女房は温泉評論家

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 最近の日帰り温泉は洗い場が個室化している。そこが昔と違うところである。これも内湯で育った客の心理を反映したものだろう。いずれは入浴も水着着用になるのかもしれない。これなら混浴も違和感がないだろうし男湯と女湯に分ける必要もない。また、銭湯では下半身を隠して出入りしたが、水着ならそれも気にしないで済む。それにしても下半身を洗わぬ者と一緒に私は入浴する気にならない。

 銭湯で育ったわたしと違って家族は内風呂で育っている。だから他人が入る風呂というのは違和感があると思ったが意外にすんなりとけ込んでいる。わたしのような感じ方をしないのには驚かされた。キレイにうつれば抵抗がないのだろう。


                 
女房は温泉評論家

 女湯に入れないから市内の銭湯に連れ歩くだけなのに、妻は出向く前から浮き浮きしている。店のカタログと突き合わせて入浴するわたしと違い、自らの感触でこと細かに語るのがおかしい。妻のチェック項目を紹介しよう。

●駐車場

 店に着くまでは地図を見ようとしない妻が言い出すのは駐車場の広さだ。運転しないくせに、出入りしやすいとか止めやすいと言うのも不思議だ。湯冷めを気にするわけでなく、店に入るまでの待ち時間と歩く距離を省きたいだけだろう。

●洗い場の広さ

 浴室の広さより洗い場のゆとりにあれこれ注文が多い。一度座ったらなかなか動かない人が多いようで待ち時間が長いようだ。洗う部分が多くて、肌の手入れも念入りに行なうからだろう。トイレの混雑でサービスエリアで列ができるのを思わず思い出した。

●浴槽の種類

 浴槽の広さより設置してある湯舟の数にこだわる。洗い場と同様にバリヤー(隔壁)を好むのだろうか。広々とした浴槽でゆったり入浴という考えはないようだ。結婚衣装も花嫁用は多様多彩だったが花婿用はほんの数パターンだったのを思い出した。

●皮膚感覚/すべすべ、しっとり

 泉質や温度よりも肌で感じる表現が多い。すべすべ、ぬるぬる、さっぱり、すっきりなどがポンポン飛び出す。さすがにコクだキレだなどとは言い出さない。ぬるいと熱いしか気にしないわたしとは感じ方に違いが多い。

●待合所のスペース

 風呂にこもる時間が長いから鼻先に汗をかいて出てくる。そこまで入浴しなくてもいいだろうに。だから、湯上がり後のくつろぎ空間にこだわるようだ。さっさと帰ればいいのに汗が引けるまで待たされるのもイライラさせられる。【2007/05/14追加】