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はじめ通信10−0330

財源の余裕ありながらなぜ家賃値上げ?!
堀船の第一住宅の居住者とともに公社に値上げ中止を申入れ

●東京の3種類の公共住宅(都営住宅、公社住宅、公団住宅)の家賃をめぐって、ひどい逆転現象が起きています。一昨年からの世界的な不況と雇用不安による生活苦を考慮して、UR都市機構は、公団住宅の3年ごとの家賃改定を、昨年に続き、今年も見送ることを決めました。
 ところが東京都は、都営住宅入居基準改悪を受けての家賃値上げを、昨年は見送りましたが、この4月からは段階的に実施すると発表しました。
 都営住宅と公団住宅の中間的な収入階層を対象とした、公社住宅は、今年4月に予定していた3年ごとの家賃改定を半年延期して実施するというのです。
 収入階層から見れば、比較的高い階層の住む公団住宅が値上げを見送っているのに、中間階層の公社が秋から、低所得階層対象の都営住宅は4月から値上げを実施するという逆転ぶりは、ひどすぎると思います。

●公社住宅に住む方々の住民組織である「公社住宅自治会協議会」からは、都議会や地元区議会に署名や請願の要請が出されましたが、自治協に加盟していない団地の居住者からも、「この時期に家賃値上げは本当に困る」という声を聞いています。

●そねはじめ前都議、山崎たい子区議は、堀船第一住宅のHさんとともに東京都住宅供給公社の本社を訪ね、総合企画課長の本田氏に、下記のような要望書を渡しました。

●古い公社住宅では、最初の建設費は家賃収入でとうに償却され、いま公社が強引に値上げの根拠にしている「近傍同種」家賃(団地近隣で同じ間取りや老朽度の民間アパートを想定した家賃水準)に近づけていくという方針は、実態として家賃の取りすぎを生む原因となり、公共住宅の意味を失わせているのです。

●公社は毎年60億円の黒字を出しており、昨年からはこの大半を、借り入れ金の繰り上げ返済に使っていることが分かりました。この3月にも、50数億円を都に償還したとのことです。
 60億円の黒字を、もし全て賃貸居住者に還元したら、6・2万戸の全居住者に年10万円ぐらいずつ家賃値下げができる計算です。これこそまともな大家のやるべきことではないでしょうか。

●担当の課長と職員は、値上げ分が減額対象になる65歳以上で所得の低い約1万戸程度の方は、今年4月末ごろまでに申請しないと、来年まで減額できなくなるといいました。
 減額申請のことを知らずに、この間2回に渡る家賃引き上げ分(堀船では約月額6千円以上)を損している方がまだいるようですので、忘れずに問い合わせて欲しいとの説明がありました。
 本当なら、そんなことより値上げを中止すればいいのにと思うのは私だけではないでしょう。

●29日に申し入れた要請文は、以下の通りです。

       <東京都住宅供給公社 理事長殿>

公社一般賃貸住宅家賃値上げの中止を求める要望書

          北区堀船第一住宅居住者有志代表  ****
          日本共産党 前都議会議員       曽根 はじめ
          日本共産党 北区議会議員       山崎 たい子
                  同              福島 宏紀

 日ごろの公社住宅の管理・運営に敬意を表します。
 昨年、都内公社住宅の自治会や都議会・東京都の要請にこたえて、本年4月に予定していた近傍同種家賃基準に基づく公社一般賃貸住宅継続家賃の改定を延期すると公表されました。

 私たちは、ホッと胸をなでおろすと同時に、家賃改定が半年後には実施されるということに、強い疑問を禁じえません。月額3000円以上の値上げが予想される堀船公社住宅の多くの住民からも不安の声が聞こえています。

 政府は、景気が「回復傾向」としていますが、国民生活は平均収入が減り続け、企業の新採用激減で若者や失業者の就職難は戦後最悪の状況です。
 とりわけ生活費の高い東京で、公社住宅の家賃値上げが実施されれば、年金が目減りしている上に国保料や後期高齢者の保険料が値上げされようとしているお年よりや、給与収入が大幅に減っている勤労者などの暮らしを直撃することになります。

 一方で最近の住宅供給公社の経営は、年60億円に及ぶ黒字を出し、その余剰金の中から、本来の住宅建設費の借り入れ返済額に加えて、数十億円の繰上げ返済まで行なったと聞いています。これだけの余裕があるのに、なぜ家賃値上げを実施しなければならないのでしょうか。

 さらに石原知事のトップダウンで失敗した2016年オリンピック招致活動に1千万円の寄付をしたことに、すじちがいと感じるのは私たちだけではないと思います。

 私たちは、公共住宅の供給で都民生活の安定を図るという公社本来の目的に立ち戻り、公社一般賃貸住宅の家賃値上げを行わないよう強く要望いたします。

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