箱根の日帰り温泉あれこれ
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環境省の国民保養温泉地一覧を指定年別に並べたら、有名な温泉地が掲載されていないのに驚いた。箱根や伊豆の温泉地、たとえば熱海・伊東・湯河原・修善寺などは見当たらない。歌にもなった登別・草津・紀州白浜そして別府も出ていない。これも地域振興策のひとつと思えばブランドのある温泉地はあえて指定される必要はないのだろう。有名すぎてまとめようもないが、昔出向いた箱根の日帰り温泉を記録しておきたい。
●無線の行き来に日帰り温泉
箱根は職場の慰安会で昔から出向いてきた。新宿から小田急のロマンスカーを使ったりJRの小田原から登山鉄道に乗り換えて芦ノ湖めぐりやゴルフをし、夜は温泉旅館で宴というパターンが多かった。初めて訪れる人には施設が整った観光地に映るだろう。でも、実家から近いわたしには熱海や伊東と同様にそれほどの印象が欠ける(コンパニオンや芸者が同郷というのも白けるもとだ)。強羅でスケートをするために曲がりくねった道路を走るバスに酔ったことや大涌谷の硫黄臭にうんざりしたことなどマイナス面しか思い出さない。紫陽花やギョウザをめざしても入浴のために旅館に泊まる気がしないのである。横浜からクルマなら片道1時間半で出向けるからだろうか。それだから無線交信のために毎月家族を連れて出向けた。日帰り温泉めぐりももそこから派生したに過ぎない。それが家族の楽しみに変わったのも不思議である。
●芦ノ湖周辺の湯
無線交信は箱根ターンパイクの大観山が最も多い。次は大涌谷である。いずれも関東地方との交信がしやすい場所だった。静岡方面の夜景を眺めたり交信するには箱根スカイラインや芦ノ湖スカイラインに出向いた。いずれも芦ノ湖を取り巻く山々である。でも、わたしが無線で出向いた頃は旅館の中に温泉があったから入浴の記憶はない。箱根ロープウエイのある早雲山の大涌谷は小学生の頃に出向き、卵が腐ったような硫黄の臭さにヘキヘキしてきた。最近は日帰り温泉もできているが無線をする気もないのでめったに近寄らない。駒ケ岳ロープウエイも廃業し、寂れているが若い頃からドライブし、家族を連れて芦ノ湖めぐりの遊覧船に乗ってきたわたしには懐かしい場所である。
●箱根湯本の湯
行きはターンパイク、帰りは箱根新道というパターンだったから箱根湯本の日帰り温泉は手ごろであった。湯本にある日帰り温泉は地の利もあっていつも混雑していた。駅前の「かっぱ天国」や女性に人気の「湯蔵」は特にそうだ。かっぱ天国は庶民的で食事にも何度か使った。隣りのベニゴア園にはゴルフのパターコースもあって子どもとあそぶに向いていた。旧道には観光バスも入るほど人気の「天山」があってホタル見物もできたが客が多くて落ち着かなかった。昔から有名な「弘法の湯」も駐車場が狭くて敬遠した。落ち着いて入浴できたのは旅館から日帰り温泉に転業した「早雲足洗の湯 和泉」である。駅から離れた橋の袂にあるからだろうか。
●強羅付近の湯
風呂は裸で入るものというこだわりで小湧園ユネッサンスは水着着用だから出向かない(はだかゾーンもあるけれど高いから敬遠している)。その手前にある強羅(ごうら)にはギョウザセンターがあったがどうなっただろう。住民向けの銭湯「亀の湯」もあって入ったが熱いのは閉口した。国道から離れた場所だがゆっくり過ごすのに向いた場所である。宮下にある「太閤湯」は地元の共同湯だが天然温泉である。強羅から芦ノ湖側の姥子(うばこ)にかけて温泉が多いが省略する。
●宮城野の湯
湯本から御殿場に抜ける国道139号線、通称「姫街道」には古くからの温泉が多い。昭和58年できた「勘太郎の湯」と昭和59年にできた「宮城野温泉会館」はいずれも日帰り温泉だ。勘太郎の湯はその後改装したが、温泉会館は昔のままである。箱根湯本の温泉がケバケバしいのに妙にひなびていて妻のお気に入りだった。この道は昼は渋滞したが夜はやけに薄暗く、おまけにカーブがきついから妻には向かいない道である。
●仙石原の湯
強羅から姥子(うばこ)を抜けたり、139号線を使って仙石原を何度か通過している。箱根湿性園もあるが温泉旅館も多い。美術館や保養所もあって日帰り温泉という雰囲気は欠けるが入浴可能な温泉もある。ここは御殿場から入った方が早いが箱根の植生を楽しんだり入浴を楽しむには欠かせないだろう。店の名を忘れてしまって紹介できないのが残念だ。ゴルフの練習場もあるのが懐かしい。
追記;もっと詳しい解説を望む方に
箱根についての案内は山口由美さんの『箱根人の箱根案内』(OH文庫040、新潮社、2000年)をおすすめします。くだけた語り口で箱根についてあれこれ解説されています。【2007/06/29】
補記:この記事は記憶誤りあるので2007/07/01に箱根に出向いて確かめてきました。出向いた場所「箱根の温泉を確かめに行く」もあわせてお読みください。