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はじめ通信11−0601

「君が代」強制裁判の不当判決を受けて
「神話」の時代を完全に終りにしよう

●最高裁の歴史的な不当判決

 都立学校の校長が都教委の支持を受けて、式典で「君が代」を国歌として起立斉唱することを生徒と教員におしつけ、起立しなかった教員を式典のたびに“くりかえし”処分し、生徒が不起立の時は「担任の指導が悪い」と担任を「厳重注意」処分にしていることについて、最高裁の「合憲」判決が出されました。

●キリシタンの「踏み絵」さながらに

 なぜ「君が代」を嫌いな教員が繰り返し式典に出て不起立をするのか不可解な方もいるでしょうが、これは靖国派都議らの要求もあって、都教委が校長に「君が代」反対の教員は、式典当日の式場外の受付業務や休暇は絶対に認めず、必ず生徒の前に座らせ「キリシタンの踏み絵」さながらの制裁で屈服を迫っているためです。
 「思想信条の自由を守る」大切さを生徒に伝えたいと思うあまり教員は不起立を貫き、処分を繰り返し受けることになります。

●「教壇を追われる」ギリギリの攻防

 通常同じ問題での処分は毎回ごとに処分が重くなっていきますので、本人は「いずれ教壇を追われる」処分も覚悟しましたが、この7年の間に処分は停職3ヶ月までエスカレートしてから同じ処分の繰り返しになっています。
 入学式、終業式、卒業式など式典ごとに3ヶ月停職ですから、学級担任など生徒と日常的に関わる仕事は困難になります。
 それでも「思想を理由に免職」という最悪の事態を、何とかくいとめている現状ですが、いま、大阪府の橋下知事が出している「君が代強制条例案」は「最後は免職もあり」のようですから、事態はより深刻化しつつあります。

●実態を無視して「秩序維持」だけを優先

 ところが判決では、「君が代」の強制で人権を侵害されたとの教員側の主張もある程度は認めつつ、「式典の秩序を維持するため」には、校長の指示を守るのは公務員として当然との結論を出しています。
今後、大阪府の橋下知事の「君が代強制」条例案の論議にも影響を及ぼし、戦争国家をめざす改憲勢力や、大震災を契機に「日本人なら団結せよ」といわんばかりの国家統制と庶民増税押しつけの潮流を勢いづかせることが懸念されます。

右の写真は、04年の4月7日付で処分された教員のことを報じた「日刊」ゲンダイ


2004年10月16日、北区内で行われた、君が代強制と不当処分に反対する集会にて。

●「愛国神話」で時代が逆流していくのか


  かつて「国体護持」の名であらゆる強制と戦争への道が合理化された時代への反省から教育の独立をうたった教育基本法も裁判中にすでに改悪されました。また今度も君が代が「愛国の証し」かのような「神話」で、あらぬ方向に引きずられていくのでしょうか。
●根拠のない「神話」の時代を終息させるために
 しかし私たち日本人は、国家秩序を守るという「神話」を信じさせられた結果、侵略戦争とその苦い敗北を味わい、最近も「安全神話」の宣伝で原発の危険性を覆い隠され、悲惨な事故を経験しました。
 二度と再び、根拠のない「神話」に惑わされる時代に押し戻されぬよう、しっかり目をみはって声を上げようではありませんか。

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