絵画に見る風呂
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浮世絵には水浴や風呂あがりの女性がけっこう描かれている。髪の乱れを直すしぐさや団扇で扇ぐ姿が色っぽい。それは入浴場面の描写より壮快さがある。浮世絵は女性のうなじ(後ろ髪と首の境目)が色っぽく描かれている。湯あがりとは限らないが、風呂から出てきた女性の姿にはそんなほのかな色気がただよう。気になって辻惟雄さんの『日本美術の歴史』(東京大学出版会、2005年)や瀬木慎一さんの『日本美術読みとき事典』(里文出版、平成14年)を調べたが浮世絵にはそれほどページを割いていない。【下の画像は切手で見る浮世絵・東京国立美術館 浮世絵からコピーしました。】
喜多川歌麿:ビードロを吹く娘 菱川師宣:見返り美人
これが西洋絵画になると女性の姿がやけに丸みを帯びるのも浮世絵と異なる。ゴーギャンが描くタヒチの肉付きのいい女性はそれを否定している。こちらは視覚デザイン研究所編の『巨匠に教わる絵画の見かた』(1996年)を眺めた。温泉に入浴する場面は見当たらず浜辺や公園で日光浴や水浴する場面が多い。西洋絵画は正面を向いた裸体が多いけれど、後向きの女性がやけに色っぽく映る。浮世絵と同様にうなじが曲線的に美しく描かれている。もっとも、ピカソの作品は水浴なのかも不明で、よくわからない絵柄である。
せっかく調べたから画家と作品名をあげておこう。何かの機会があったら見ておくのもいいだろう。かっこ内は生没期間である。【下の画像はウィキペディアからコピーしました。ないものは記載した本を見てください】
■ブーシェ(1703ー1770) ディアナの水浴
コピー不可
■アングル(1780ー1867) トルコ風呂
■ドガ(1834ー1917) 髪をくしけずる女
掲載なし
■マネ(1832ー1883) 草上の昼食
■ルノアール(1841ー1919) 大水浴図:
掲載なし
■ピカソ(1881ー1973) アヴィニョンの娘たち:
掲載なし
絵画についてこむずかしい解説をする気はない。ルノアールの描く女性画にひかれる程度だから知識も不足する。ドガやルノアールは19世紀の画家だと思い込んでいたら20世紀まで生きていたのには驚いた。その程度の知識しかない者があれこれ口出しするのはやめておこう。