情報コラム 2005年2月1日 中央遮蔽


  反射望遠鏡は特別なケースを覗いては副鏡が存在して光路の中央の一部を遮蔽している。  この中央遮蔽がどのような影響を与えるかというと、星像の周囲に出てくる回折パターン(サイドローブという)が 強く出てくる弊害がある。

  惑星観測では中央遮蔽の割合によって惑星像のコントラストに影響するため、できるだけ 小さい副鏡を使用することが多いが、実際には中央遮蔽によるコントラストの低下よりも 望遠鏡やアイピースの迷光・ゴーストによるコントラスト低下のほうが大きいことも多いので、  日ごろからの清掃とできるだけ良質な光学系を選ぶことが大事であろう。

  星野写真においてはどうだろうか? 微光星については中央遮蔽の影響はほとんど見られないが、 大きな輝星は顕著な差が見られる。 計算上サイドローブは無限遠に広がっているので、 反射望遠鏡では明るい星ほど周囲が広く写り、屈折望遠鏡では小さくとどまる。 つまり 簡単に言ってしまえば、反射望遠鏡のほうがメリハリのある写真になるのに対し、屈折望遠鏡では 落ち着いた感じの写りになり、女性の体型に例えるなら、反射型が欧米人に対し、屈折が東洋人 といったところだろうか。 ちなみに電波望遠鏡ではサイドローブを大きく嫌っているため、入射光 を制御してサイドローブのない星像にしている。

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