たかがクルマのことだけど
財産にこだわる狂気
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目次
●見栄え中毒
●公共物に対する振る舞い
●同乗者にも知ってほしい体験 =投げ捨て=
道具にすぎないクルマをステイタスシンボルに使うことが狂気を生む。他人に見せびらかすことが優先する振る舞いは鼻持ちならないが、けっこうそのてのクルマが走っている。他人と違うことを印象づけるために違法改造したり、無法走行を繰り返すクルマも多い。わざわざ車高を低くし、車体からはみ出すワイドタイヤをはかせ、遊びが少ない小径ハンドルに換えてヨタヨタ、ノロノロ走る気が知れない。
●見栄え中毒
レンタカーでも中古車でもいいのに無理して新車を購入したドライバーの振る舞いには共通性がある。クルマの外観を気にするほどに、エンジンルームを一度も開けたことがないことだ。
月に数度の利用、それも500kmしか走らせないならクルマをあえて所有する必要はない。病人とか足腰が不自由な人がいるならともかく、見栄でクルマを所有するだけ無駄だろう。あれば便利にしても、使わないで野ざらしにし、ぎこちない走行をされるのも迷惑である。また、クルマをピカピカに磨き上げて飾って置くだけのドライバーも多い。毎日洗車をし、ワックスがけをしてクルマの塗装をはがしたドライバーもいるそうだ。
このての人々の狂気は次のようなものだ。
自分の不注意で塀などでクルマをこすった直後にキレまくり、
@その口惜しさをクルマの運転に持ち込んでノロノロ走行し、
Aそれが原因で他車に割り込まれて興奮し、
Bときにはムキになって加速を始め、
Cあげくの果てには歩行者や他車を事故の巻き添えにする。
クルマを清潔にすることは悪いことではない。しかし、自分のクルマをかばって他人に泥をはねたり、危険をまき散らすのは異常である。些細なことでキレるのも身勝手である。山道やぬかるみを走りまわるのが愉しみな私には理解のできないことだ。使えば汚れるのがクルマだろう。汚れたらきれいにすればいいのであって、汚れるのを嫌うのは病気ではなかろうか。
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●公共物に対する振る舞い
先ほどからとりあげてきたドライバーに共通するのは、自分の財産(クルマ)に向ける熱意を公共の施設に向けないことである。具体的に示せば次のような狂態がある。
@走行中に火のついたままのタバコを投げ捨て、
A信号待ちの合間にゴミを道路に捨て、
B標識やガードレールを壊して逃げ去り、
C難聴になりそうなほど音量を上げた雑音をまき散らす。
渋々にせよ、社会生活では守ることがクルマで守れないというのもおかしなことである。自分の家のゴミを隣家の玄関先に置くようなことが道路では平気で行われるのも異常ではないか。また、自分の物なら大切にするが公共の物はぞんざいに扱うというのも異常である。なければならないから設置され、個人ではまかなえないからみんなで負担しているものを壊していいのだろうか。直したり清掃するために互いの負担(税金など)が増すという大きな目が欠けるのも淋しい。
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●同乗者にも知ってほしい体験 =投げ捨て=
物の投げ捨てはまわりを危険にさせることを知ってほしいのであえて付け加えさせてもらいます。特に、クルマに同乗した人の気遣いが事故を起こした例を紹介します。
風の強い日の高速道路での出来事だった。左前方を走る観光バスの乗客が火のついたタバコを投げ捨てたのに私はビックリしたものだ。バスの直後には幌つきの大型トラックが走行していて荷物に火がついてたちまち燃え上がった。幸いに、互いのクルマが停車し、消火したからことなきを得たものの気づかぬまま走行していたら大事故になっていただろう。大型車には消火器が常備されているが乗用車にはそういうものはないから、消したくても消せないだろう。これがもし、山道だったら大惨事になっていただろう。枯葉や枯れ木が多い秋だったら山火事になっただろう。
私もタバコを吸う。以前は車内でも吸い、同乗者にもすすめていた。でも、最近は禁煙車も多い。だから、隠れて吸う同乗者も出る。また、自分のクルマを汚すのを嫌ってタバコを投げ捨てるドライバーも多い。ひとりのわがままな行為が他人に危険をまき散らすのが道路だということを忘れてはほしくない。どうしても吸いたいときは安全な場所にクルマを停め、吸殻は決められた場所に捨てるというマナーだけはいつでも守りたいものだ。これは愛煙家としてのお願いです。
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