はじめ通信・子どもと教育のはた0126 在日外国人の教育にはこうまで冷たいのか 夜間中学の日本語学級の教員をいきなり3割削減 ●26日、都教組の役員と、夜間中学の先生たちが、教員配置基準の突然の切り下げの撤回を復活要望で出してほしいとの要請で、議会の控え室に訪ねて来ました。 われわれ議員には、予算原案や職員定数の説明ではまったく話がなかった、教員配置の都独自基準の切り下げが行われそうだと言うのです。対象は小学校の14学級ある学校で1名、中学校では、15,16,17学級の学校で、それぞれ1名、都の上乗せ配置をやめるというもので、小学校でも中学校でもそれぞれ60名前後、定数減になりそうだと言います。合計120名というのは大変な数字です。 ●さらにびっくりしたのは、全都で8校しかない夜間中学の中で、さらに5校にしか置かれていない日本語学級の教員を、現在の定数26名から18名に3割も減らされるというのです。 つまり、現在は1学級に2名担任のところを、担任1名ずつとして、それに学校で1名加えることにするというので、2学級ずつある2つの夜間中学は、4名ずついた教員が3名ずつになり、3学級ある3つの学校は、6名が4名になるのです。合計5校で26名から18名へと削減。 ●教員定数の削減で、もっとも困難を抱えた夜間中学の、それもさまざまな国籍や年齢の集団に日本での生活の大切な知識やルールを教える貴重な学びの場を狙い撃ちにするとは・・。 石原都政の外国人いじめも、いよいよきわまったかと思うのは、私だけではないと思います。 ●夜間中学の先生たちから、夜間中学と日本語学級の歴史を聞いて、今回の切り下げの背景が見えてきました。 日本語学級は、もともと1965年ごろの日韓条約後に、韓国から帰国してくるようになった残留者の子どもたちに、学ぶ機会のなかった母国語を教えるため、71年に世論を受けて革新都政が独自につくったものだといいます。いまだに国の設置基準はないそうです。それまでは、別の日本語教室などである程度話せるようになってから、夜間中学の普通学級に入学していたが、なかなかついてこれないので独自に設置したのだそうです。 ●その後、日中友好条約後には中国残留孤児や家族が帰国するようになり、さらにブラジル日系人などをはじめ、さまざまな帰国者や、日本人と結婚した東南アジアなどの女性、少数ですがアフガンその他の難民など多様な外国人がいて、母国で初等教育を受けていない場合は入学を認められているそうです。 だから年齢も15歳から70歳代まで、国籍もさまざまで、しかも母国でさえ字が読めないなど社会的ハンディーを抱えている場合が多く、担任教諭は勉学はもちろん、日本の生活習慣、通院や就職、生活保護など、くらし丸ごと指導援助せざるをえないが、しかし、これら教員の懸命の努力によって、外国人が犯罪にはしるのをこれまでどれほど防いできたか計り知れないという事実もわかってきました。 ●石原イズムに深く汚染された教育庁が、都の単独制度(つまり都の財政持ち出し)の故をもって、この優れた制度を嫌悪し、実態も見ずに一刀両断で切り下げようとしていることは、いかにも石原都政らしいと言うべきですが、切られるほうは、実際に3割も教員を減らされれば、日本語学級ももちろん、全部で10人ちょっとしかいない夜間中学自体の運営まで立ち行かなくなりかねないのです。 ●北朝鮮と戦争するには、北のミサイルが金閣寺あたりに撃ち込まれれば日本人も目が覚めるだろうというような話をまことしやかにしゃべる人物だけに、こうやって外国人のわずかな教育の場まで切り崩して、日本への憎しみを駆り立て、非行や犯罪に追い込んだ上で、一気に治安対策の対象にしていこうとしてるんじゃないかとさえ、冗談ではなく、私は想像してしまうのです。 ●都教委が正式に公表した様子もないので、この問題はまだほとんど知られていませんが、事態が伝われば、誰もが憤慨する話だと思います。私もきょうを機に、各方面に訴えていきたい。 できるだけ多くの心ある人々がこれを知って、教育庁に対し、わずか8名の教員定数切捨てで、また都政の歴史に汚点を増やすようなまねは思いとどまるよう、はたらきかけてくださることを期待します。 |