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浪費型オリンピックの裏表9−0513

あの慎重なNHKもついにオリンピック東京招致の世論調査
東京が国内候補に決ってからの調査で初めて5割を切りました


●4月14日から19日までのIOC評価委員会による東京の調査が終了するまでに、IOCによる事前の各立候補都市の世論調査の結果が、IOCから日本側に伝えられました。
 シカゴやリオデジャネイロは、都市側の判断で非公開とされているようですが、東京については、各マスコミの取材によると、招致関係者の話として、都民の支持が56%にとどまったとされています。
 調査日は、4都市とも、2月の同じ日であるという報道と、必ずしも日程は同じでないとの両説が報じられています。対象は都民に限定したとみられ、調査機関は非公開です。

 東京の招致委員会が今年1月に実施した調査では全国で70・2%、都内で68・6%という結果が公表されています。東京都の調査とIOCとでは、都内世論で約13ポイントのギャップがあり、この違いが他の3都市に比べても、かなり大きい可能性があります。

●また、昨年2月の申請ファイル提出時には、都の調査(07年11月)で都民の支持60%、一方IOC調査で59%でしたから、ほとんど両者の結果に差はありませんでした。

 1年後の立候補ファイル時点で両者に13ポイントの開きが出たこと、しかも、IOCの調査結果は、昨年よりわずかに減らしている傾向に対し、都側の結果が、10ポイントも上向いたというのは、都の金に糸目をつけないキャンペーンの結果とはいえ、やはり違和感を感じさせられます。

●これらの点を見ても、東京の今度の調査委託機関に、オリンピック推進企業のヤフー系列企業を選び、対象を年齢や数で絞りすぎたという方法の問題を指摘した、3月9日のオリンピック特別委員会でのわが党の質疑が、的を射ていたことが伺えます。
 そして、大阪市の2008年招致の敗因の一つが、都市側とIOCの世論調査結果の食い違いにあっただけに、この点は致命傷になりかねません。

●石原知事は、5月1日の定例会見で、記者の質問に、内閣支持率と同じで、いちいち気にしていないという趣旨の答えをしたと報じられていますが、別の場では、第何位になるかの負け方の問題にも言及したと伝えられていますので、2016年については、かなりの厳しさを感じていることは確かなようです。

●しかしオリンピック招致委員会は、この結果を打ち消すのに必死で、連休明けの12日にオリンピック招致の賛否で電話による全国調査(4月21日から23日まで)の結果を発表し、80・9%の賛成(またはどちらかといえば賛成)の回答を得たと発表し、知事を喜ばせたということです。

●これらにとどめを刺したのが、NHKの連休明けの調査でしょう。
 NHK世論調査で、5月8日から3日間、全国の成人男女に、無作為の番号に電話調査を行ない、2016年オリンピックの東京招致について賛否を尋ねたところ、「賛成」が47パーセントだったのに対し「反対」は17パーセントと報じられました。32%が「どちらともいえない」でした。
(調査対象・・・の61%、1093人から回答)

●これらの調査結果を見る限り、一般的に、都民と他の地域の住民との調査では、都民の方が支持が低く、客観的な機関による調査ほど、その開きが大きい傾向があると言えそうです。
 全国より、知事や都による派手なキャンペーンを見ている都民のほうが、オリンピックに冷めた眼をしているということになり、オリンピック招致による都民サービスへのしわよせや、オリンピックを口実にした浪費や、石原知事のトップダウンによる失政について、厳しい視線を向けていることの現われと見るべきではないでしょうか。

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