46 いじりまわして遊んでいたら

ギターに挑戦

  いつものようにギターをいじっていると昨日は息子が何と思ったのか「意外と長続きしてるね、お父さん」と言い出した。おだて上手な娘とちがってお世辞を言うヤツではない。親父が何かおもしろそうなイタズラをしていると勘ぐっているようだ。わたしの後ろで見ているうちにパソコン操作に慣れたヤツだからそのうち楽器いじりを始めるのかもしれない。

 ギターの練習曲が12曲に増えた。リズムの刻み方を変えて見慣れないコードに尻込みしていた唄が簡単に弾けることに気づいた。まあ、これも慣れだろう。これと反対に今まで何気なく弾いていた曲がやけにむずかしく感じるときもある。知らないうちに別の曲を弾いて慌てる。

 たとえば、『海岸通』や『お前だけが』を弾いているのに『なごり雪』に移っている。同じ作曲者だからコードの進行が似通っているからだろう。譜面を見ていれば間違えないが、何も見ないで弾くとこんなヘマもでる。Em→Am→D7→G7C→E7→Am→Fなどが混乱しやすい。DmのところをAmにするときもある。弾きやすいほうに手が動くのも困ったものだ。

 同じ作曲者だけではマンネリになるから違う人の曲も弾いてもコード進行が似たようなものが多い。簡単なものばかり選んでいるから混乱に輪をかける。それがまたおもしろくてあれこれ弾いている。やらなくてよいパソコンの設定いじりに似た楽しさがギターにもある。 (2007/03/06)


               【おとなの学習法】

 根気が欠け、浮気心が多かった20代は手先や身体を使って「練習する」のが最も苦手であった。理屈で考えたり、暗記で済ませるものは苦ではなかったのと対照的である。その間に数学や物理も混ざっていたけど、子どもが生まれた30歳過ぎに無線を始めてから興味が増したのも不思議である。

 40歳を過ぎると先も見えてくるから仕事や異性に無駄なアガキをしなくなった。そのぶん浮気心が消えてひとつのことを多面的に学ぶのが面白くなった。理屈で考えたり、歴史とかかわらせて具体的にとらえ、他の趣味との共通性で覚えたり、子どもに教える中で身につけたことも多い。誰に褒められるわけでもないが意外なところで無用な知識が活用できるのも楽しい。パソコンだって、クルマを修理したりアンテナを改造してきたから操作法だけでなくシステムも見えてきた面がある。

 おとなの学習は無駄を承知で行ない、成果を期待しないところにあるのではないか。金も時間もかけたゴルフが身につかなかったのは成績に固執したからだろう。また、良いかっこうをしようという邪念も薄まるからだろう。だから、最近の能力トレーニングはこの反対の動きのようでわたしにはなじめない。見栄や浮気心がなくなるはずもないがおとなの学習は脂ぎったものから淡白に接するとき身につくような気がする。(2007/01/15)