銀塩フィルム VS CCD (光子数編)
デジタルカメラが普及したとはいえ、まだまだ銀塩フィルムのシェアは大きいでしょう。 その理由にフォーマットサイズの大きさがCCDに比べ圧倒的に大きいことがあげられます。 入射した光を電子に変換する効率、つまり量子効率はCCDで数十%に対し銀塩フィルムは数%と一桁低いですが、画面に入射する光子の総数は面積x量子効率で決定されますので、何十倍も広い銀塩フィルムは量子効率の低さをカバーできます。
画質を決定するファクタには、光子の総数だけでなく解像度やダイナミックレンジの広さが挙げられますが、ここではとりあえず、光子の総数を比較することにしましょう。
光子総数=量子効率xフォーマット面積 とし、CCDチップには代表的なKODAKのKAFシリーズのデータから最大量子効率を使い、銀塩フィルムには35mmから4x5インチまでのサイズを量子効率3%で計算してグラフにまとめました。
銀塩フィルムとCCDの受光光子総数比較(横軸:光子総数)
グラフの中でLEのLはABGカメラを意味します。 それ以外はNABGカメラです。 また、x2とx4はそれぞれ2枚モザイク、4枚モザイクを意味し、モザイク処理により面積を2倍、4倍にした画像を意味します。
まず最初に注目すべき値は、35mm判フィルムがKAF401EとKAF1602チップの中間にあることです。 わたしの経験でも、光学系をうまく選べば数値どおりの画質が得られる印象があります。 次に注目すべき点は、KAF1602Eチップのモザイク処理画像は中判並の光子総数を持っていることです。 これもまたわたしの経験では数値とおりの画質が得られるように感じてます。
光子総数はかならずしも画質を決定する完全な要因ではありませんが、重要なファクタであることは確かです。 このことから察するに、現段階では銀塩フィルムとCCD両者どちらも同じポテンシャルを持っていると思われます。
2001,8,30
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