宇宙の膨張速度について(2014/3/22)
宇宙の誕生直後は宇宙の膨張速度は光の速度を超えていたとか、現在の宇宙の遠方は光の速度を超えて膨張していると言われます。 しかし、いくら宇宙の膨張は通常の物体の動きとは違うといっても、物体Aと物体Bの離れる速度が光速を超えるということには違いはなく、問題があります。 超光速を認めることは、単に光の速度を超える現象を認めるというだけはすみません。理論に色々な自己矛盾が生じ破綻します。 これは、エネルギー保存の法則や作用反作用の法則が成り立たない理論を作り上げることが不可能なことと同じことです。 おそらく、短時間に宇宙が膨張したとされる理論では、間違った計算方法が使用されていると思われます。 例えば、1メートル離れた物体Aと物体Bが光の速度で遠ざかったとすると、1秒後には30万キロ離れます。 この場合、物体Aと物体Bの間の空間が1秒間に3×10^8倍に広がったと考えるのでしょう。 そのため、さらに急速な空間の膨張が必要な場合は、空間の膨張は光の速度を超えなければならないとするのでしょう。 しかし、上記の計算方法は間違っています。正しい計算方法は次のようにします。 先に取り上げた1メートルの間隔が1秒間に3×10^8倍に膨張するための空間の膨張速度はどれくらいかを計算します。 空間の膨張を計算するには、質点の動きを調べるのではなく、長い棒の動きを調べます。 質点の動きだけを追うと、質点間の空間の伸縮をイメージするのが難しくなるからです。 棒が、光の0.7倍の速度で移動しているとき、ローレンツ収縮のため棒の長さは元の0.71倍の長さになります。 ●sqrt(1−(0.7)^2)=0.71・・・・ローレンツ収縮の計算式 棒が光の速度の0.7倍で移動すると、棒の先頭は2.1×10^8メートル移動します。 ●3×10^8×0.7=2.1×10^8・・・・棒の先端が光速の0.7倍の速度で移動した場合の距離を求める計算式 1秒間に移動した棒の長さをローレンツ短縮を解除して計ると2.94×10^8メートルになります。 ●2.1×10^8÷0.71=2.9×10^8・・・・1秒間に移動した棒の長さをローレンツ短縮を解除して計る計算式 (結論) 1メートル離れた物体Aと物体Bの間隔を1秒で3×10^8メートルに広げるための物体Bの速度は光速ではなくて、光速の約0.7倍ということになります。 棒を光速の0.999999倍で移動させた場合は下記のようになります。 ●sqrt(1−(0.999999)^2)=0.0014・・・・ローレンツ収縮の計算式 棒の先端はほぼ光速で移動するので、棒の先頭の移動距離は3×10^8メートルです。 ●3×10^8÷0.0014=2143×10^8・・・・1秒間に移動した棒の長さをローレンツ短縮を解除して計る計算式 (結論) 1メートル離れた物体Aと物体Bの間隔を1秒で2143×10^8メートルに広げるための物体Bの速度は、光速の0.999999倍ということになります。 棒をほとんど光速で移動させた場合は下記のようになります。 ●sqrt(1−(ほとんど1)^2)=ほとんど0・・・・ローレンツ収縮の計算式 棒の先端は光速で移動するので、棒の先頭の移動距離は3×10^8メートルです。 ●3×10^8÷ほとんど0=無限大・・・・1秒間に移動した棒の長さをローレンツ短縮を解除して計る計算式 (結論) 2つの物体を光速で離した場合は、2つの物体間の距離は無限大になります。 つまり、宇宙がいくら大きな膨張率で膨張しても、光速は超えないということです。 戻る |