+天と地から降る幾千の花+



自分に相応しくないもの。
それは真実の、アイ。


ココに咲く美しい花々に、甘く囁きかけては。
束の間の夢を見せる、それがわたくしの道楽。

花の顔(かんばせ)が紅に染まり。
熱を持った瞳の端に口付ける…

今までも、そしてこれからも。
私が心の底から人を愛することはないでしょう。

それでも、貴女は傍にいたいと言うんですね。

これほど真っ直ぐ愛されるとは思いもせず。
気付いたら、深みに嵌っていた、と。
吐息が零れる。


貴方に出会って。貴方に恋して。
大事にされた。
私を”妻”だと仰ったのは、貴方だけです。

どうして、こんなに優しくしてくれるのか。
私には判らない。
”気紛れ”なんて言葉じゃ、とても表せない。

そのこと全てが偽りだと言うならば。
私の存在こそがイツワリなのに。

だから、この身が消えたのは。
貴方に対する、償いかもしれない。

もし、私に出会わずに、その時間をやり直せるのなら。
貴方はもっと幸せだったかもしれない。
こんな私に振り回されることもなく。
刻を無駄にすることなく。
もしかして他の人と幸せな恋を紡いでいたかもしれない。
だから、それだけの時間を貴方に。
私がいない世界を。
もう一度、あげたかった。

そして、裏腹な願いがあるのも、本当で。

私の名を呼んで欲しい。
私のいる世界を………許して欲しい。
またその腕に抱いて欲しい、と。



シンジツはとても曖昧なもの。
多くの想いが交差して。
ココにいることも、誰かが見た幻の欠片のようで。
本当は、自分など最初からどこにもいないようで。

ただ”イトシイ”という言霊が反響しただけの……。





幻夢(ユメ)…?












Mako's様より、素敵なイラストをお借りしました。
本当にありがとうございます。