*2004年9月のワタクシ。*

 

 

9/3

やれやれ。
仕事が終わった。
毎回、絵を描くのがしんどくなる、気がする。
今回も、しんどかった。

慣れない場所(青年誌、と言うか実体はおっさん雑誌なんだが)での仕事、って事もあり、打ち合わせの勢いで主人公がツアーコンダクターなんぞになってしまったので、(団体客の)モブシーンは多いわ、いつもと違う背景(旅館に駅に観光地)、バスにタクシーに携帯電話、旅館の宴会では揃いの浴衣。あー疲れた。
ネームを作ってる時は、話をまとめるのに必死で(ここらへんがシロートよね、自分)、絵に入ってから「描けねーじゃん!」って気が付いたりして。
おまけに、7月の初めに挫いた足首が悪化してしまったため、整体マッサージに通い出したら、なんか揉み返しみたいになっちゃって、身体だるいだるい、初めての仕事の相手に「だるくて絵が描けません」とも言えず、言っても待ってはもらえないだろーけど、暑さはぶり返すし台風は来るし、夏バテが出たのかお腹の調子は悪くなるし、あーもおー終わったら3、4日なんにもしないで寝まくってやるー!と、思ったのに、2日目には一日出歩いてしまった。
思いきり眠れない、というのも、歳を感じるよなあ。

ところで、この新連載、タイトルが「幸せの境界線」て言うんだって!
だって、というのは、思い付かないので仮題、という事で、編集さんの出したのを使ってたら、私が作画で必死になってる間に時間切れになっていたらしく、いつの間にか決定になってしまっていたのよ。
ださくない!?
おじさん雑誌だから、こーゆーセンスで良いのかも知れず、本当のところ私には分からない。
どうなりますやら。

 

9/5

八景島シーパラダイスhttp://www.seaparadise.co.jp/に白イルカちゃんを見に行った。

シーパラは、実は実家から徒歩20分。
姉が下の息子を連れて来て、母と4人で出かけた。
上の子はもう中学生なので、「そんなんやってられっかよ」という態度で山田君ちへ行ってしまったそうだ(笑)。
下のは小6で受験生(ひえ〜)、こちらもそろそろお年頃?なのか、半年前に会った時よりおとなしくなっている。

シーパラは入場無料なので、時々ネームを持って散歩に行ったりしてるんだが、水族館に入るのは久しぶり、こちらは入場料2400円だからね。
今年イルカのための別館がオープンになったばかりで、まずそちらに行く。
建物は小振りだが、中は壁から天井までドーム状のガラス張りで、イルカ数頭(バンドウイルカとカマイルカ)と色鮮やかな熱帯魚が泳いでいる。
ドームを潜りぬけると、円筒状の水槽に3頭の白イルカ。
でかい。後で聞いたら、正式には「White whale」つまり鯨なんだそうで、大人になると体長4mを超えるんだって。
でも、ものすごく可愛い
全身真っ白でデコッパチな顔につぶらな黒い瞳。
なんかに似てると思ったら「キャスパー」に似てるかも。
館内には水槽内の集音マイクで、「ピヨピヨ」と鳴くイロイルカの声が流れる。「海のカナリア」というネーミングはどうかと思うけど、なるほど小鳥の声みたい。
あちらも退屈してるのか、人なつこくて、水槽のガラスに寄って来ては人の顔を覗き込む。
小さな子供を狙って近付いては、目の前で「カアーッ」と大口を開けて見せる。やられた子供は大興奮、狂喜乱舞すると、行きかけたと見せ掛けて振り返り、また「カーッ」と大サービス。
うちの甥っ子2号もやってもらったが、少し育ち過ぎだったのか、反応がイマイチ地味だったせいか、一度きりだった。羨ましい。

水族館には海獣(怪獣じゃないよ)ショーもある。
5分前に行ったら、会場はほぼ満席。大半は家族連れだが、小学生は案外少なく、幼児やバギーの赤ちゃんが物凄く多い。こんな大量の赤ん坊をまとめて見るのは初めてかも(笑)。でも、意外にいい席が空いていて(ちょっと詰めてもらったけど)、真正面の前の方で見る事ができた。
アシカの輪投げやセイウチのダンス、そして先程のイルカ達の華麗なジャンプに、白イルカも愛嬌を振りまいて、楽しいショーだった。
中でも圧巻はオキゴンドウ、つまり鯨なんだけど、トレーナー(2人とも若い美人)を背に乗せて猛スピードで泳ぎ、鼻先に乗せてジャンプ!いや、凄いのはお姉さん達の方か?7mは飛んでそう。
そして技が決まると、まるで犬が飼い主にするみたいにお姉さんに飛びついていく。か、可愛い…。こりゃたまりませんわ。

水族館内は、撮影自由らしく、みんな手に手に携帯電話を掲げてパシャパシャやっている。
甥っ子2号もママの携帯を取り上げて激写。
以前来た時は、カメラ付き普及前だったので、撮影できる事さえ気付かなかったんだが。
どーでもいいけどみんな、フラッシュはやめようよ、生き物相手なんだからさあ。
サメの赤ちゃんやら、発情期でお腹の出っぱった雄タツノオトシゴやら、面白いものがいっぱい。
クラゲとか家にいると、楽しそうだなあ。意外と手がかかるらしいけど。

 

