| はじめ通信・子どもと教育のはた５－０４０５ この春も５２人の教員が日の丸・君が代強制の見せしめ処分に 最高は減給６ヶ月が４人・再雇用取り消しも。 ●３月３１日の教育委員会で、５２人の教員について卒業式で起立しなかったことを理由に処分が強行されました。この中には、昨年から３回目の処分などで、最高減給６ヶ月の教員が４人、また戒告処分と同時に再雇用合格を取り消された人が一人含まれています。 ●今回で、処分者を出したのは４回目となります。最初はおととしの１２月、秋の周年行事での不起立を理由に、１０人が処分されました。それから昨年春の卒業式が最大人数で約２００人、（その後、生徒への「指導不足」や「不適正指導」を理由に厳重注意なども出されました）さらに入学式で約４０人と、つぎつぎに処分が続きました。 具体に発表されてはいませんが、減給６ヶ月の処分者は３回目の不起立だと思います。次は減給ですむのでしょうか。おそらく無理でしょう。 ●振り返ってみれば、私もこの問題を６回取り上げてきました。以下はその論点です。 ＊０３年１１月文教委では ①周年行事での国旗国歌の扱いは文科省見解さえ逸脱していること、 ②養護学校では個別対応も認めるべきこと、 ③生徒には指導はするが強制できないこと、 ④卒業式は学校ごとにつくり上げるべきこと、 ⑤客観的で公平な国旗国歌の教育について。 ＊０４年３月文教委では、 ①地教行法２３条は指導要領以上の具体化を認めておらず実施指針の根拠となりえないこと、 ②生徒が立たない責任を教員に求めるのは生徒の内心の自由を侵す教育の自殺行為であること。 ＊０４年５月文教委には、 ①指針のおしつけで生徒を祝福する創意ある卒業式が不可能になったこと、 ②国旗・国歌の指導は算数の九九などと違い、最後は生徒の内心の自由であり教員に責任を問えないこと、 ③教育内容の強制は、アドバイスなど援助に徹すべき指導主事の本来の仕事と矛盾すること、 ④都が教育目標から教基法と憲法をはずし「日本人の誇り」を加えた一番の具体化が日の丸・君が代の強制。 ＊０４年６月の文教委では、 ①教員処分を盾に生徒が心ならずも君が代を起立斉唱するよう仕向けることは教育ではないこと、 ②生徒への国旗国歌指導を職務命令とし、生徒の起立斉唱の結果次第で教員を戒告処分にする問題。 ＊０４年９月の文教委には ①教員のみせしめ研修の問題。教員の研修の原則に反する問題。 ②教員の抑圧をてこに子どもたちに起立斉唱を求めることの非教育性について。 ＊最後に、今年３月１１日の予算委では ①国旗国歌のおしつけは国際的には例がなく異常であること、 ②教員と言えども内心の自由があり、口をこじ開けて歌わせるのは許されないこと、 ③生徒が立たないと教員を処分するのは憲法の保障する権利に反する強制であること、 ④国旗国歌の教育は公平・客観的であるべきこと ⑤声量の指導まで行なうのは生徒の口をこじ開けさせるもの。 ●まだ取り上げたことはありませんが、私がもっとも理不尽だと思うのは昨年本会議で自民党議員が行なった質問です。 一度不起立で処分された教員を次の行事で式場からはずすようなことはするな、休暇も認めるな。かならず式場で着席させ、国歌斉唱で再び不起立なら反省がないことを理由にさらに厳重な処分をし、起立するまで繰り返せと言うものです。 また研修は、教員が明確に反省の意思を表明するまで何度でも行い、反省がない教員は教壇に立たせるなという趣旨の質問を行い、教育長が極めて肯定的な答弁を行なったことです。 これはまさに、予算委員会総括質疑で私が引用した法律制定当時の有馬文部大臣の「教員といえども口をこじ開けてまで歌わせるのは許されない」という見解を完全に反故にする行為であることは明白です。 ●このままいけば最もまじめで良心的で、しかも生徒の前で教育現場に残るためのうそはつけないという教員が早晩、学校を追われる日が来てしまうでしょう。それこそが東京の教育にとって審判の日となります。 私は、そういうことが起きる前に、多くの都民世論が大きく広がり、最悪の事態の現実化を決して許さないだろうと確信しています。 東京の教育から追い出されるべきは、良心の自由を守ってたたかう先生たちではなく、とんでもない教育破壊を押し進めている横山教育長であり彼と共にこぞって悪乗りしている現教育委員たちです。その日まで絶対に諦めません。 ●都教委の発表文書は次の通り。   |