思うこと 第69話 2006年2月1日 記
暖かい忠告のメール
私がとっても信頼している親しい友人から、以下のようなメールをいただいた。
『納君のHP、興味深く読ませてもらっています。 最近の医学以外の広い分野への関心、読書、その感想には正直感服しています。 さて、君の「憂国の志」はよく解るつもりですが、購入している書籍の選択には少し疑問が在ります。 誤解を恐れず私見を言えば、君がとりあげた本は、残念ながら、5年後はおろか1年後にも古書価はゼロになるような本ばかりだと思います。 ビジネス書、警世書には、その手のものが多いのが現実です。 このような時代こそ、思想史、政治史、哲学の古典を、君には読んでもらいたいと思います。 古典以外では、国際問題の理解のためには、ノーム・チョムスキー、エドワード・サイード、国内の作家では加藤周一、辺見 庸、
池澤夏樹あたりにも目をとおしてもらいたいと思います。
小泉政権の評価も、まだ早すぎると思います。 BSEに関しても、科学的なリスクと、政治/外交の手続きをごっちゃにするのは危険です。 アメリカ牛肉BSEのリスクの評価と、少なくとも決めた手続きを日米政府が厳守しているかの評価は別です。 国内基準をアメリカに求める事は、なんら保護貿易ではありません。 この数日の中川大臣の答弁もぼろぼろでした。 全頭検査を行っている日本の牛肉を、中国、韓国、アメリカなどが今でも輸入禁止であることを君は知っていますか?
読売、渡辺恒雄氏の評価も注意が必要です。言論界のボスではあっても、まあ愛嬌のある老人ではありますが、まともな現論人といえるお方ではありません。靖国に関してのコメントだけでの評価は危険です。
失礼な事を書きつらねたかもしれないけど、社会/政治に関するコメントは、慎重にしたほうがいいと思いますよ。』
私は、メールを読み、感動して、心からの感謝の返事メールを送った。 私の立場を考えてくれるからこそ、そしてまた、私のことを大事に思っているからこその忠告で、このようなすばらしい友人を持っている私は、本当に幸せ者だと思うことであった。 ちなみに、この友人は、本当に東西古今の本を、広く、深く読んでおり、いつも思慮深く、私が最も頼りにしている友人の一人である。 彼の目から見たら、政治・経済に関する私のあまりの音痴ぶりに、つい、ひと言いわずにはおれなかったのであろう。