「重力加速度」を「時空の伸縮」と関係付ける(2014/5/13)
ニュートン力学では、重力の正体は、物体の存在によって生じる重力加速度のことだと言っています。 一般相対性理論では、重力の正体は、物体の存在によって生じる時空の伸縮のことだと言っています。 そこで、「重力加速度」と「時空の伸縮」の間に、どのような関係があるのか調べてみます。 まず、地球の重力エネルギーを、ニュートン力学の方法と、一般相対性理論の方法で計算し、同じ結果が出るかどうかを調べます。 同じ結果が出た場合は、ここで使用した「一般相対性理論の計算方法」と「ニュートン力学の計算方法」とが対応していることを意味します。 つまり、同様の計算方法で「時空の伸縮」を計算すれば、「重力加速度」と「時空の伸縮」との関係式が求められるということです。 まず、地球をバラバラにして引き離すのに必要なエネルギーを計算します。 地球をバラバラにして上空2万キロメートルまで持ち上げるのに必要なエネルギーを計算するプログラム 計算しやすいように地球の密度を均一とします。 地球を600個ほどのブロックに分解すると、1個のブロックの重さは1×10^22キログラムになります。 計算では、ブロックを一個ずつ地表から2万キロメートル(地球の中心からは26400キロメートル)まで持ち上げます。 地球は削られていくので、徐々に小さくなっていきます。 最初のブロックを持ち上げる地点での重力加速度はお馴染みの9.8ですが、最後のブロックを持ち上げる地点での重力加速度はほとんど0になります。 Dim GA, HANKEI, OMOSA, KR, PAI, MITUDO As Double Dim m1, m2, w1, w2, r1, hb, x, g As Double Dim ct1 As Integer PAI = 3.14159 '円周率 GA = 6.674 * 10 ^ -11 '万有引力定数 KR = 20000000 'ブロックを持ち上げる地点と地表との距離(メートル) HANKEI = 6.378 * 10 ^ 6 '地球の半径(メートル) OMOSA = 5.974 * 10 ^ 24 '地球の質量(キログラム) MITUDO = OMOSA / ((4 / 3) * PAI * HANKEI ^ 3) '地球の平均密度 m1 = OMOSA m2 = 1 * 10 ^ 22 '移動させるブロック1個の重さ r1 = HANKEI w1 = 0 hb = 10000 '移動距離10000メートル間は、重力加速度は変化しないものとする w2 = 0 ct1 = 0 Do While (1) x = r1 '中心から地表の距離(徐々に短くなる) w1 = 0 Do While (1) g = (GA * m1) / x ^ 2 '重力加速度は変化するので更新する w1 = w1 + m2 * g * hb '位置エネルギー x = x + hb 'x は g を変化させる If x >= (HANKEI + KR) Then Exit Do Loop w2 = w2 + w1 'ブロックごとの位置エネルギーを合計する m1 = m1 - m2 '全体の質量から、1ブロックの質量が減っていく If m1 < 0 Then Exit Do '重さがなくなったら終了 r1 = 0.03515 * m1 ^ (1 / 3) '地球の質量は徐々に削られて小さくなるので、地球の質量から地球の半径を求める '係数0.03515は、質量から半径を求めるためのもの(球の質量と半径の関係から簡単に求められる) ct1 = ct1 + 1 Loop 結果 w2 = 1.79380655380909E+32(ジュール) 地球をバラバラにして上空2万キロメートルに持ち上げるのに必要なエネルギー 次に、一般相対性理論を使って、バラバラ散らばっている物体を集めて地球を作ると、どれだけ質量(エネルギー)が増加するかを計算します。 中心から半径2万6千キロメートルの球の表面に漂っているバラバラになった地球の破片を中心に集めると、どれだけ質量(エネルギー)が増加するかを調べるプログラム Dim GA, HANKEI, OMOSA, t1, c, g, KR, vs1, rs, rt As Double Dim v2, v3, w1, w2, w3, w4, w5, w6, w7, w8, w9, w10, w11, w13, r1, hb As Double Dim i As Long Dim PAI As Double Dim MITUDO As Double Dim mas As Double PAI = 3.14159 '円周率 GA = 6.674 * 10 ^ -11 '万有引力定数 KR = 20000000 '中心からは約2万6千キロメートル HANKEI = 6.378 * 10 ^ 6 '地球の半径(メートル) OMOSA = 5.974 * 10 ^ 24 '地球の質量(キログラム) c = 3 * 10 ^ 8 '光の速度(メートル/秒) MITUDO = OMOSA / ((4 / 3) * PAI * HANKEI ^ 3) '地球の平均密度 hb = 10000 '移動距離10000メートル間は、重力加速度は変化しないものとする rt = HANKEI w11 = 0 Do While (1) vs1 = 0 '初速は0 rs = HANKEI + KR '物体が漂っている地点と地球の中心との距離 '地表からさらに下に落下するときの地球の重さは、中心からその地点までの球の重さ '物体が地球の半径の内側に落下するまでは、rt は地球の半径になる mas = ((4 / 3) * PAI * rt ^ 3) * MITUDO '地球の質量 g = GA * (mas / rs ^ 2) '重力加速度(初期値) t1 = Sqr((2 * hb) / g) '距離 hb を落下する経過時間の初期値 Do While (1) '1個の物体の落下 g = GA * (mas / rs ^ 2) '重力加速度を求める vs1 = vs1 + g * t1 '現時点での速度 rs = rs - hb '分割された小区画を落下する t1 = hb / vs1 '落下距離は一定なので、速度から小区画を通過する時間を求める If rs <= rt Then Exit Do 