例えば、夜間定時制に通う生徒さんが・・・。 〔「まっすぐ議論しろ」 と呼び、その他発言する者あり〕 ○渡辺委員長 静かにしてください。 ○曽根委員 正規の従業員として企業で働いているのかという統計があるのは知っています。一割弱であるといつもいう。しかし、じゃ、アルバイトも含めて、どれぐらいの生徒が仕事を持っているのかという調査はかけたことがあるんですか。そのほかにも夜間の定時制に通う生徒たちが、不登校体験者はどれぐらいいるとかいう詳しい調査をこの間、やったことがあるんですか。 ○近藤指導部長 ご指摘のありました調査につきましては、現在やってございません。 ○山際都立高校改革推進担当部長 勤労青少年ということで、そういうふうな職がないというような話が今曽根委員からございました。かつてはそういう勤労青少年、今はアルバイトというふうな形になつております。しかし、そうした雇用状況というものについてはかなり弾力化されている。 例えばマクドナルドについては高校生がかなり就業している。これは全日制の子どもも定時制の子どもも同じような時間帯で学ぶことが可能である。昼間 学ぶことでなくて、午前の時間も学べるし、午前、午後、あるいは夜間についても働ける。そういうような実態でございまして、働いているから、勤労しているから、夜間学ばなきゃいけないというふうな実態ではございません。 ○曽根委員 調査があったかないかだけ聞いているんですけど、いよいよ解釈の世界に入っていくようですけれども……。 私は、三定の、先ほどもご紹介があったように、公明党さんの討論の中でも強調されていたように、今度の昼夜間定時制独立校の設置に伴って、ちょっと読ませていただきますが、周辺の夜間定時制高校の閉校が計画されているが、これには生徒の通学上の負担が増大することを初め数多くの問題が指摘されていると。そこで、夜間定時制に通う生徒の実態を詳細に調査し、学校数が減ることによる通学上の課題などを十二分に検討、検証することが重要だ。したがって、この再配置案については慎重な対応、あるいは再検討を求めるものだというご意見もありました。 私、やっぱり先ほど指導部長がおっしゃったように、生徒の意向はもちろん、生活実態、そして、今ふえているといわれている不登校経験など、一体どういう生徒が夜間定時制に通ってきていて、夜間定時制で何を学んで、どう改善してほしいと思っているのか、それが果たして三部制でかみ合うのかということを何も本格的には調査もしないで、決めてきたということ自体が大問題だと思うわけです。この点では、強く、改めて調査を行い、今度の教育委員会では行政計画として決められてはいますけれども、必要な再決定はもちろんあり得るわけですから、やっていただきたいと思うんです。 ◎中央線沿線の定時制高校 個々の請願陳情でも非常に重要なものがありますので、幾つかあわせて聞いておきたいと思います。 まず、荻窪高校に集約されようとしている中央線沿線の定時制高校について、さっき資料をいただいて見ていたんですけれども、請願者の方にお話をお聞きしたら、新宿から武蔵境まで定時制普通科の高校がなくなるんだというお話だったんですが、ずっと見ると、西は立川高校に普通科が残ります。地図で出ていますけど。あと中央線をずっと東にたどってきても、新宿を越えて、千代田、秋葉原をさらに総武線でたどっていっても、江戸川高校まで定時制の普通科はないんじやないですかね。ですから、立川から東は平井、小松川のところまで、江戸川高校まで、小岩の手前まで、夜間定時制普通科高校はなくなると 思うんです。これはひどいじゃないかというこの方々の訴えは本当にもっともなことだというふうに思います。 ある対象校の先生がおっしやつていたのは、三部制が必要な子どももいるだろうから、そういう高校を仮につくったとしても、夜間定時制をすぐに廃校するんじやなくて、何年か併存させてみれば、生徒たちがどっちを選んでいくのかというのがわかつてくるじゃないか、そういうアイデアもありました。