注意!

・ブログで書いた極短編ばかりで、落ちがありません。
・ほぼ全部、ベリアル様←エルスです。時々、違うのもあります。
・人物像が崩れたら申し訳ありません…。
・若干、お砂糖が多目です。



+ 好き+


いつの間にか、隣にいた人から寝息が聞こえていて。
少し長めの柔らかな前髪を梳きながら、こんな所が好きだなぁ、なんて思う。


(貴方は少し困るかもしれないけれど。)


体に回された腕に。
さっきまで、甘く愛を囁いていた唇に。
優しく指を這わす。


かなり無防備な寝顔、は……見られるのが嫌いだって言ってた筈。


(いつも演じている完璧な貴方も、嫌いじゃないですけどね。)


この首に、冷たく白い指を巻きつけた時でさえ。
その残酷な瞳に、惹かれてしまったけれど。


ちょっとだけ隙を見せた貴方が、とても……





「好き。」






●そして、本当は起きてたりするの推奨。









+多分+


「多分、愛しています」
そんな風に言った。


「多分?」

「どうして、多分なんです?」


「”絶対”は嘘だから」

「絶対なんて、ありえない。」


「でも」

「”絶対ない”もない」






●だからナンダ。









+ いつか+


いつか、私より相応しい人が現れる。
いつか……。

そう言い合っていた私たちは。
傍から見たら、滑稽に映っただろうか。


――自分の気持ちに精一杯だったけれど。
もしかして、貴方も不安だったのですか?


私を幸せにする自信がないと笑った貴方が。
不思議だった私は、きっと子供だった。
何度伝えても、言葉は空回りするばかりで。


本当は。
私のことなんか、少しも好きではなかったのに。
私のために、演技していてくれたのではないかと。

…そう、思ってしまった。









+ …と呼べるまで+


その国で、過ごした日々は。
奇跡のように、全てを与えてくれた。

家族。
友人。
恋人。

それは、甘く切なく、幸せな時間。
でも、どこか私には相応しくないような気がして。
いつも、どこか逃げていて。


こいびと…。


彼は、私をそう言ったけれど。
私は、結局呼べなかった。
私の中で、いつも私は片思いで。
誰かに聞かれても、そうとしか答えられずに。

…ベリアルさま……。

恋人同士だと、言えたらどんなに良かっただろう。
彼を自分のものだと思えたら。
彼がそう言ってくれたように。


だけど。

家族も。
友人も。
恋人も。

私には相応しくなくて。

皆を大切に思っていたのは確かなのに。
それすら、申し訳なく、思ってしまったら。
心はどこに行くの?









+寝言+


「べりあるさまはっ!」

「……?」


「べりあるさまは、わたしのこと、
   すきなんですかっ!!」



「………」



「…すぅ〜」



こんな、寝言。





●究極に、子供っぽいえるす。
ヤキモチも妬きそう。






+ KOTOBA+


ふいに、彼の正面に回りこんで立ち止まった。
小首を少し傾げるようにして、じっと彼を見つめる。

「言葉を下さいませんか?ベリアルさま」
「言葉を?」

彼は面白そうに笑う。
「わたくしは何度も差し上げたではありませんか。愛していると、何度も何度も。…その時は信じないで、これ以上欲しいとおっしゃるの?」
「ええ、今欲しいんです」

少女は、じーっとその僅かに紫がかった深い蒼の瞳で、彼の淡い淡い灰色の瞳を見上げた。

「だって、全部嘘だったって仰るから」
「嘘だと思うならば、囁いても意味は無いでしょう?」
彼女の優しくて…優し過ぎてちょっと困ってしまう恋人は、そう言って皮肉げな笑みを浮かべる。
「嘘でも本当でも、ベリアルさまの言葉だから、私には意味があるんですよ?」

一生懸命みーみー鳴いて訴える子猫のような少女に、やれやれ、と溜息を吐く。
耳元で一言だけ囁いてやると、少女はぱぁっと顔を輝かせる。
「私も…さま、大好きです。大好き」
抱きついてすりすり、と頬を寄せて、幸せそうに何度も繰り返す。その華奢な背を腕の中に閉じ込めて、聞えないほどの声で呟く。


「貴女はわたくしだけのもの。誰にも譲らない…」






●この言葉、好きだったりします。









+想い+


どうすれば、貴方に何かしてあげられるかな。
誰よりも大好きな貴方に、ほんの少しでも本当に笑っていて欲しいの。
私に、何が出来るかな。

私が居ない方が、貴方は幸せ?
それとも、一緒に居たいと思ってくれる?
私は何も出来ないかな?
判らないの。
でも、判るようになりたい。
貴方の気持ちを。貴方の、本当の幸せを。
言葉だけではなく。心で。









+声+


エルス。
エルス……―――――って。

あの方が呼んでくれる、不思議。


その声は掠れていたり。
甘く囁いたり。
時に苛立たしげだったり。
眠そうだったり。
途切れ途切れだったり。

でも、全て同じく私の胸にストン、と落ちて。
波紋のように広がっていく。

ああ、この方の生を見守っていたい。

近くても。
少しだけ離れてしまっても。
この方の傍で。

ずっと声を聞きたい――――……。






●名前というテーマ二作目。
(一作目は、別ジャンル)









+アイについて、思うこと+


白く、白く吐く息が、空に滲んでいる。
静かな道を、急ぐように歩いた。

私が、初めて貴方に出会ったのも、こんな月の綺麗な夜だった。
そして、別れを告げられたのも…。



――罪深い、私たち。

神に、見放された愛――




貴方が囁く言葉の全てを、涙が出るぐらい嬉しく感じ。
この恋が、偽りでもいい、とさえ思った。
偽りでも、この身の全てを捧げたいと。

だけど、別れを告げられて。

握り締めた拳。
消え行く私を見つめる、灰色の瞳。

…貴方は、嘘は付くけれど、こんな時まで演技できるような人じゃなかった。
何一つ、信じない私よりも、ずっと誠実で。

笑うことしか出来ない自分が、酷く厭になった。






●こんなタイトルの映画があった気が…。









+その箱庭には+


その箱庭には、綺麗な黒髪の少女が暮らしていた。

紫を帯びた夜の泉のように青い瞳を覗き込むと。
自分の心を見つめているような、不思議な気持ちがする。

昼間は、白い天蓋のある大きな寝台で深く眠り。
日が落ちると、庭に出て花を摘んでは、綺麗な声で歌を唄った。
おっとりと優しい笑みを浮かべて、口にするのは紅茶や果実の汁ばかり。
透き通るような白い肌からは、甘い香水らしき香りと、野草の花束のようないい匂いがした。

彼女を取り巻く噂は、奇妙なものばかり。
地獄に住む魔王の寵姫だとか。貢物だとか。
神に逆らった罪人だとか。
彼女に聞いてみても、黙って笑うだけで何も教えてくれない。
全てが真実で誤りなのだと、不思議な言葉を呟くだけ。