12 なじみの曲から始めるか

ギターに挑戦


 きりばやしひろきさんの『大人のための3日間楽器演奏入門』(講談社+α新書、2005年)には参考になることがあふれている。ちなみに彼の『楽器挫折者救済合宿 ギタージャカジャカ』につられてギターに手を出した(ただし、この本で扱う曲はロックが多く、フォーク中心のわたしになじまないのでマネをやめた)。手が小さい、体力がない、楽譜が読めないといって「挫折した理由を自分自身の考えで特定してしまうタイプこそが挫折しやすい」(p16)というのにうなずき、大切なのはやりとげる「モチベーション」だというのも同感する。

 また、楽器挫折者を生む主要原因を「基礎練習のつまらなさ」、「初心者が自ら安易に挫折原因を特定すること」、「いつでもできるからいつまでもやらない」の3つとする。そこで合宿という期限をきった環境においてとりあえず演奏をしてみる方法が出てくるのだろう。そこにアドバイザーとしての売り込みもちゃっかり入るわけだが、恥をさらす勇気もないからそういうものになじまないわたしもいる。

 というわけで、モチベーションを維持するためになじみの曲を1つマスターして自信をつけることにした。最終的にはポール・サイモンの『4月になれば彼女は April Come She Will』である(この曲は映ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』に挿入されている)。当面は『なごり雪』と『お前だけが』にした。いずれも独身時代にたびたび口ずさみ、今でも欠かさず歌う曲である。これなら結婚前に何度かテープを聴かせたから妻も我慢してくれるだろう。

 なにはともあれ『なごり雪』に手を出したがBm、B7おまけにAm7/Dの分数コードまで出てきてお手上げである。また、『お前だけが』も面倒なFやD7が出てくる。といって単調なコード(和音)を弾くのもむなしい。我慢して続けるしかないだろう。(2006/12/31)