同じ天然でも感触が違う

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 天然をうたう横浜のスーパー銭湯と温泉場の風呂とはどこか肌の感触が異なる。湯の処理プロセスが関わっているのだろうか。これは「温泉の雑学」でもふれたが温泉に含まれる成分や温度によって差が生じる。思いつくのは次の三つの仮説である。ここでは超音波処理とか蒸し風呂を除いた普通の湯を比べたい。

●平地と火山では成分が異なるのか

 横浜の天然温泉はクセがない。臭いはそれほど強くないし、肌を刺激することもない。ベタベタやネチネチだけでなくサラサラやスベスベという感触もなく真水に近い。先日は天然温泉に変わったスーパー銭湯に出向いたが以前とそれほど変わらないのに驚いた。平地であっても羽生の天然温泉は火山に近い肌さわりが残った。これは地質とも関わるから横浜だけをとらえて語ることではないかもしれない。

●源泉の温度の違いか

 日本の源泉は42度以上が半分以上を占めることは『風呂嫌い』の5ー2ー2でふれた。これは世界的にも高温のようである。ところが、横浜市内の源泉は9割が25度未満で逆転していることも4ー3でふれた。市内の温泉の浴槽は38〜42度が多いから加熱しているのだろう。その処理で温泉に含まれる成分が消えるのだろうか。

●温泉の利用目的の違いか

 横浜のスーパー銭湯は治療との関わりが少ない。憩いや安らぎという娯楽性を強調した広告が目立つ。飲食施設だけでなく美容や健康のサービスも組み入れている。それだけでなく浴槽を多様に変化させ汚れを落すための入浴と異なる世界を提供している。そのためにはクセの強い湯は不向きなのだろうか。営業政策がかみあって中立的な湯にしているのかもしれない。

        【2007/05/16】