情報コラム 2007年5月1日 シーイングゼロ


     天体観測を何年も趣味にしていれば図鑑に出てくるような木星や土星を何度か見たことは あると思う。 しかし、初めて土星を見た人のほとんどはそのギャップの大きさに落胆しているに 違いなく、見せている我々も空の状態がどうとか色々と良い訳をしている。

  技術の進歩は著しく、今や天文学の最先端ではシーイングなど気にせずほぼベストの状態で 観測可能である。 それがAdaptive opticsで、日本語では補償光学とか能動光学とか言う。 どんな ものかというと、空の屈折の状態を計測してその逆補正を行いシーイングゼロの状態の天体像を 見せてくれるというものである。

  望遠鏡が何台も買えるほど高価な装置ではあるが、うまくやればアマチュア用の大口径望遠鏡に なら装着可能かもしれない。 土星や木星くらい明るい天体なら、シーイングゼロまではいかなくとも かなり改善された映像を見ることができると思う。 CCDの次の革命的装置はそれかな。   

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