55 代理コードで切り抜ける

ギターに挑戦

 毎日同じ曲を弾いているが、そのコードだけ押えているときは弾けても続けて動かしにくいギターコードがある。どうしても押えきれない小指は面倒だから外して弾いて押し通す。それだけでは芸がないので、ときどき手抜きをして別のコードで置き換える。CとAmとEmあるいはDmとFは状況に応じて同じように聞こえるのも意外である。 また、楽譜とギターコードをつき合わせるとどうしてこういうコードになるのかと首をひねるときがある。

 五線譜の第2線にあるE(ミ)音で始まるのにCメジャーになっているのは和音がCEG(ドミソ)の組み合わせだからである。でも、それがAmになるとギクッとする。AmはACE(ラドミ)音の組合せである。これは第4間のEを1オクターブ下にする「転回」が絡むのを知らないと戸惑う。同じようにEmはEGB(ミソシ)の組み合わせである。CEやEGで共通するからCメジャーに代用できるという。これを「代理コード」というそうだ。手抜きだと恐れていたがギターでは当たり前のことと知ってホッとした。

 以下の説明は音楽に無知なわたしの復習だから興味のある方だけ読んでください。


 基本的な三和音は1度・3度・5度の組み合わせで、3度の音に♯がつくか♭がつくかでメジャー(M)とマイナー(m)に別れる。これだけを知っていても3つの音の組み合わせを忘れると意外な音が和音になっている。
 ちなみに、ドレミファソラシドの各音の根音(ルート)を1度にした並びはC(ドミソ)、Dm(レファラ)、Em(ミソシ)、F(ファラド)、G(ソシレ)、Am(ラドミ)、Bdim(シレファ)でこれは覚えていなかった。この組み合わせは「ダイアトニック・スケール・コード」というそうだ。

 代理コードが使えるのは、和音の基本的組み合わせである「トニック(T)」、「サブドミネント(W)」それに「ドミネント(X)」の結びつき、つまりコード進行を知ることだが複雑になるので省略する。結論からいうとCとAmとEmはトニックで共通し、DmとFはドミネントで共通するからだそうだ。T、W、Xの相性でコード進行がきまるようだ。ちなみに、この数字は根音からの度数である。