仕事が終わってそろそろ半月になるので、また臨戦体制を整えなくては。
なんかダラダラすごしたわりに、身体の疲れが取れて無い感じ。

9/8
昔通っていたシナリオスクールで知り合ったAさんとランチ。
2年ぶりくらいかな?自由が丘で待ち合わせて、オシャレなエスニック屋で日替わり定食を食べた。
近くの中学で英語の先生を始めたと言う。
一度会った事のある、可愛い幼稚園児だった一人息子君は、もう高校生だとか。
サッカー部で、ママと一緒に石垣島にダイビングに行くそうだ。おお!
Aさんはこのバカ暑かった夏を、三軒茶屋から自由が丘の先まで自転車通勤で通したそうだ。
う〜ん、タフな。見習いたい、私は春に買った自転車を夏の間は封印してしまった、だってチャリ暑いんだもん。そろそろまた、乗りはじめよう。

9/10

家の近所でランチがてら次回作の打ち合わせ。
編集さんがいくつか持って来てくれた情報から、最近シーパラに行った事もあって、「横浜クルージング」に決定。近頃人気なんだそうだ。

できたばかりの本をもらって別れ、その足で一泳ぎして、そのまま夜の待ち合わせに向かう。

シナリオスクールづいてると言うか、同じスクールの講師をしていた先生の主催の集まりに、こちらも1年半ぶりくらい?に出席。
「ルノワール」の個室で、何となくシナリオ製作周辺の話をしるんだが、今回は私が発売前の新作を持って行ったので、見てもらう事ができた。
先生は「(人物の顔が)優しくなった」と言っていた。そうかな?
たまたまメンバーに、社内旅行の幹事役をずっとやっている、という女性がいて、色々話が聞けて良かった。3回目は社員旅行、いいかも。
良く分からない話も出た、TVは一瞬で人となりが見えてしまうから残酷だ、とか。
(北野)たけし映画の悪口とか。私は好きだがうまく説明できなかった。

たいした距離は歩いてないと思うんだけど、久しぶりに一日出歩いて、結構疲れた。
捻挫した足首が心配だったけど、そこ事体はそんなに痛まなかった、ただこの2ヶ月、どうしても歩く量が減っていたおかげで、疲れ易くなっているんだろう。
慌てず焦らず…と言い聞かせつつ、早く走り回れるようになりたいよー。

 

9/17

上野の西洋美術館に、「マティス展」を観に行った。
お勤めの友人Mさんに合わせて、夕方5時半に公園口で待ち合わせたら、私一人遅刻、すんません。
展示数も多く、かなり面白かった。
マティスって、日本ではイマイチ知名度低いけど、私は大好き。
油彩ばかりかと思っていたら、切り絵や、すごいたくさんのエスキース、ブロンズ像まで幅広い。
12月12日まで開催、オススメ。

で、お急ぎだったRy子さんは先に帰ってしまったが、残った3人(+R子さん)で食事して帰った。
上野はみんな不案内なので、テキトーに目に付いた中華料理屋に入ったら、そこのトイレのドアがすごい!と、書こうと思ってたらR子姐さんに掲示板で先越されました(苦笑)。
なにしろトイレの個室のドアが透明ガラスで、「え?」と思ったら、カギをかけるとガラスが一瞬ですりガラスに変化する。(でも実は私、カギかける前「マジックミラーかな?」なんてノンキな事考えてました)すごい、ハイテク中華屋だ!
このガラス、瞬間調光ガラス「ウム」と言うんだそーだ。

中華屋でトイレに驚いた後喫茶店に入り、お茶飲んで(R子さん…チョコパ食べますか…ナゼ太らん…)10時半頃解散。
家に帰ってから気付いた。
窓口で、Mさんが学制チケットを買っていて、今何してるの?学生さんやってるの?と、聞こうと思って忘れた。あんなに長い時間一緒にいたのに。
美術館では目の前の絵の事ばかり、中華屋では目の前の食べ物の事ばかり、そしてサ店では中華屋のハイテクトイレの話ばかりしていた気がする、ワタシたち。
その場が楽しかったっつーコトで(笑)。

 

9/20

敬老の日だから、という訳でもないんだが、母が祝日はお店を休むので、一緒に鎌倉へ花を見に行った。
今盛りは萩とヒガンバナ、芙蓉。
鎌倉駅からすぐの宝戒寺は、別名萩寺。
萩と言うとピンク(紫かな?)のイメージが強いが、ここは白いのが多く、清廉な印象。満開でした。
ヒガンバナも、あちこちにいっぱい、こちらも赤が多いけど、白や黄色もたくさん見かけた。
大量に生えていると、ちょっとシュール、だよね。
鶴岡八幡宮をまわり、蓮池のほとりでお弁当を食べて、小町通りへ。
鏑木清方記念美術館というのがあって、母が見たがるので(恥ずかしながら、私知りませんでした)入る。美人画で有名な日本画家だそうだ。
展示数は多くはないが、画家の晩年の住まいを改築した美術館で、雰囲気はあった。

小町通りの名物?「ぬれせんべい」を買って立ち食いする、しょっぱい。

朝は暗くて予報では雨だったのに、鎌倉駅に降り立ったあたりからカンカンに晴れてしまって、迂闊にも日傘を忘れた私は首の後ろが日焼けでヒリヒリになってしまった。
もう秋だってーのに、もおー。

 

9/27

仕事が佳境、とは言っても、なんか先月に引き続きエンジン掛かるのが遅くて、やっと下描きが終わったところ。
月末ってコトは、あと3日で締切り日。
まずいっす。

そんな中、金曜日には「ジャンヌ・ダルク」が放映され、平日昼間は「大奥」と「東京ラブストーリー」の再放送、日曜の「逃亡者」は最終回、と、TVばっかり見ている私。
来週の金曜ロードショーは「ダイハード」。
締切りも終わっている、はず。
ビール片手に「ダイハード」見ながら、打ち上げしましょう。

って、間に合うのか?
マジで。