47 練習曲を初期フォークに変え

ギターに挑戦


 最近の練習曲は古いフォークが多い。「友よ」、「この広い野原いっぱい」、「遠い世界に」、「旅の宿」、「我が良き友よ」、「四季の歌」そして「心の旅」である。いずれも60年代後半から70年代前半に流行った唄だ。歌詞が短くて7やsus4などつかないシンプルなコードだから覚えやすい。

 最初は、むかし気に入っていたイルカや風の曲ばかり弾いていたが作曲した伊勢正三は凝り性だからけっこう複雑なコードも多くてとまどった。それでも、「なごり雪」、「海岸通」、「あの唄はもう唄わないのですか」、「北国列車」、「ささやかなこの人生」、「はずれくじ」は毎日弾いている。これに「雨の物語」と「男は明日はくためだけの靴を磨く」が弾ければ十分だ。

 いずれにしても子どもたちは知らない曲ばかりだ。森山直太郎の母親が唄っていたことも知らなかったようである。初期のフォークは単純だけど唄いやすいのが気に入っている。

 気に入っていた伊勢正三や小田和正の作品はキーが高くて声がでないのもシャクである。

 リズムやアクセントは唄いながら身につけたほうが良いような気がする。そのためには自分の声が出る曲を選んだほうが気楽である。古本屋で探してきた「フォークギター入門」も役にたった。なじみがあるものから始めて指を慣らし、レパートリーを増やしていくつもりである。 (2007/03/10)




       【アコースティックサウンドへのこだわり】

 フォークやロックに親しんできたから曲やバンドに好き嫌いはあっても拒絶反応 はない。カントリー音楽だって抵抗はない。でも、エレキサウンドを嫌う人も多い。日本のフォークファンにもそういう時期があった。少し前にロックの解説本に目を通した。英米の流れの解説だからなじみが薄いものの、フォーク・ロックやブリティッシュ・ロックは若いころ聴いたから懐かしい。ボブ=ディランが英国から戻ってエレキギターを奏でたときの米国ファンはブービングで応えたようだ。ディランは悔し泣きしてステージから降りたという。

 昨日は伊勢正三と太田裕美がテレビに登場した。夫婦で話題が合う歌手だからブログを忘れて画面を眺めた。でも、30年前の唄だから唄い手も往時の声量はない。唯一の収穫は、センチメンタル・シティ・ロマンスという往年のロック・バンドと正やんが『海風』を演奏したことだ。この曲はエレキギター、アコースティックギター、エレキベースの協奏で独特のビートを醸し出す。私は昔から好きだが、これで風はファンを失ったようだ。かぐや姫から続いた正やんのファンにはエレキサウンドがなじめなかったのだろう。

 似たことはエレキサウンドを取り入れたオフコースやふきのとうにもあった。アコースティックファンにはエレキはこけ脅しやノイズと響いたに違いない。音楽は好みが反映するから拒絶反応も強いのだろう。スタイルを変えることは唄い手にしてもひとつの冒険だろう。器用に変化すれば古いファンが去り、留まればマンネリで飽きられる。そういう矛盾をはらむからだ。いろいろなスタイルが次々に生まれてきてもファンを無視できないのも辛いところである。(2005/10/07)