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はじめ通信・子どもと教育のはた0719

稲城の少女らは奇跡的な幸運で救出されたが、学校現場は震え上がった

●13日から行方不明だった、稲城の小学6年生の4人の少女が17日、監禁されていた赤坂の賃貸マンションから一人が脱出して無事に保護されました。これは、まったく奇跡としか言いようがない幸運だと思います。
 まず4人がいっぺんに失踪したのでさわぎが大きくなり、マスコミが大きく報道したこと。監禁した男が、自殺した理由はまだ不明ですが、このマスコミ報道と無関係ではないと考えられます。しかも、彼女らが、別の人間に連れ去られたりする前に脱出できたこと。飛び込んだ花屋さんが、「稲城の子供か?」と訪ねて、すぐ救出されたこと。
 このどれひとつが違っていても、これほど早く解決することはなかったと思います。

●しかし、事態が明らかになって、震えあがったのは、夏休みを目前にした小中学校の現場です。この少女のような行動をする可能性があり、それを許してしまう家庭環境の子どもが、今の小中学校にはあまりに大勢いるからです。
 そしてあと数日で、学校のコントロールがまったくきかない時期が来るのですから。
 私の身近なある学校でも、区の教育委員会から緊急の通達が出て、校長は直ちに自校の児童生徒の状況について調査・分析し、対策を迫られたそうです。

●ある教師は、「日常的に子どもだけで繁華街に出かけている、他人から大きい金額をもらっても親に報告せず親も見逃している、夜遅く帰ってきても何も言われないなど、教員から見れば、親が余りに子どもの行動に無関心ではないかと見える家庭が多すぎる」となげいていました。しかしこれを親の責任とだけいうのは、あまりに早計に過ぎると思います。

●あるテレビ番組で、かつてつっぱり中学生の指導でモデルになった能重真作氏が登場して、「これがしつけとか子どもに厳しくなどというだけの方向に向えば、虐待が増えるだけ。親は真剣に子どもと向き合ってほしい」と訴えていました。
 そのとおりだと思いつつ、「向き合うってなんだろう・・向き合っただけでいいのか」という疑問がわいたのです。

●私自身は、親どうしの相談や連帯、助け合いの機会がほとんどないまま、子どもだけが大きくなってしまったんだということを痛切に感じています。自分がしっかりしていれば大丈夫とばかり考えて、近所や友人どうしで子育てを通じて交流することを、とりわけ子どもが思春期を迎えたころにほとんどしてこなかったからです。
 ほんのわずかな対処で解決できるはずのわが子とのトラブルも、親の主観的判断でどんどんエスカレートさせてしまうことは、自分でも経験があります。

●あらためて、あらゆる機会を通じて、できれば直接的な対話の中で親どうしの交流と助け合いの機会をつくって行きたいものだと考えています。

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