59 座り方で音の響きが違う

ギターに挑戦


 休日の昼間に椅子に座っていつもの曲を弾いていると娘が「今日の音はメリハリがあるね、どうしたの」と言い出した。違いといえば、平日の夜は大きな音を出せないから振り幅(ストローク)を短くしていることと畳に座って弾くことぐらいだ。

 椅子に座ると腕を大きく動かせるから振り幅が広くなる。サウンドホール(大きく穴が広がった部分)に近い位置に振り下ろせる。昼間は騒音を気にせず音が出せる。そういうことが重なって大きく響くにちがいない。

 ギターの解説書には、弦と右指の触れる角度やギターの傾きで音に違いが出るとある。むろんピックを使ったり、指の爪か腹部かでも違いは出る。でも、その条件はいつもと変わらないから座り方の違いのほうが大きいようだ。ギターは立って演奏するか椅子に座って演奏する。また、畳に座って弾くスタイルはどのテキストにも見当たらない。

 先日読んだリズムの解説本(※)では日本人の踊りが「腰から下の躍動感が乏しい平坦で起伏の少ないおとなしい踊り方が特徴的で」手や腕の動きでカバーする「盆踊り」スタイルという指摘があった。腰から下をゆさぶり身体全体をゆする南米のカーニバルの踊りとは確かに異なる。座り込んで演奏するのは三味線を始めとして日本に多いもののギターはそういう楽器ではない。娘の指摘はそこをついているのだろうか。(2007/04/04)

 ※市川宇一郎著『リズムに強くなるための全ノウハウ増補改訂版』(中央アート出版社、2007年)p11

【追記】

 リズムは相変わらず身に付きませんがギターのひびきの違いは感じます。ウクレレの解説本にはサウンドホールの前後でひびきの違いが指摘されていますがギターの解説書には見当たりませんでした。
 畳に座って弾くのは確かに窮屈で、右手の動きを制約させます。過去に宴会で座って弾いていた姿を見知っていたばかりに娘に指摘されるまでまったく気づきませんでした。