'rs が rt の位置まで落下したら1個の小区画の速度測定は終了 Loop 'ここから等価原理を使って増加した質量を計算する w1 = vs1 ^ 2 / c ^ 2 'ローレンツ変換 w2 = 1 - w1 w3 = Sqr(w2) w4 = 1 / w3 w5 = w4 - 1 '質量が増加した割合 w6 = (4 / 3) * PAI * rs ^ 3 '落下地点の球の体積 w7 = (4 / 3) * PAI * (rs - hb) ^ 3 '落下地点から小区画下の球の体積 '質量が増加した割合を、幅 hb の球殻に当てはめる w8 = w6 - w7 '小区画落下した分の球殻の体積 w9 = w8 * MITUDO '小区画落下した分の球殻の質量 w10 = w9 * w5 '小区画落下した分の球殻の部分が、重力場のために増加した質量 w11 = w11 + w10 '増加分の質量を加算する rt = rt - hb If rt < 0 Then Exit Do Loop w13 = w11 * c ^ 2 '増加した質量をエネルギーに換算する。「質量=エネルギー」の公式 結果 w13 = 1.79132306704775E+32(ジュール) 中心から半径2万6千キロメートルの球の表面に漂っているバラバラになった地球の破片を中心に集めたために増加した質量(エネルギー) 2つのプログラムによる計算結果から、地球をバラバラにして上空に持ち上げるのに必要なエネルギーと、小さな物体を集めて地球を作った場合に増加した質量(エネルギー)は一致することが分かります。 このことは、重力加速度を扱うのに、この計算方法(一般相対性理論の計算)が有効ということを示しています。 うまくいったので、次に、一般相対性理論を使った同様な計算方法で、時空の伸縮を計算し、「時空の伸縮=係数×重力加速度」の関係を求めます。 一般相対性理論を使って、地球上の時空の伸縮を求め、「時空の伸縮=係数×重力加速度」の係数を求めます。 この関係が分かると、重力加速度から即座に時空の伸縮が求められます。 プログラムのコメントで使われる「ロケット」という意味は、よく特殊相対性理論の計算式を求める際に出てくる「列車」「トラック」「宇宙船」と同じものです。 Dim GA, hankei, omosa, px, t1, ta, tb, t3, c, p, g, u, v, r, w1 As Double Dim bunkatu, i As Long Dim keisuu As Double GA = 6.67 * 10 ^ -11 '万有引力定数 px = 100 '分割された小区画の長さ(メートル) u = 20000000 '基準位置と地表との距離(メートル) hankei = 6.378 * 10 ^ 6 '地球の半径(メートル) omosa = 5.974 * 10 ^ 24 '地球の質量(キログラム) bunkatu = u / px '分割数 c = 3 * 10 ^ 8 '光の速度(メートル/秒) t1 = px / c '静止系(地球に対して静止)での測定時間(光りが分割された小区画を走る時間)で、この時間は一定 v = 0 '等価原理を使い、重力をロケットの加速度から生じる引力に置き換える。ロケットの初速は0 r = hankei + u '基準位置と地球の中心との距離 For i = 0 To bunkatu - 1 tb = ta g = GA * (omosa / r ^ 2) v = v + g * t1 '等価原理を使い、重力をロケットの加速度から生じる引力に置き換える。v は現時点でのロケットの速度 ta = (t1 - v * px / c ^ 2) / Sqr(1 - (v ^ 2 / c ^ 2)) 'ロケットの中での小区画の中での経過時間(ロケットの速度が速くなるほど経過時間は短くなる) r = r - px Next i 'ta は最終測定地点での経過時間 'tb は最終測定地点より100メートル手前地点での経過時間 '最終測定地点では光の落下速度が速くなるため、光がより長い距離を走ることによって経過時間は短くなる。 '直感的に上空から地表を見ると、地表の人間はスローモーションで動くことになる。 t3 = tb - ta '高度100メートルでの経過時間の差 w1 = (t3 * (1 / tb)) / px '地表上空1mと比較して1秒でどれだけ遅れるか(100メートル間の速度変化は無視) keisuu = w1 / g '係数 = 伸縮率 / 重力加速度 結果 w1=1.07996700831763E-16(秒)(メートル) 地表の時計は、地表から高度1メートルの位置の時計と比べて1秒間でどれだけ遅れるか 地表に横に置かれた1メートルの棒は、地表から高度1メートルの位置に置かれた棒の長さと比べてどれだけ縮んでいるか 結果 keisuu =1.10255962423614E-17 時空の伸縮=1.10255962423614E-17×重力加速度 ここでは地表の位置での時空の伸縮を求めましたが、積分の分割間隔が少し荒いので、異なる高度の重力加速度と時空の伸縮を使って係数を求め、平均しました。 '地表 係数 =1.10255962423614E-17 '地上100万メートル(1000Km) 係数 =1.10654676812006E-17 '地上200万メートル(2000Km) 係数 =1.09110415617803E-17 '地上300万メートル(3000Km) 係数 =1.12173487033242E-17 '地上400万メートル(4000Km) 係数 =1.1161423158659E-17 '地上500万メートル(5000Km) 係数 =1.13520082241735E-17 '地上600万メートル(6000Km) 係数 =1.09923615027051E-17 '地上700万メートル(7000Km) 係数 =1.14135141611985E-17 '地上800万メートル(8000Km) 係数 =1.07116623717993E-17 '地上900万メートル(9000Km) 係数 =1.13108991687048E-17 '地上1000万メートル(10000Km) 係数 =1.06914734145127E-17 平均値 1.10775269264018E-17 |