星の重心位置精度
CCD上に写った星の重心位置をの精度がノイズにどの程度左右されるかを調べます。
光学系にはF5のニュートン望遠鏡を使い、オフアキシスガイドを想定して像高4mmと8mmにおける星像をテストします。 シミュレーション方法はこの2つのPSFをあらかじめ計算ではじき出し、後からフォトンノイズに従ったノイズをランダムに加算または減算します。 画素サイズはST-4で使われているTC211や最新のTC237チップを考慮して中間値の9ミクロンとします。 まずこれらの画像を見てみると、
S/Nに応じたF5ニュートン鏡の像高4mmと8mmのPSF
となってS/N=4くらいまでならPSFの形状を識別できることがわかります。
フォトンノイズの違いを10回変えPSFの重心位置をグラフにしてみると、
像高8mmのPSFの重心位置(赤:S/N=16、緑:S/N=4、青:S/N=1)単位:ピクセル
像高4mmのPSFの重心位置(赤:S/N=16、緑:S/N=4、青:S/N=1)単位:ピクセル
となり、S/N=4くらいまでであれば0.2ピクセル単位の精度で重心位置を求めることができることがわかります。 したがってガイド星の映像をみてPSFの形状が識別できる程度であればガイドするために必要なS/Nは十分であると言えます。
ここでさらにわかることは、S/Nが十分ある場合重心位置精度はPSFの形状にほとんど依存しないこともわかります。 また同じS/N=1でもPSFの面積が大きいほうが重心の乱れが小さい理由は、PSF内のフォトン数が多いためです。
May 13th, 2002
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