それから、西は立川、東は小岩まで、ずっと定時制をなくしてしまうというのは余りにもひどい、何校かだけでも残してほしいとか、切々たる訴えがありました。こういった、いわば生徒たちがこれから三部制を選ぶのか、夜間定時制を選ぶのかという選択ができるようにしていくという考え方についてはどうでしょうか。 ○山際都立高校改革推進担当部長 これからの定時制教育のあり方については、私ども、このたびの新たな実施計画の中でも明らかにしたところでございます。私どもの基本的な考え方としましては、定時制教育については、将来的には全定併置の解消を図つていく、これが基本的な考え方でございます。 ○曽根委員 何ら変える考え方はないようですけれども・・・。 ◎荻窪高校の廃止について もう一つ、荻窪高校の請願も出ているんですね。これは全日制が三部制をつくることによって廃校になるわけですが、先日、荻窪高校に伺って校長先生に会ってきました。 ここでは、今回、統廃合の対象になる前から、この数年間、学校ぐるみの取り組みによって生徒の問題行動も激減したと。校長先生の話では、三けたの数いた、特別指導生というんだそうですけど、万引きをしたり、昼休みに勝手に学校を抜け出したり、そういう生徒がこの三年間に激減して、一けたになったそうです。それは、地域との交流会を行って、商店街や地域のイベントにも生徒が参加したり、それから、目の前に保健所があるんですけれども、その行事に参加したり、地域との協力関係、連携を強めてきた成果だというふうにおっしやつていました。そういう点で、また、定時制の方も、この間、入学者が非常にふえていて、百二十名ぐらいになるそうです。それは杉並区内にある中学校に通えない子どもたちの、何というんでしょうか、指導学級というんでしょうか、サザンカ学級というそうなんですが、ここからの推薦で、荻窪高校の定時制は非常によくやってくれていると。 不登校だった子どもが定時制の荻窪に通うようになってから、学校に定着したということで、代々、ここも通うようになっているそうなんです。 そういう点で、校長先生、内心では、ここが統廃合されてしまうことについて、じくじたる思いがあるんじやないかと思うんですが、校長先生ですから、いいませんでしたけど。 私は、全日制が三部制にされる高校についても、これまでの努力が無になってよいのかと、台なしになつてよいのかというふうに思うんですが、この荻窪高校の実践、成果についてはどう受けとめておられますか。 ○山際都立高校改草推進担当部長 荻窪高校につきましては、新たな実施計画によりまして、彬並地区昼夜間定時制独立校に改編することにいたしております。ただいま曽根委員ご指摘のように、荻窪高校の教育実績につきましては、私どもも評価しているところでございまして、きめ細かな生徒指導、あるいは地域活動への参加など、こうした教育実績が無にならないように、今後設置いたします杉並地区昼夜間定時制独立校に引き継ぐべきであるというふうに考えております。 ○曽根委員 私は、全日制の高校として、地域と連携を図っていこうと努力してきた、この実践こそ、今、進学校だの、中堅校だの、教育課題校だのと分類して、競争させるというやり方ではなくて、その学校ごとのまさに特色化、そういう努力こそ尊重して、学校にそれぞれ奨励していく問題だと思うんです。そういう点では、荻窪高校は、全日制としての努力を、引き続き全日制として続けていけるように保障するのが教育委員会としてとるべき態度ではないかということを申し上げたいと思います。 ◎両国高校定時制の廃校前の繰上げ移転問題 それから、先ほどもちょつと紹介されましたが、小石川高校や両国高校は、中高一貫校になることに伴って、定時制が、当初の計画案がどうだつたかわかりませんが、いずれにしても早く台東商業に統合されるという話が出ました。これは中高一貫校が立ち上がる平成十八年にはどうしても夜間定時制を併存させないという方針に基づくものだそうです。 ほかの学校では、新しいタイプの高校ができても、夜間定時制は卒業までは残るにもかかわらず、中高一貰校だけ、しかも、昼問の高校なんですから、全定併置で、夜間は学校は使えるわけですね。