34 サムピックをはめてギターを弾く
ギターに挑戦
ピックを使って弾くのがうまくいかない。親指と人さし指で握り、右手を振っているうちダウンストロークとアップストロークがこんがらかる。だから、親指や人差し指を使ってつまびくと音がこもる。そこで思いついたのが親指ピック(サムピック)である。
今日は今年始めて首都高速を走行した。電車やバスで出歩くようになったことに加えて週末は寝込んでいたからだ。池袋に寄り道して楽器店に出向いた。フラットピックは100円程度だからとタカをくっていたら2,000円もするものもあって冷汗をかいた。むろん安価なものにとどめた。
サムピックは単音演奏をするとき使うものでコード(和音)の演奏には使わないようだ。それを承知で使うのも音のメリハリをつけたい一心である。付けて弾くと確かにカン高い響きがし、夜の練習には近所迷惑である。
ピックを付けて弾くとリズムがとりにくい。ヒジより手先で小細工をするからだろう。でも、音が大きいから押さえ方が甘いと不協和音が出て、ボロが隠せない怖さがある。だから、練習になるのだろう。慣れるまで家族の非難を覚悟するしかない。(2007/02/04)
【ハダシと読めなくて悩んだ】
口にするのを何となく気がひるむのが「裸」という漢字だ。見た目にも重苦しい感じがする。ネに点(「しめす」偏でなく「ころも」偏です)と果の組み合わせに違和感が伴う。スッピンやヌードと言い替えるとかえって猥褻(わいせつ)に響く。「はだか」と書いたほうが「まろやか」な気がする。裸で生まれてくる人間がそれを恥ずかしがるのも変である。
「ラ」という響きは短調の暗さが伴うのだろうか。視力検査では「裸眼」と言って当たり前なのに、着替えや入浴で脱ぐときに「裸体」と言えば変態扱いされるのも変である。印象派の画家が描く「裸婦」像は健康的なのに口にすれば変わり者扱いされる。
若い人は知らないだろうが、アイドル歌手だった松田聖子のデビュー曲が「裸足の季節」なのを覚えているだろうか。わたしは「青い珊瑚礁」だと思っていた。これは速水健朗さんの『タイアップの歌謡史』(新書Y、洋泉社、2007年)で知った。ちなみに、先にあげた松田聖子の2曲は化粧品のキャンペーンソングに使われている。でも、「裸足」を「らそく」と読むと何となく違和感があるので調べると「はだし」と読むことに気づいた。
「はだか」と「はだし」は同じ「ハ」から始まるが、裸という漢字が出てくると「ラ」と結びつけるのもボキャブラリーや教養の不足だろう。これは「つきぎめ」を「月極」と書かれて戸惑ったのを思い出す。このあたりは月極さんが大地主かと思い込んで大恥をかいた。漢字で書かれたばかりにとんだ夢想に振り回されるのは邪念(じゃねん)や煩悩(ぼんのう)が絡むからだろうか。修行不足を身につまされた。「裸」という漢字には今もハラハラ、ドキドキさせられる。(2007/02/02)