食器洗い機

 



   食器洗い機

 

  

 うちには便利な機械がある
つまらないことや、とるにたらないこと、嫌なことや、ふさぎ込みたくなるようなこと、こんな事があったら、

特製食器洗い機のドアを開けて、体半分をこの中に突っ込むのである。

後は、狭い四角の空間の中で

「くそったれ〜」

と、雄叫びを上げるのである。

なんとも、身も心も洗われ、すがすがしい気持ちになる。

 

ところがである、この便利な機械が壊れてしまったのである。水が漏れだし、床が濡れるのである。

そう言う訳で、きょう、修理マンがやってきてくれた。

修理マンは食器洗い機のドアを開ける。懐中電灯を取り出して、機械の奥をのぞき込んでいる。

「生産後10年も経っているから部品がありましぇん」

と、サービスマンはのたまった。

僕は電話で依頼するとき、古い機種であることを告げた。

「ちょっと古いんですけど」

「どのくらい前ですか」

「10年ほど前になります」

「型番はおわかりですか。部品の在庫があるかも知れませんので」

そう言っていたのである。

にもかかわらず、来る前に調べたら、部品は完全になかった。と言う。

僕は言いたい。
来ても直せないなら、

「来るなー」

しっかり、出張費2970円を取られた。なにか、解せない…

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