2ー2 新穂高温泉とロープウエイ

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 わたしには、高天ヶ原から新穂高温泉への長い道のりは女性に対する恨みつらみが残る下山路である。鮎や鯉が愛や恋に聞こえた時期も遠い昔のことだ。それにしても近所に熊牧場があるのも皮肉だ。でも、西穂高岳に至るロープウエイにひかれて家族と何度も出向いた。そのたびに雨が降るのもシャクである。

 新穂高温泉へは国道158号で安房トンネルを抜け、平湯温泉から向かう。岐阜県と富山県を結ぶ国道471号を栃尾温泉で右折して山道に入る。途中には無料の足湯や日帰り温泉もある。すれちがい困難な山道は出向くたびに拡幅されている。なお、栃尾温泉には温泉付きのオートキャンプ場もある。

 ロープウエイに乗っても妻子は山に登ろうとは言わない。それは清里や蓼科でリフトやロープウエイで頂上駅に着いても「ここで待っているわ」と言うのと同じだ。
「上高地へ行けるんだよ」と誘っても、
「ここから歩くの」
「疲れるよ」
「また戻ってくるんでしょ」と素っ気ない返事が戻る。
乗鞍岳に登り遠見尾根を歩かされた辛さを思い出すからだろうか。

 ともあれ、新穂高ロープウエイの乗り換え駅には天然の日帰り温泉がある。まわりの山々や高山植物を眺める散策の後にゆったり温泉につかるのも楽しい。やや熱いもののくせもなく、入浴後もさっぱりしている。山を歩けなくても植物や樹林の中をのんびり散策するのもいい。

【追記】

 記事の中に2つの旅行記をリンクしていますが、山歩きや北アルプスについては、 @山歩き、A北アルプス全体、B上高地、C白馬、D八ヶ岳の写真サイトがあります。ヒマがある方は眺めてください。