25 転調と移調はちがうんだね

ギターに挑戦


 ギターの小道具にカポタスト(カポ)がある。知っている和音(コード)で弾いたり、歌う声の高さ(キー)を調整するために使う便利な小物だ。別のものに変換するから、長い間わたしは「転調」と思い込んでいた。でも、ギターの教則や楽譜の読み方を読むと「移調」というようだ。

 ちなみに、「転調」というのは曲の途中で他の調に移ることで、「移調」は曲全体を他の調に移すことだという。音楽辞典や国語辞典は同じ定義が出ている。カポは曲全体を変えるのだから移調になる。だが、解説書には「転調」という表現が使われることもある。たとえば『カポタストコードブック』(中央アート出版社)などは転調を使っている。

 定義は分かったが「移調」は響きがどうもしっくりこない言葉である。胃腸が弱いから気になるのだろうか。無線で「変調」という言葉に慣れてきたからいっそう頭が混乱するのも癪である。まあ、無知(むち)を無恥と書く親父のザレゴトだからしかたないか。(2007/01/10)

【追記】

 このコーナーでは手抜きをして楽器を身につけるというスタンスで書き続けています。言葉の違いに戸惑わず先に進むしかない面が音楽につきまといます。転調を身につけると苦手なコードは回避できるし、それは音楽のしくみで可能ということも知っておくしかありません。代理コードなどのしくみは後述します。