トップページへ  はじめ通信目次へ   

はじめ通信9−0105
かつてない緊急支援が実現した「年越し派遣村」
次は本格就労と住宅を!

●昨日レポートしたように、日比谷公園「年越し派遣村」の次の居場所を、都と区が連携して4箇所提供し、日比谷の地元、千代田区が生活保護の申請を受け付けることになりました。
(都の文書を、紹介します。)
 私たち都議団は手分けして、それぞれの宿泊場所の受け入れや保護申請がスムーズに行なわれるよう、激励と調査に行くことになり、吉田幹事長が千代田区役所の生活保護の受付場所に、私・曽根と清水都議、小竹都議と、中央区議団、都議予定候補が、80人を収容する八丁堀の中央区立小学校跡の「京華スクエア」に、松村都議が、練馬の石神井学園体育館に、かち議員が大田の「なぎさ寮」に、それぞれ訪ねて激励することになりました。

●中央区の「京華スクエア」は、小さな校庭を囲むロの字型の校舎が、現在早稲田大学の生涯学習センターやシルバー人材センターなどに使われていましたが、矢田区長が、もう1箇所の「十思(じっし)スクエア」とともに緊急判断で宿泊場所に提供しました。
 現地では、都の「チャレンジネット」担当課長が対応。予想より遅れて5時少し前に到着した80人の村民の受け入れを行なっていました。

●中央区も20人ほどの職員が、毛布やござ、ストーブなどを用意し、社会福祉協議会の人も応援に来ていました。
 国の東京労働局から4人のハローワーク職員が、求人登録のリストから「寮つき・住み込み」を条件に、11・12月に登録された建設業・サービス飲食業、専門職など多様な求人・3000件を、プリントして持ってきて、「8時半にきて、5時までを基本に相談をうけ、一人1時間ぐらいかかるので、1週間以内に利用者の就労につなげられれば」と、責任者の方は話していました。
 私は、紙の資料では、同時に他の宿泊場所と求職がダブったときに、チェックが遅れるので、新宿にあるという「オンラインでつながった携帯式のPC」をなんとか持ち込めないかと要望しました。昨日は、村民の到着が遅れたので、通常の役所なら5時までの受付を、延長して相談にのるとのことでした。

●全労連が布団を差し入れたり、引き続き全国からの支援も来ていました。
 そんな中、ようやくバス2台で、利用者が到着。文字通り、着の身着のままで、足を引きずるなど障害を抱えた様子の人もあり、つかれきった様子ながらも、デモ行進や国会要請などをおえて、気概に満ちた雰囲気でした。
 いっせいにカメラの列がつづくなか、わが党議員団だけでも、激励の拍手をおくることができてよかったと思いました。

●吉田議員からの連絡では、千代田区には約80人の方々が、生活保護を申請し、その足で、練馬の施設に向かったとのこと。
 千代田区は8つほどのブースを作り、最小限のプライバシーを守りながら、保護の受付を行なっており、申請者のほぼ全員が申請を済ませました。一人一人の受付、相談には時間もかかるため、3日間受付を継続するとのことです。
 受付がスムーズに進んだ背景には、昨年12月末に、都が生活保護の受付について、失業者の実態にみあった対応をするよう、通達を各区市町村に送っていたことも影響したようです。これは、わが党都議団が、都に要請した内容でもあります。
(下記の通達を参照のこと)

●今回の問題は、日比谷公園に集まった500人の問題だけではないことが重要です。
 少なくとも厚労省がつかんだだけで、この3月までに8万5千人のリストラ計画があり、実態はその数倍の30万以上とも言われます。
 昨日の集会で志位委員長が訴えたように、現時点の衣食住の確保、安定した就職の保障、派遣労働者のリストラ禁止の国会決議等、今後も新たな取り組みが重要です。

●以下に、今回の臨時措置について、都の発行文書を紹介します。

(1)都が500人受け入れを表明した文書



(2)失業者の生活保護申請受付についての、区市町村への福祉保健局の要請文書。

                 20福保生保第749号
                 平成20年12月22日

各区・市福祉事務所長
西多摩福祉事務所長殿
各支庁長

              東京都福祉保健局生活福祉部保護課長
                  ( 公印省略 )

    雇用状況悪化に対する福祉事務所の相談援助体制について


 各福祉事務所におかれては、常日頃、生活保護制度の適正な実施にご尽力いただき、感謝いたします。

 今般の雇用情勢の急激な悪化により、今後各福祉事務所において失業を原因とする生活困窮相談が急増すると思われます。
 各福祉事務所において、相談者に対し、緊急雇用対策、低所得者対策等適切な施策の紹介を行うと同時に、要保護状態にある生活困窮者に対しては適切に生活保護を実施するため、下記の点に留意しながら、この状況に対応する相談援助体制を整えられるようお願いいたします。

 なお、相談窓口においては、相談者の生活への不安な気持ちに十分な配慮をもって臨み、相談者の申請権を抑制するような対応は厳に慎まれるよう申し添えます。

                   記

1 失業者の路上生活化防止

 失業者からの生活困窮相談に対し積極的に対応し、家賃滞納等による地域住民の路上生活化を未然に防止されたい。単に稼働能力があることのみをもって、保護を要しないと判断せず、稼働能力の活用の有無を判断する必要がある。努力して求職活動を行っているにも拘わらず、地域の求人状況等の理由によって就職に至らず困窮状態にある場合は、稼働能力活用の要件を満たし要保護状態にあると認めうる。居住地を失うと再就職自立の可能性を更に狭めることになるので、要保護者に対しては、居住地を失う前に適切に生活保護を適用されたい。

2 路上生活者への相談体制の整備

 当然のことながら、福祉事務所は、路上生活者からの相談に対し、社会資源の不足(施設のキャパシティ不足)、福祉事務所め実施体制の不備等を理由とした相談拒否や援助を必要とする者への援助拒否は行い得ないものである。

 丁寧に相談に応じ、相談者の個別の状態に即して利用できる施策(路上施策・他法施策・生活保護)と居所(居宅・施設)を助言し、本人意思を尊重し、最も適切な選択を行うよう援助する。対象者にとって、その時点で何が最善の施策であるかを判断し、その施策を提供することが重要である。

 また、相談者の要保護性が高いと思われる際は、必ず生活保護の申請意思を確認し、申請意思を示した場合は、申請・について適切な援助を行われたい。

3 居所の確保

@ 一般居宅

 保護開始時に安定した居宅がない要保護者に対しては、居宅生活が可能な場合は敷金等の支給の対象となることを示し、申請がされた場合は法定期間内に支給の可否を決定通知すること。

A 経過的居所の確保

 相談者、申請者に臨時的な居所を紹介する必要がある場合に備え、各福祉事務所は民間宿泊所や近隣の安価なビジネえホテル、カプセルホテル等の情報等を収集されたい。

 なお、開始時に必要とされた臨時の宿泊料等については、その後に移った一般居宅や民間宿泊所の住宅扶助費とは別に、1.3倍額(都内1、2級地は69.800円、3級地は53.200円)を限度として住宅扶助の計上が可能である。

B 民間宿泊所からの居宅生活への移行推進

 今後、民間宿泊所の新たな利用希望が増加し、宿泊所が不足する事態が懸念されることから、従前から利用している被保護者に対して、積極的に一般居宅への転居を進められたい。

トップページへ  はじめ通信目次へ