レンズ設計の中に理想レンズという架空の光学系がありその名の通り収差の無い光学系で、 ソフトウェア上では厚みも無くどんなに口径が大きくても完璧なレンズとして働く。 この世に理想レンズなるものは存在しないが、強いて言うならニュートン望遠鏡の 軸上だけが理想レンズに近いといっていいだろう。 ということは、軸上も軸外も ニュートン望遠鏡のような作用を持つ面があればそれは理想レンズではないだろうか。 つまり、凹面鏡が1つあってその表面は入射角に応じた独特の反射角を持ち、 どの方向から入ってくる光も1点に集める作用を持たせれば収差の無い完璧な 像を結ぶということである。 古典的な屈折・反射・回折のレンズ作用を使ったのでは恐らくそのような入射角・反射角特性を 作り上げることはできないが、ミクロの領域で電磁波を操作できればどうだろうか。 そんなことをかれこれ何年も考えていたら、つい先日表面反射率ゼロのガラスが できたとのニュースを読んだ。 これはガラス表面に超微細な金属コイルを形成させて 電磁波の特性をうまく利用し反射率をゼロにするものらしい。 その関連技術では 負の屈折率を持つことも実証済みで、屈折率が制御できるのであれば理想レンズも 夢ではないかもしれない。 TOP |