たかがクルマのことだけど
ハザ−ドマップから除夜の鐘
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見える見えないで一喜一憂している富士山にかかわるからブル−バックスの『富士山噴火』@を読んでいる。いつものとおり妻は「バカみたい、そんはことはわたしたちが死んでからでしょう」と笑う。先日は小松左京さんの近未来小説を思い出して『日本列島は沈没するか』Aを読んで同じことを言われた。のんびりしているようで結構したたかな妻には、ギタ−やパソコンのほかにあれこれ手を染める亭主がうとましいのだろう。そこでコンビニで買った『数と数学がどんどん楽しくなる本』Bで知った婚約数を持ち出せば「つまらない」とふてされる。婚約数の48と75は皺(しわ)と名残(なごり)で女性には疎ましいのだろう。
ハザ−ドマツプというのは『富士山噴火』によれば「火山災害予測図または火山災害危険区域予測図、英語ではvolcanic hazard map」というらしい。日本では35の火山が公表されているそうだ。でも、海底火山や北方領土を除いても108ある火山の4割である。1970年代から始められ1992年に旧国土庁が運営指針を公表してからこの程度というのも経済大国にしてはのんびりしている。東海沖地震対策にしてもやってますよというポ−ズだからこんなものかもしれない。今にも来るように騒がれて40年もたつと科学者の信頼も薄れるはずだ。知ってもなすすべがないからわたしも不感性になった。
わたしにはクルマに必ずついている《危険警告灯》と呼ばれるハザ−ドランプしか思いつかない。本当はハザ−ドライ卜だがどういうわけかランプという。また、ワ−ニングライ卜とも呼ばれるけど同じものだ。本来は、まわりに異常や危険を知らせ追突されるのを防止するために使うものだけど、実際は駐車しているときしか使われていない四方にぱかぱか点滅するライ卜である。そういえばゴルフにもコ−ス内の障害物をハザ−ドといった。避けられない危険をさすのだろうか。そこでハザ−ドを調べてみると次のとおりだ。危険が不確実に変って博打(ばくち)に至るのもおかしい。
1危険〔困難〕を引き起こす原因〔要因〕
2生じる可能性があると考えられている危険
3偶然の出来事、不確かさ、運
4ゴルフコ−ス内の川・池・バンカ−などの障害物
5昔の英国のサイコロ賭博
日本に火山が108あるとロにすれば、「除夜の鐘と同じね」と娘が笑う。先日は高尾山へ出向いて娘が厄年なのに気づいた。「悪いことばかり続くのもそこにあるのだろうか」とつぶやいたら、「父親のマネばかりしているから自業自得よ」と妻は手厳しい。煩悩(ぼんのう)に煩わされるのも楽しいだろうに。いろいろな可能性を考えるのは無駄かもしれない。ことしもあと−月になった。どこで鐘の音を聞こうかと娘と話せば、「横浜港の汽笛で十分よ」と妻が水をさすのもしゃくである。
@『富士山噴火』鎌田浩毅著、ブル−バックス、講談社、2007年
A『日本列島は沈没するか』西村−・藤崎慎吾・松浦晋也著、早川書房、2006年
B『数と数学がどんどん楽しくなる本』鍵本聡著、白夜書房、2007年 (2007/12/01)
【補記】
この記事は「本の紹介」に掲載しましたが、クルマにかかわるのでこのサイトに加えます。