思うこと 第177話           2006年11月23日 記       

パプア・ニューギニア、ソロモン巡回診療報告ーその30(最終回)ー
帰路の空から

 11月7日午前9時30分、我々3人の検診団は、後ろ髪ひかれる思いでポートモレスビー空港を後にした。オーストラリアのケアンズ空港で飛行機を乗り換え、美しいケアンズ空港周囲の風景を後に、

飛び立った直後から、かの有名なグレート・リーフ・バリアーの美しい珊瑚礁の眺めが延々と続いたのには感動した。


やがて、機はグアム島の上を飛んでいることがナビゲーターに写し出されたので、

夕日が落ちた直後でやや暗かったが、グアム島の島影の撮影には成功した。


しかし何といっても、美しい富士の姿を見た時、

ああ、日本に帰りついたのだという感慨にふけると同時に、終戦後南方戦線から復員した人々が、近づく本土の富士山の姿に『国敗れて、山河あり』の詩を思い浮かべたという手記の言葉を思い起こす事であった。そして、2度と、あのような、自国民にも相手国民にも悲惨極まりない戦争を起こす事が無いように、国の政治の行方を注視してゆくことは、次の世代にたいする、我々の義務であるとの思いを新たにしたのであった。

 では、これをもって、30回にわたるソロモンーパプア・ニューギニア巡回診療報告の絞めにしたいと思います。