冷却ファンの取り付けとその効果


Meade Pictorシリーズは二段ペルチェにもかかわらず、冷却ファンが付いていないためカメラ自体の温度が上昇し、CCDチップの温度が効果的に下がりません。ひどいときは外気温より20度近くも上昇します。
そこで、冷却ファンを取り付けカメラの温度を下げて、CCDチップの温度を下げます。

最初はファンを厚紙で固定していましたが、これだとファンの振動がカメラに伝わり、星像が膨らんでしまいました。これを防ぐために2つの対策を練りました。
1つはファンの取り付けを写真のように、スポンジを使うことで振動を和らげます。一見すると機密性が低いので冷却効果が下がりそうですが、そのようなことはなく、風量が一定に吹き込まれるので問題ありません。要は、冷却フィンにたまった空気が換気されればいいということです。
2つめはファンにかかる電圧を下げることです。定格では12Vとなっていますが、これで作動させると高速回転のためファンに大きな振動が発生します。そこで電源から供給する電圧を降下させるために、途中にLEDを設けます。

以上の2つの対策の結果、焦点距離2000mmでも問題なく冷却してくれています。

ファンがすっぽり入るか、またはきつく入るくらいに四角く穴を空けたスポンジの取り付け

小型ファンを取りつけた様子

電圧降下のためのLED

空気の流れの模式図

ファンの取り付けによる効果を室内でテストしました。結果は以下の通り。

室内温度 約25℃

カメラ温度 約35 → 約-5 ℃
CCD温度  約30 → 約-10 ℃

1Wの冷却ファンを付けるだけで、5℃下げることができ、温度管理も向上しました。
更に±0.5℃程度だった温度のふらつきが、±0.1度前後まで改善され、ダークフレームが観測画像の温度と一致し、きれいにノイズが除去できます。
コスト
ファン=$10
枠(紙製)=$2

1999,6,25
2000,8,5 追加

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