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はじめ通信9−1115

”放置労働者”にされてたまるか!
北区放置自転車対策の労働者が労組結成し区と交渉

●総選挙が終わって間もなく、日本共産党区議団に、北区の駅前放置自転車の撤去・移送・返還業務に当たってきた労働者から、内部告発があり、北区から事業を委託されてきた事業者「東宝クリーンサービス」が、区からの委託金管理を違法に行っていたことや、そこで働く労働者が、東京地方の最低賃金ギリギリの時給770円で交通費の支給もなく働かされており、しかも2ヶ月も賃金未払いでいることが発覚しました。

●わが党は9月議会で直ちに区が調査対応するよう要求。ところが区が調査に乗り出した矢先、この会社は経営難を理由に突然業務委託を辞退し、破産手続きに入ってしまいました。働いていた50人の作業員は、賃金未払いのまま解雇通告されたのです。
 調べてみると、この企業は板橋区や杉並区などでも自転車対策事業の委託を受けており、すでにこの両区では区の側から不正を突き止めて契約を解除し、そこで働いていた労働者の賃金未払いなどが起きる以前に事態は打開されていました。

●ところが北区は、自転車対策継続のため、9月25日に解雇通知を受けた労働者をいったん区で直接雇用し、11月からは別企業に委託先変更して全員採用すると決めていながら、9月までの賃金未払いには全く無関心な態度をとり続けています。
 しかもそこの労働者が、北区の失業者などに対する「小口資金貸付け制度」の利用を相談に行ったときに、その時点で区が今後の採用方針を決めていたにもかかわらず、その部署への問い合わせもせずに「次の就職が決っていない」のを理由に返済不能とみなして追い返したとの証言が訴えられています。

●働いていた方々は、50人中40人が「東京公務公共一般労組」に加盟して北区と何度も交渉を重ね、一定の労働条件改善も勝ち取りつつあります。
 しかし区は公共サービス継続のために彼らをただ働きさせておきながら、未払い賃金の一部すら、いまだに保証しようとしていません。

●その一方で区は、東宝クリーンサービスへの9月分の未払い委託金700万円近くを温存し、区が同社に課した違約金に約470万円、残りは国税局が同社の未払い税額分として差し押さえてしまっているとのことです。
 「国民の税金をムダにしない」のを理由に、働く労働者の最小限の権利より、国や区の分取り合戦が優先されるしくみこそ、あまりに理不尽だと思います。

●しかも北区がこの間、この種の企業としては莫大過ぎる10数億円もの借金を抱えていること、登録労働者を水増しして人件費を浮かせてきたこと、区からの委託金を個人の口座に入れさせるような公金の不正管理など、何度も内部告発を受けながらまともに調べず放置してきたことも明らかになってきました。
 これは、道義的責任はもちろん、法的にも重大であり、住民監査請求があれば、その分の委託金の区民への返還義務さえ生じかねない性格の問題ではないでしょうか。

●区との交渉の中で、労働者からは「区は放置自転車ばかり気にしているが、我われは”放置労働者”にされてきたんだ」ということばもとびだしました。
 区の公共サービスの「効率化・経費削減」の号令の下で、民間委託の低額入札が横行し、官製ワーキングプアが造られていることは明白です。
 このような無責任な企業を排除するためにも、”公契約条例”を制定し、区が、契約相手に区の現業職員にできるだけ近い給与など労働条件を確保させるなどの制度が、いまや北区にも不可欠です。

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