絵の本をまとめて買い込む
2007年01月05日
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絵画の本は高いから買う気が起こらない。美術史の本でさえ3,000円前後する。売れないから高いのだろうか。安いというだけでTASCHEN社が発行している『M・C・エッシャー』1,500円と『クリムト』1,200円を買ってきた。もちろん日本語で書かれているから見るのも読むのも支障がない。
昨年の11月に赤瀬川原平と山下裕二さんの対談集『日本美術応援団』(ちくま文庫、2004年)を読んだ。高橋由一の「鮭」が何種類かあることや青木繁の「海の幸」に描き込まれた女性が中島みゆきと似ているのに驚いた。お二人の解説を笑いながら読んだが、水墨画や襖絵には興味や関心が欠けるせいか細かい解説はさっぱりわからなかった。日本では美術は人の目に触れないように扱われるからというお二人の意見は出版物の高さに反映するのだろうか。
ところで、日本の文様とエッシャー(1898ー1972年、オランダ人)の絵柄が似ているようで違っているのに驚いている。同じようにシンプルでも日本の文様はやけに細かいが、エッシャーには大胆な抽象化がある。これも細かいことはわからない。ただそう感じるだけである。今回買ったエッシャーの本を眺めてそう感じる。
クリムト(1862ー1918年、オーストリア人)は初めて見る絵が多い。女性の裸体が写実的かつ幻想的に描かれる。一瞬春画と期待したが日本の浮世絵とは異なる。ワイルドの『サロメ』の挿絵と似ているが少し違う。こちらは裸体にひかれて買ったもののモデルが好みではないせいか印象が今ひとつである。
それにしても日本は美術館の入場料だけでなく、作品集が何でこんなに高いのだろう。売れないからだけではないような気がする。安いからと思いつきで買い込むわたしもバカである。でも、絵は見なければ親しみもわかないし、感じないのである。