山陰本線 鎧−餘部

1.1986年3月13日
DD51+旧型客車 普通
《アクセス》
餘部鉄橋。山陰本線と言うより日本、いや世界を代表する鉄道写真撮影地。
もはや説明不要。

《光線・レンズ》
駅裏手のお立ち台からは昼〜午後下り列車が順光。
作例は15時頃の下り。70ミリ相当。

《飲食・トイレetc》
現在は橋の下に駐車場やトイレ等の休憩施設が出来ている。
《コメント》
鉄道撮影を趣味とする者にとっての聖地。
古い写真で恐縮だが、この場所は外せない。

2.1986年3月13日

DD51+12系 普通
《アクセス》
餘部鉄橋の反対側に登ったもの。
《光線・レンズ》
午前の上り列車が順光。作例は15時頃の上り。よって逆光。70ミリ相当。
《コメント》
またまた古い写真で恐縮。今でもここのポイントには行けるのだろうか…

3.1986年3月13日
キハ58系 「だいせんX号」
《アクセス》
餘部鉄橋の下。やや南側から。
《光線・レンズ》

終日ほぼ順光。作例は13時頃の上り。70ミリ相当。
《コメント》
またまたまた古い写真で恐縮。
この撮影から9ヶ月後、まさかここから「みやび」が転落する事になろうとは…

4.1986年3月13日
キハ58系 「だいせんX号」
《アクセス》
餘部鉄橋の北の港から撮影。
《光線・レンズ》
終日ほぼ逆光。作例は14時頃の下り。70ミリ相当。
《コメント》
またまたまたまた古い写真で恐縮。
残雪の山々をバックに、餘部鉄橋のもう一つの定番アングルだ。

5.2005年12月10日
キハ47 普通
《アクセス》
こちらは鉄橋北側の田んぼから撮影。
《光線・レンズ》
バックの山には午後になれば日が当たる。作例は15時半頃。50ミリ相当。
《コメント》
素朴な餘部集落の情景と鉄橋の組み合わせ。作例にも普通列車を選んだ。
この光景が間もなく過去帳入りするのは少し残念。

6.2006年3月17日
DD51+24系 「出雲」
《アクセス》
鉄橋北にある山の斜面から。
道がついており、車両は入れないが徒歩でなら登っていける。
地面が粘土質で滑りやすく汚れやすいので、雨上がりの時などは特に注意。

《光線・レンズ》
終日ほぼ逆光。曇りか雪向け。作例は7時半頃。50ミリ相当。
《コメント》
廃止の土壇場になって実現叶った餘部出雲の撮影行。
ここ「餘部逆水平」はDD51+12両のフルサイズ編成を完全に収める事が出来る
貴重なアングルだ。
3レだと北側になる関係で、24系25型の大きな特徴である「平べったい窓のB寝台」
が見られる公式側(進行方向右側)の撮影は限られがちだったが、
やっと記録できて良かったヨカッタな1枚。
あとここに集まった方たちに当HPを御存知でいてくれた方がいらして、
驚きと同時に嬉しかった。
またどこかでお逢いしましょう。

7.8.2006年3月18日
DD51+24系 「出雲」
  ※2006/3/18 写真差し替え
《アクセス》
鉄橋南にある小学校脇の墓地から撮影。
《光線・レンズ》
終日ほぼ順光。作例は7時半頃。7.が100ミリ、8.が35ミリ相当。
《コメント》
最近よく見る新定番アングル。
バックの空と海の中に架け橋と列車を浮かび上がらせる構図なので、
晴れてくれないと露出が非常に難しい。
いよいよ「出雲」とも今生の別れ。やっぱりこの地以外の選択は考えらなかった。
山陰らしい曇り空のもと、姿を現した最終9003レは重連も特カンも無く、
普段と何ら変わらない姿。
集まった大観衆の眼など全く意識していないかのような平常心で、
減速も汽笛もないままあっけなく通過して行った。
最後のオハネフ25の「タタン」というジョイント音と共に、
世界に轟く鉄道名所でのラストダンスに幕が降り、その舞台をこの席から見届けていた
作者はじめ大勢のファンにとっての「出雲」は終わった。
撮影が終了し帰途につくと同時に、今までこらえていたのが我慢出来なくなったかのように
凄い涙雨になったのが印象的でした。

