思うこと 第109話           2006年6月27日 記       

ロンドン訪問小話ー1ーオックスフォード大学

 私は6月22日から26日まで英国で過ごし、今、日本への帰りの飛行機の中でこの文を書いている。 英国訪問の目的は、私達が発見した神経難病HAMの治療法確立のための英国研究陣との共同研究の打ち合わせのためで、今回はロンドンとオックスフォードを訪問した。 ロンドンの共同研究者はバンバム教授で、伝統あるインペリアル大の免疫学教室の教授である。 

上の写真のセントメリー病院はこの大学の附属病院であるが、この渡りローカの左の建物の2階でフレミング博士がペニシリンを発見している。(下の写真はそれを説明しているプレート)。

 バンガム先生の先代の教授もノーベル賞を受賞しており、バンガム先生も将来受賞される可能性の高い先生である。 世界のHAM研究は、我々鹿児島グループとバンガム先生のグループ、それに米国NIHのジェイコブソン博士のグループの3つのグループが先導していると言って過言ではない。 さすがバンバム先生のグループの研究のスピードは速く、打ち合わせに来てよかった、というのが率直な感想である。 もう一つの訪問先のオックスフォード大学は、バンガム先生を通して共同研究をしているが、そもそもインペリアル大学はオックスフォード大学と緊密な連携をとっているようである。 先ほど紹介したインペリアル大学のフレミング博士も、インペリアル大学で発見したペニシリンを、製剤としての商品化はオックスフォード大学で行っている。
(下の写真がオックスフォード大学のペニシリン開発が行われた建物。)


 ここでは、研究の話は避けて、オックスフォードの町と大学の様子を報告する。 
下の写真はオックスフォードの町を空から撮ったものであるが、これらの建物群の殆どがオックスフォード大学である。  

参考までに、下に建物の区分図を示すが、この中の赤色の建物が大学の建物で、建物の三分の二ほどを占めている。


実は、オックスフォード大学は単体の大学ではなく、この町に存在する39の異なる大学(カレッジ)の集合体であり、それぞれの大学(カレッジ)はそれぞれ独自の校則により運営されているが、試験と称号はオックスフォード大学全体で取り仕切られているという、極めて特殊な大学である。

バンガム先生もここの大学(カレッジ)の出身で、その建物を下に示す。

どの大学(カレッジ)でもそうであるが、建物は中庭を取り囲むように建っていて、この建物の中に学生は寄宿して教育を受けるシステムになっている。ちなみに、バンガム先生も、上の建物の中に寄宿しておられたそうで、中庭を見せてもらったところ、下の写真の様に驚くほど美しかった!


これがアラビアのロレンスの学んだ大学(カレッジ)だと教えてもらった建物を下に示して、この小話を閉じる。