にもかかわらず、どうしても新しい高校の方へ統合させてしまうという。なぜここだけが、中高一貫校だけがこういう扱いになるんでしょうか。 ○山際都立高校改革推進担当部長 先ほど申し上げましたが、私どもの基本方針として、全定併置の解消を目指していくというような考え方に立っているわけでございますが、ただいまのお尋ねについてでございますが、中高一斉教育校に定時制課程を併置しない理由について、中学校と高等学校が併存します中高一貫教育におきましては、定時制課程を併置した場合に、例えば部活動の拡大に伴う施設利用の制約が大きくなる。また、中等教育全日制課程の生徒と定時制課程の生徒では、かなり年齢差も大きい。生徒への心理的影響等についても十分考慮する必要があるなどの理由によりまして、中高一貫教育校の開校に合わせて高等学校の全定併置の解消を図ることにしたものでございます。 ○曽根委員 私、随分だと思うんですよ。北区でも城北高校が桐ケ丘高校になり、また、かつては北高校が飛鳥高校になつたときも、必ず前の高校は門の片側に看板をかけて、卒業まではちょつと寂しい思いもありますけど、その学校で卒業させたんです。ところが、今度は、しかも定時制に通っている生徒を、長いところでは、この問もデータをいただきましたが、一時間もかかる台東商業まで学年進行の途中で移すということをやるわけですね。平成十八年には、先ほど石川委員もおっしやつたように、台東商業全日制の二年生と三年生、台東商業定時制の二年生、三年生、四年生、両国高校定時制の二年生、三年生、四年生、さらに新しく誕生する台東地区昼夜間定時制高校の一年生と、三つの学校、四つの課程が台東商業のあの狭い校地に同居することになる。一体これは入るのかというぐらいのぎゅうぎゅう詰めですよ。まともに計画したんでしょうかね。校門というのは、門柱は大体二つしかなくて、そこに四つの看板をどうやってかけるのかという問題ですよ。まともな計画とは到底思えないんです。例えば、募集停止を一年前にするとかいうようなことは、計画をつくる側でいろいろ考えられたと思うんだけど、それはしないで、全部、台東商業に四つの学校を集めるというのは、一体どういう発想なんでしょうか。 ○山際都立高校改草推進担当部長 十八年から今お話のようなことをやらせていただきますが、これについては、既に平成十六年に開校いたします大田地区定時制工業高校、これは仮称でございますが、そこにおきましても全日制、定時制、さらには羽田高校の定時制、羽田工業高校定時制、三高校、四課程が併存するというようなことで対応していくところでございますが、台東商業について施設が狭除であること自体はそのとおりでございますが、十分対応できるような、そういう方法をとつてまいります。 なお、移転に関連しまして、私ども、該当生徒の教育条件の確保を図るということは非常に重要でございます。学習時間帯の弾力化は先ほどお話をさせていただきましたが、今は夜間だけですが、午前、午後の授業も受けることを可能にする。あるいは三年でも卒業することができる。そうした昼夜間定時制高校のさまざまなメリツトを享受できるように対応してまいります。 ○曽根委員 これに比べて、新しくできる両国高校の中高一賞校は、中高一貫校だけで全部使えると。何といいますか、余りにも露骨な差別じゃないかということを申し上げておきたい。 ◎大島高校定時制分教場問題 次に、大島定時制分教場の廃止が一年先送りにされました。この理由は何でしょうか。 ○山際都立高校改革推進担当部長 大島高校の南分教場の定時制の廃校を一年延ばしたわけでございますが、その理由につきましては、南分教場に通っている生徒の学業の継続、あるいは本校と分教場の交流による本校への移行の円滑化を図るためにこうした対応をしたものでございます。 ○曽根委員 私は、この間、教育委員会が大島の定時制の分教場についてどういう見解を持つのかなということを注目してきました。十日に、一回、これは公開でなくて、懇談という形で論議がされているということを聞きましたし、二十四日にも一定の議論があつた。 