9〜10.2006年10月21日
キハ58系 「快速あまるべ」
《アクセス》
7.8.に同じ。
《光線・レンズ》
作例は15時頃。70ミリ相当。
《コメント》
掛け替え工事開始が迫る餘部鉄橋。
記念列車として国鉄急行色4連で運行された「急行あまるべ」と「快速あまるべ」だが、
舞台と役者は最高、季節も良く、日程・天候や時間帯などの条件が揃ったこともあり、
現地沿線付近の人出はすさまじかった。
作者の鉄道趣味人生でも最多レベルだったと思う。
集落の空きスペースを埋め尽くす車。狭い路地や撮影場所は前後左右どこを見ても
三脚担いだ鉄、鉄、鉄。
観光バスも登場。警察巡回に屋台出現と、もはやお祭りだ。
撮影地でトイレ行列に並んだのも初めて(笑)。
この日は秋晴れに恵まれ、海と空、そして赤い鉄橋を渡る列車の色がしっかり出てくれた。
あぁこれぞ薄れゆく国鉄時代のふるさと原風景。
《アクセス》
鉄橋北東部にある漁港の防波堤(関西風に言うと波止)から。
鉄橋下から海岸伝いに歩いていけるが、途中落石や高波の恐れがありそうで、ちょっと怖い…

《光線・レンズ》
綺麗な順光写真を狙う場所ではない。作例は16時頃で150ミリ相当。
《コメント》
港から斜めに鉄橋を見上げるこのアングルは、日没前に夕陽で鉄橋がギラリと光る時間帯がある。
多くの撮影者が「快速あまるべ」通過とギラリのシンクロを願って待ち構えたが、
残念ながらタイミングが合わず、中途半端な光り方になってしまった。

11.2006年10月21日
キハ58系 「急行あまるべ」
《アクセス》
4.付近。もう少し鉄橋に近づいた波止の根元から。
《光線・レンズ》
17時頃で100ミリ相当。
《コメント》
当日イベントの最終便「急行あまるべ」が鉄橋を渡っていった。
初めて餘部を訪れてから20年、撮影に乗り鉄にと通ったが、
個人的には一つの節目が付いた感じだ。
次にここを訪れる時はどういった状況になっているだろうか。

12.2006年12月16日
キハ181系 「はまかぜ4号」
《アクセス》
7.〜10.に同じ。
《光線・レンズ》
13時半頃で50ミリ相当。
《コメント》
この日は餘部で撮影する予定はなかったが、天気が良かったので
お気に入りのこの場所を再訪。
はまかぜが鉄橋を渡っていく。2ヶ月前のパニックとは打って変わり、
お墓全体で4,5名程度の静かな撮影。
現状の姿での餘部とはこれでお別れカットかな?  と今度こそ思ったのだが…

13.2007年3月10日
キハ181系 「はまかぜ6号」
《アクセス》
餘部集落から信号交差点を北に曲がり、餘部分校や灯台方面へ向かって
坂を少し登ったところ。岩場に降りて撮影。
《光線・レンズ》
16時半頃で70ミリ相当。
《コメント》
DD51牽引の客車列車による「想い出のあまるべ」号が
春休み期間に運行される事が発表された。
もう一度聖地でのお祭り騒ぎに参加(良くも悪くも)出来るチャンスがやってきた。
様子見を兼ねて餘部を訪問。暖冬だった今年だがこの日はかなり肌寒い一日で、
残雪の山をバックに浜坂延長の「はまかぜ6号」を撮影した。

14.2007年3月26日
DD51+12系 「想い出のあまるべ」
《アクセス》
鉄橋南側。小川のほとりにある少し小高い畑のあぜ道から。
農作業をしている方がいれば挨拶をしておきましょう。柵の向こう側には行かないように。
《光線・レンズ》
14時半過ぎで135ミリ相当。
《コメント》
晴れると返しの上り「想い出〜」の時間帯は鉄橋の南北どちらも順光にならない
微妙な光線状態だ。
海と小学校、そして鉄橋と客車列車。昔とさほど変わらない情景写真。
なお上空を飛ぶカラスと、通過直前に田んぼの中に現れた撮影者は
レタッチで消させていただいた。

