67 女房の楽器アレルギーが薄れた
ギターに挑戦
夫婦で楽器店へ出向くようになったら女房に免疫がついて店内をあれこれ物色する。「フルートって1万円で買えるの」と言い出す始末である。買って放置してある電子キーボードやMlDlと同じ値段だからだろう。わたし以上にものぐさで、テレビの録画のほかは手を出さない女房にしては珍しい発言だ。昨夜は、来月にみなとみらいの展示場で行なわれる楽器フェァーの内容をあれこれ言い出すから呆れた。
わたしも女房も音楽を聴くのが好きだ。そのためにドライブすることもあって、去年は3枚組のCDを聴いているうちに福島県まで走り続けた。我ケ家にはiPodやCDなどのコンパクトなプレーヤーはある。でも、そういう耳を圧迫する機器になじめない夫婦だからクルマの中で音楽を聴くことが多い。若い頃は互いに自分のステレオを持っていたからだろう。イヤホーンでなくへツドホーンで音楽を聴くのも似ている。
そういえば先日の飲み会で若い頃のオーディオ機器の自慢で盛り上った。給料をもらって初めて買ったのがシステムコンポーネント(シスコン)というのも似ている。パイオニア、サンスイ、アカイフナイといった音響メーカーに始まり、スピーカーはダイア卜ーンだボーズだと言い争い、レコード針の落し方まで身振り手振りを交えて語り合うのもおもしろかった。各人のコツも加わってそんなこともやったのかと互いが感心する始末である。音を聴くというより機械いじりに凝ったのもおかしかった。それはわたしの息子も同様で音楽の録音だけでなく撮った写真をパソコンで加工する。ものぐさな娘や女房は息子をおだててDVDを作らせたり、CDをダビングさせてちゃかり楽しむ。どうでも良いことに凝るのは男の習性だろうか。
ともあれ女房が楽器アレルギーを持たなくなったのは心強い。自分で楽器をいじることは期待できないが邪魔物扱いされないだけマシである。ギターを買ったときは狂人扱いし、電子キーボードを粗大ゴミと言い放ち、練習をすれば騒音公害だとか近所迷惑と並べられた。それに耐えて続けたことと楽器店へ連れていった成果であろう。ー緒に楽器をやろうと押しつけなかったのも良ったのかもしれない。ハンディレコーダーを利用して人様に聴いていただけるように努めるしかないだろう。(2007/lO/23)