思うこと 第277話           2008年6月24日 記

危機対応に大事なこと

 危機は思わぬ時に、突然やってくる。その時一番大事なことは、素早く的確に状況をとらえ、どのように行動すべきかとっさに判断し、そして、行動することである。もうひとつ、もっと大事なことは、予防対策であり、原子力発電所や航空機関などでは、これが徹底しているわけである。

 数日前の6月21日(土)の出来事は、私にとって教訓的な出来事であった。 この日の午後、福岡で行われる予定の講演会の演者に指名されていた。 絶対に遅れずに会場に着かないといけない状況であったので、間に合う便よりさらに一便早い飛行機便を予約した。このことが、危機対応が成功した決め手になった。搭乗予定時間の15分前ごろにアナウンスがあり、出発が10分遅れるとのこと。理由を聞いたところ、私達を運ぶ予定の航空機が、飛行中に落雷を受け、幸い無事鹿児島空港に着陸したが、現在機体の点検中とのこと。本当に10分の遅れで済むのか確認したところ、本部に問い合わせてくれた結果、どれぐらい遅れるかわからないとのこと。私は飛ばない可能性があると判断し(翌日確認したところやはりその便は欠航になったとのこと)、すぐチケットカウンターにもどり、次の便の予約をお願いしたが、残念ながら次の便は満席であった。時間的に新幹線(JR)でもゆとりをもって間に合う時間であったので、すぐにJR鹿児島中央駅にタクシーをとばした。タッチの差で新幹線に間に合った。ところが、新幹線の車内アナウンスで『リレーツバメ』は新八代駅には待ってくれていないとのこと。九州北部に停滞する梅雨前線の影響で、熊本県はその日の未明から中部の宇土市や宇城市を中心に激しい雨が降り、熊本県富合町の潤川が増水し、JR鹿児島線は、線路に水が流れ込む恐れがあるとして、21日午前9時前から川尻−宇土間で上下線とも運転を見合わせているとのこと。リレーツバメには熊本から乗れるとのことで、熊本までは連絡バスを用意してあるとの事。私は、このような事態では国道の渋滞はひどいであろうから、講演会に遅れる可能性があると判断し、新八代駅でタクシーに乗った。九州自動車道も八代−御船インター間で朝から通行止めになっているとの事だったので、御船インターから九州自動車道に入ることにした。幸いタクシーの運転手は土地勘のある方で、車の少ない広域農道を選んで走ってくれた。途中、写真に示すように農道と田畑の境界もわからないほど増水している所もあったが、無事御船インターにたどり着き、バケツをひっくり返したようなものすごい豪雨の中を一路福岡を目指し、そして、無事、講演会にゆとりをもって間に合ったのであった。

一便早い航空機を予約していたことと、どれほど遅れるか見当のつかない便に瞬時に見切りをつけて、40分かけてタクシーで鹿児島中央駅に向かったあの時の決断が今回の危機を乗り越えさせてくれたと思う。また、学ばせてもらったのであった。