15.16.2007年3月31日
DD51+12系 「想い出のあまるべ」
《アクセス》
5.に同じ。
《光線・レンズ》
13時15分頃。曇り。15.が150ミリ、16.が85ミリ相当。
《コメント》
3月最後の土曜日もここを再訪。
天気は今ひとつながら「想い出〜」目当ての旅行者、撮影者の数はかなりのもので、
お立ち台をはじめ周辺は「激パ」状態。
でもこのアングルは人が写らないので、そんな気配を全く感じさせない自然な撮り方が出来た。

17.2007年3月31日
キハ181系 「はまかぜ4号」
《アクセス》
鉄橋南東の山すそより。
《光線・レンズ》
13時40分頃で85ミリ相当。
《コメント》
20年前の3.とよく似たアングルだが、こちらは少し坂道を上がって撮影している。
午前中はどんより曇っていたが、この時間帯から徐々に春の日差しが照りつけてきた。
餘部駅のお立ち台近くの桜も5分咲きといったところか。

18.2007年3月10日
キハ181系 「はまかぜ1号」

19.2007年3月26日
DD51+12系 「想い出のあまるべ」
《アクセス》
幻の撮影地から一転、今やメジャーポイントへと昇華した「餘部スーパー俯瞰」。
登山にかかる所要時間は諸説あり。作者は初めてトライした時は
登り口が分からず、神と仏を取り違えるような場所から間違って登ってしまい、
雪道だった事もあって1時間以上かかってしまった。
要領を得た2回目以降は精神的・体力的にもかなり楽になり、
「想い出〜」の日は残雪もなく良好な坂路コンディション。
渓流釣り歴20年の作者の足で登り35分、下り15分。
おそらくかなり早い部類であろう(後述)。
登った先の立ち位置は尾根の斜面で足場が悪く、本質的に大人数は向かない。
《光線・レンズ》
お昼から午後にかけてが順光で、作例は18.が13時過ぎの「はまかぜ1号」、
19.が続行の「想い出〜」でいずれも200ミリ相当。
快晴が絶対条件。赤い鉄橋を渡る列車全体が青い海に「浸かる」。

《コメント》
簡単には撮れない憧れの絶景撮影地。
13時過ぎの本番に先立ち9時から登山を開始したが、到着してみると
既に多くの皆さんが斜面に張り付いている(驚)。
先客の方の間にしゃがませてもらい、色々と話をしながら刻々と時間が経つのを待った。
撮影者は増え続け、最終的には50人くらいになったのでは。
それぞれ週間予報をはじめ色々な情報を総合して今日この場所を選んだ
生粋の「バリ鉄」な方たちであろう。
全員の願いが通じたか、「あまるべ号」通過時は快晴となった!
トンネルからDD51が顔を出し、汽笛一声、ゆっくり鉄橋を渡っていく。
と同時に静かな山上に響くおびただしいシャッター音。息が止まる一瞬だ。
作者のキャリア中でも思い出深い1枚になったと思う。
もうこの聖地に思い残す事はありません…(笑)
《補足》
撮影と言うより「登山」に近いので、足元をはじめ軽装では臨まない事。
山歩き、沢歩きに長けていない人には少々キツイかも。
必要充分なものを準備して万全な状態で登ろう。
作者のスピードアップは「勾配線区に強く、空転しにくい」磯ブーツ装備によるところが
大きかった。タイヤの違いはラップタイムに直結します。

なお、ここは特殊な撮影地のため、具体的なルートやコツの詳細は書かない事とします。
各自で研究いただくか、別途お問い合わせ下さい。

【おまけ】

鉄橋下をくぐるR178にはこのような惜別の看板が設置されています。
まるで、廃止されるか、トンネル新線にでもなるかのようです(笑)
架け替え後のコンクリート橋はどのような姿になるのでしょうか…


餘部集落から北に進んだ岬にある余部崎灯台。
何でも日本で一番標高の高い場所にある灯台なんだとか。
人里離れた崖上にひっそりと佇み、日本海を見下ろしている白い灯台は一見の価値有り。

灯台付近から見た海岸線の風景

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