これは議事録を読ませていただきました。教育委員のメンバーは、生徒一人に千七百六十万円かかっているという担当部長の報告に、そんなことは世間では通用しないんだというような発言をした方を初めとして、費用の間題に非常にこだわっておられました。しかし、教育の機会均等を保障するためには、学校にかかる生徒の費用に違いがあるのはやむを得ないことで、まして、島の学校はどうしても費用がかかってしまうのは周知のことです。 まして、それは通っている生徒や地元住民の責任に属さない問題であります。その点で、私は、今回のやり方について、わざわざ生徒一人にかかる費用を報告したやり方についても、非常に憤りを感じます。 しかし、教育委員は全体として、この問題については、最初に出されていた今年度いっぱいに廃止という案に特に異論はなかった。しかし、教育庁の、いわば教育委員会事務局である皆さんの側で一年先送りの判断をしたんだと思うんです。一年たって、来年度まだ生徒の皆さんの状況や考え方が変わらないという場合、それでもやっぱり一年送りだから、決定したんだから廃止だというふうになるんでしょうか。今回、一年送ったということは、来年もまた、その段階での状況を見るということになるんでしょうか。 ○山際都立高校改革推進担当部長 南分教場についての一年延伸については、先ほど理由を述べたとおりでございまして、十五年度末をもって廃止をいたします。 ○曽根委員 今回は延ばすけれども、来年度はどんな状況であっても、生徒の状況が変わらなくても、来年延ばしても、高校に大体四人ぐらいまだ残るわけですね。それでも必ず廃校にするというのでは、一年間、また生徒の皆さんは、この間もいいましたけど、蛇の生殺しみたいに、繰り返し繰り返し説得を受け続けるという状況になってしまうんだと思うので、私は、今回、生徒の人たちがここで学び続けたいという願いが強くて、教育委員のメシバーじやなくて、皆さんが提案する側で一年先送りにしたんですから、来年も状況を見て、生徒の皆さんの気持ちが変わらなければ、これに対しては、担当事務局として配慮して、決定を先送りするなり、凍結するなり、判断すべきだと思います。それが道理あるやり方じゃないかと思うんです。 私は、大島定時制の、波浮、差木地、あの地域での定時制高校の存続を願う地元の声にこたえられるように、担当の方々があらゆる工夫をするように求めておきたいと思います。 ◎定時制のグループ給食問題 定時制のグループ給食が今行われていますが、これと定時制の統廃合とがある意味でバッティングしてきています。お聞きしたいんですけれども、いわゆる親子給食、グループ給食の中で、調理校、つまり、そこの学校でつくって、ほかの学校に給食を配布する調理校になった学校は、一次、二次計画の対象校で何校、今度の計画では何校で、そのうちこれから厨房の改修をする学校はどこなのかをお聞きします。 ○比留間学務部長 高等学校定時制夜間課程の給食におけるグループ方式につきましては、生徒の減少による小規模化に伴い、給食調理が非効率になつている状況に対応して、給食の質を確保するとともに、経費負担の適正化を図るため、平成十三年度から導入したものでございます。このグループ方式は、隣接する複数の学校をグループ化いたしまして、適正規模の食数を調理校で調理し、グループ内の他の学校に配送する方法で、大規模校や、施設などに制約があり、グループの組めない学校を除きまして、すべての学校に導入するという方針でございます。 今回の都立高校改革の新たな実施計画の中で、定時制夜間課程が廃止となる学校のうちグループ方式の調理校、いわゆる親の学校でございますけれども、これは十四年度から実施しておりますのが八潮高校、小石川高校、上野高校、三鷹高校の四校、それから、十五年度に新たに実施いたしますのは、杉並高校、墨田川高校、小岩高校の三校でございます。なお、一次、二次の既定の計画の中でこの調理校というふうにしておりますのは四校でございます。 ○曽根委員 つまり、既に一次、二次で廃校と決まっている学校でも調理校が四校、それから、今度の配置計画では七校が調理校になつている。何年か後には廃校される運命の学校に厨房をわざわざ改修して大型の高速冷凍機を入れて、そこから配送する施設をつくる。これは一校当たり改修費、冷凍庫の備品費でどれくらいかかっているんでしょうか。 ○比留間学務部長 今年度から実施いたしました調理校六校の改修に要しました経費は、一校当たりで、段差の解消工事とか、調理の効率化や衛生管理の改善のための給排水衛生工事等の経費、これらが二百五十万円、それから、電源等の工事が約三百万円、合計約五百五十万円、整備に要する経費はこういう内容になってございます。 ○曽根委員 備品の方は幾らでしょうか。 ○比留間学務部長 備品の方はグループ全体で必要なものになってまいりますので、グループ全体で申し上げますと、急速冷却機等の導入で約三百五十万円、消耗晶等で約百万円、使用料・賃借料、これは配膳車とか、配送車、あるいはパソコンに要する経費でございますが、一グループ当たり全体で九百五十万円程度の経費になります。 ○曽根委員 改修で約五百五十万円、備品その他、配送車も使うので、九百五十万円、合わせて一千五百万円、一グループ当たりかかるわけですね。しかも廃校にする、全日制では使わない給食室、調理室にこのような改修をするというのは、片方で財政の問題もあってて、夜問定時制を削っていき、また一方ではグループ給食にして経費を削りと、やっていったら、一方でむだ遣いが出てしまうということだと思うんです。私は、こういうやり方をするのをそれぞれ考え直すという中で、少なくともこれから廃止していこうとしている学校に、一回冷凍して解凍し直した給食を出すというやり方でなくて、その学校の自校方式・・・三十三校は自校方式で残るそうですが、それぐらいの温情があつていいんじやないかということを申し上げておきたいと思います。別に統廃合に賛成するわけじやないけど、統廃合をかけた上に、給食までこういうふうにして、しかもお金は、なくす学校まで厨房の工事をやるという。何が何でもやるぞという、その姿勢は変えた方がいいと思うんです。 ◎水元高校廃止問題 それから、水元高校についても請願が出ていましたので、お聞きしておきます。 学校内外で、水元高校については、地元の関係者すべてがこの廃止をやめて、計画の見直しをというふうに求めています。お聞きしたら、四十五万人の人口がいる葛飾区に三つの普通科高校しかない。その一つをつぶす。学校が余っているわけでもないのに何でだということで、既に区議会で、全会一致で二回、音見書が決議され、さらに東京都に対しても、都議会への請願は今回三回目だという話です。地元の議員の方々も紹介議員になり、商店街、地元の自治会関係者、生徒、先生方、こぞって、父母の皆さんも含めて、何とか残してほしいという声を上げている。 私は、これは学校をなくすわけですから、地元の理解とか協力とか、何か基本検討委員会という、そういったことの余地がないわけで、残った方法は、計画を変更して、何らかの形で学校を残すという方向に見直すしかないと思うんです。地元にこたえるには。今の計画では、理解の得られようがないと思うんですね。この点で、この請願にはどう答えようとしているのかお聞きします。 ○山際都立高校改革推進担当部長 水元高校につきましては、都立高校改革推進計画・第二次実施計画におきまして、旧六学区内の都立高校の規模と適正化を図る観点から、同じ区内に位置する本所工業高校と発展的に統合しまして、葛飾地区の総合学科高校を平成十九年に設置するものでございます。 統合に当たりまして、私どもも、学校関係者との話し合いに応じまして、さまざまな意見を聞いた上で決定をしたところでございます。私どもとしましては、第二次実施計画は広く都民の理解を得られており、また、総合学科高校についても高い評価を得られていることから、同計画を着実に推進していきたいというふうに考えています。 なお、今後とも必要に応じまして、学校関係者との話し合いに応じ、理解を得るように努めてまいります。 ○曽根委員 墨田の高校の関係者はそういうことがあり得るかもしれませんが、水元高校はその地域に学校が何も残らないわけで、その点では理解のしようがないと思うんですよ。 都民全体が理解しているからといっても、じや、葛飾区で三校しかない普通科高校を二校に減らされてどうするんだという意見は消えないと思うんです。 これは嶋村さんという地元の名士の方だそうですが、私どもにも手紙をくださつて、とにかく学校ぐるみで頑張っているんだと。八年前から各類型制というんですか。類型制度を全都に先駆けて導入して、他校もこの例を見習って導入しているほどで、中途退学者も激減していると。PTAも活発に活動し、生徒たちもこの問題が起きて、なお一層、愛される学校になるように、金町駅頭などで自分たちの学校の存続を訴えている。この声を酌んでいただきたいということで、切々とした文面の手紙をいただきました。 また、地元の議員さんで、これはうちの党の議員じゃないのでお名前は伏せますけども、この運動に共感して手紙を出されているんですけれども、地域の多くの方々の膨大な署名を提出し、生徒の代表の方が涙ながらの訴えをした翌日に、まるで何事もなかつたかのように決定するという当局の心ないやり方に改めて強く抗議をすると。皆さんの犠牲的な努力を考えるとき、無念の思いに身がよじれる思いだというある党の議員の方がメツセージを寄せておられるそうで、地元挙げて、水元については第二次計画でありますけれども、見直しを求めております。そういう点で、一方的に押し切ることのないように、ぜひこの請願の趣旨を酌んでいただきたいことを重ねてお願いしておきます。 ◎八王子の高校統廃合について それから、八王子の四校の統廃合についても請願をいただきましたので、私は、この問題について地元の方からいろいろお話を聞いて、どうも解せないといいますか、わからないのは、この不況で厳しいときに、職業人教育を柱とする職業高校として、商業高校、工業高校、それぞれ非常に歴史もあり、また、実績も上げている高校を二つくっつけて、全く新しいコンセプトの産業高校というのをつくると。一体、新しい高校で、本当に職業人の育成、資格の取得、見通しがあるのか。今、普通に高校全体でいえば、三三・四%、史上最悪の就職内定率です。超氷河期といわれた昨年の三七%からさらに落ち込んで、何と名づけていいかわからない事態です。そういうときに、新しい経営に対する総合的な何とかというのがあるかもしれませんが、果たして本当に資格を取り、それから、就職にも間違いない見通しが持てるという高校が、つくって、すぐにスタートできる見通しがあるんで しょうか。 ○山際都立高校改革推進担当部長 産業高校につきましては、生産、流通、消費の基礎と相互の関連を学んだ上で、自己の進路目標に沿った専門教科を学び、幅広い視野と確かな勤労観に裏づけられた職業人を育成する専門高校として位置づけておるところでございます。例えば、起業家精神と職業生活というような学校設定科目を設けまして、地元企業と連携した事業形態を導入したりして、企業内安全教育から社会人としてのルールや、あるいはマナーを幅広く学ぶ、このようなことを考えておるわけで、こうした学びを基礎に、インターンシツプを実施し、職業観、勤労観を身につけさせることで、就業に必要な技術の習得、あるいは資格取得への意欲を高め、さらには職業教育に発展させていく、このように考えております。 ○曽根委員 私、九月の審議のときにも王子工業のことを紹介しまして、あそこでは、この間も校長先生にお会いしたんですけど、「銭になる資格」という合い言葉があつて、間違いなくその資格によって、例えば就職したときに給料が二、三万円違うという、生徒自身に必ず還元できる資格というのを重視しているということで、電気工事士の資格を取る。放課後に大体夏休みが終わつたら、二、三力月かけて、先生が希望する生徒に全部ついて、徹底して受験勉強して、それでも半分か三分の一しか受からないという厳しい試験、それに定時制の生徒が見事に合格したという話を紹介したんですけどね。 