Seeing
望遠鏡の副鏡の遮蔽率とシーイングの影響について考えてみる。
一般に反射望遠鏡よりも屈折望遠鏡の方が見え味が良いと言われ、実際自分でもそのような印象がある。 これをもう少し科学的に調べてみると、2つの項目に注目すると説明がつく。 1つは屈折望遠鏡はコントラストが良いということで、これは反射望遠鏡と違って中央遮蔽がないためPSFの計算でもわかるように、PSFの裾の広がり方が弱く高コントラストを実現している。
もう1つは分解能である。 これを確かめるために、同量の乱れた波面を与えてPSFの計算を行ったら、遮蔽率に応じてPSFの崩れ方が異なることがわかった。 下の計算結果画像を見てわかるとおり、遮蔽率が低いほどPSFの乱れ方が小さくなっている。 連続的に変化する大気の乱れを考えると、遮蔽率が低いほど動的なPSFの乱れが小さくなり分解能の低下がコンスタントに小さくてすみ、その結果高コントラストと相成って見え味が良いと考えられる。
同量の乱れた波面を与えたときのPSFの違い。左から遮蔽率0%、30%、50%
2003,3,19
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