八王子も同じようなことをやっているんですね。商業高校は、とにかく今情報の時代だということで、ITの資格について、全国一を目指そうということをやってきた。これはこの間、公明党の議員の方も紹介していた。銭になる資格になるわけですよ。職業人として即戦力になる。こういうものを育てなければ、今、就職氷河期の時代に乗り切れない。 これが職業高校の生徒の人たちに教えている先生方の共通の声なんです。工業高校でも、CADが使えなければ、服飾デザイナーとして役に立たないです。そういうものを必ず身につけさせて卒業させると。 こういう先生たちの努力があるからこそ、この間も生徒の皆さんの話を聞きましたけど、どうしても八王子工業を残してほしい。二商を残してほしいという生徒の声を聞かせていただきました。私、さっきの部長の話を聞いても、極めてあいまいな、そして、就職戦線の異常事態の中で、一体どれだけの生徒たちに責任を持てるのかと。 私、小石川工業の問題を以前質問したときに、小石川工業も同窓会はすごく力があつて、就職が決まっていない生徒がいた場合には、同窓会の中を人脈でずっと探して、その生徒の引き取り先というか、就職先を全力で探すと。必ず就職が決まらないという生徒を出さないという努力を同窓会がしているという話をしました。そうしたら、部長さんは、もし世田谷に移って、就職率が落ちるようなことがあつたら、教育庁は就職のために挙げて応援に行くというような話をされましたね。八王子の場合も同じですか。新しい高校ができて、就職率が下がったりなんかしたら、本当に全力でバックアツプするために動くんですか。 〔「統合と就職問題は別問題だ。もう一時間やっているんだ。みんなそれぞれ大きな課題を持って質問してくるんだ。時間制を導入しなきやだめだ」と呼ぶ者あり〕 ○山際都立高校改革推進担当部長 産業高校の将来的な、できたときの実績でございますが、私ども、最大限努力いたします。学校を規定するのは、例えば教育システム、産業高校という一つのハード、それと、確かにおっしゃったように、教員、さらに、同窓会、これについては、八王子工業については同窓会、応援しよう。二商についてもそういうお願いをしているところですが、それについては今後いろいろとお願いをしたいというふうなことで働きかけをしたいと思います。同時に、地元の支援ということが非常に重要でございます。地元について商工会議所でございますが、支援しようというようなスタンスはございます。 〔「委員長、ちやんと時問を決めたんだろう。決めたようにやってちょうだいよ」と呼ぶ者あり〕 ○渡辺委員長 決めてあるの。 〔「何分やるんだ」 と呼ぶ者あり〕 ○曽根委員 私、一時間二十分としているんですが、できるだけ早く終わるように努力はします。 それで、私、職業高校については、小石川のときにも、それから、王子工業のときにも申し上げましたが、今の時代に生徒を責任を持って送り出せる職業高校としての責任がある。責任を持てる高校のあり方を必ず実現してもらいたい。その点で、八王子は地元の産業界、また、商店街、二商と工業高校の存続を求めている方がたくさんいるということを申し上げておきたいと思います。 ◎小石川工業「跡地計画」問題 小石川工業の間題について一つだけ聞いておきたいんですが、これは決定の段階で、今まで小石川工業の跡地について計画がなかつたのに、急に総合芸術高校を持ってくるという話が出ました。聞くところによると、八月に同窓会のメンバーにだけこの話が情報として伝わっていたと。校長先生も、この間お会いしたら知らなかった。学校関係者も知らないのに、同窓会のところにだけ情報が流れて、そして、十月二十四日、公式には何も出てなかったのに、突然、総合芸術高校を持ってくるという話になる。非常に不可解な経過なんですが、これは一体何でこういう、一部にだけ情報を流して、決定するというやり方をとったんですか。 ○山際都立高校改革推進担当部長 学校の設置場所については、当然のことですが、行政の判断により選定しているところでございまして、学校の統廃合により、利用が可能になった土地などから、総合芸術高校が立地するにふさわしい土地について、関連の部署も含めて検討を行った上で、十月二十四日の教育委員会で、小石川工業高校の敷地を総合芸術高校の設置場所としてふさわしいということで正式に決定したところでございます。 なお、小石川工業高校の同窓会の関係者とはさまざまな形で意見交換を行っているところでございまして、当地利用について話題になったことはございます。 ○曽根委員 もともと三年前に計画が出されたときには、ここは道路が、環状四号が入ると。そのために二万平方メートル以上の敷地が二つに分断されて、一万八千平米になつてしまうので、高校としては非常に立地が悪くなるということが廃校の理由の大きな一つになっていた。我が党の、当時、くぼた議員が、建設局の方に道路計画はどうなっているんだと聞いたら、ここは、道路は、学校として廃校することが前提ですという説明があった。 文教委員会で若林部長が高校として難しいという答弁もしていますし、関係者に対する参事、岡参事ですか、という方の説明でも、高校は無理だという話が出ている。それを突然、今回、芙術高校なら入るという話になつている。全く不可解だと思うんです。地元の関係者はこれで納得できないということを申し上げておきたいと思うんです。 ◎中高一貫校の危険性について 最後に、中高一貫校について。先ほども問題にしましたが、中高一貫校については、請願陳情はまだ出ていませんが、私は早晩、大きな反対の意見も、また待ってくれという声も出てくると思うんです。私の母校小石川高校でもそういう動きがあります。 中高一貫校について、中身はまだ都民に知られていないと思うんですが、この中高一貫校の中学、高校の教科書はだれが採択することになるんですか。 ○石川教育政策担当部長 都立学校の教科書採択につきましては、東京都教育委員会の権限で行うことになっております。 ○曽根委員 この中高一貫校のカリキユラムのモデル案というのを見ると、中に偉人、賢人などの歴史について重視するということとあわせて、日本人のアイデンテイテイーについての教育を道徳特別活動などの中で重視していくということが書き込まれています。ここにある日本人としてのアイデンテイティーというのは、今、教育基本法の見直し論議の中でも同じ言葉が出てきていると。これは同じ意味で使っているということでよろしいんでしょうか。 ○近藤指導部長 東京都教育委員会では、教育目標におきまして、我が国の歴史を愛し、日本人としてのアイデンティティーを育成する。そうした趣旨のことを明言しているところでございます。それを受けまして、このカリキユラムの中でも入れているところでございます。 ○曽根委員 やっぱり教育基本法の見直しの審議会で出ていることと同じですね。日本人のアイデンティテイー。ここには解説があつて、伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心というふうに解説されていますね。今の部長のお話もそういうことですね。つまり、平たくいえば愛国心ですね。愛国心をどのように教育課程に取り入れて教えていくのかということで、その中身として、非常に重要な関連を持つのは、日本の国の歴史や社会をどう学ぶかです。私たちは、これは昨年の異常事態、振り返るまでもなく、新しい歴史教科書をつくる会が主導してつくった歴史教科書の文部省採択は誤りだと。明らかに歴史観が、当時の太平洋戦争を大東亜戦争と呼び、戦争を賛美する内容を持っている教科書で、日本の歴史を子どもたちに学ばせる。それを日本人のアイデンティテイーという内容でやっていくという内容を持った中学、高校、六年間の学校なんだということが都民の中に知れ漬っていけば、私は、そんなところで六年間、自分の子どもに教育を受けさせてよいのかという都民は数多くいると思います。そういう点で、それはこれからの問題ですけれども、改めて議論する機会もあろうかと思いますが、こういう危険な間題があるということも指摘して、私の質問を終わります。 |