2020映画マイ・ベスト10

順位 映画名 監督
 洋画  
ジョジョ・ラビット タイカ・ワイティティ
パラサイト ポン・ジュノ
1917 サム・メンデス
TENET クリストファー・ノーラン
罪の声 土井裕泰
ナイブズアウト ライアン・ジョンソン
9人の翻訳家 レジス・ロワンサル
ワンダーウーマン パティ・ジェンキンス
コンフィデスマンJP 田中亮
10 ミッドウェイ ローランド・エメリッヒ
 今年は新型コロナの感染拡大という未曽有の状況により、映画館に行く機会が大幅に減りました。非常事態宣言で休館になり、解除後も座席数を減らしての開場となりましたが、今年映画館で観たのは18本という昨年の4分の1ほどの本数に留まりました。洋画だけに限らず邦画の期待作も今年公開を予定されていた作品の多くが来年以降に延期となったのが痛かったですね。少ない本数の中でのマイベスト10を選ぶのも難しいのですが、取り敢えず恒例なので。
 第1位はタイカ・ワイティティ監督の「ジョジョラビット」です。ヒトラーを崇拝していた少年がやがて母が自宅に隠していた少女との交流によって変わっていく様を描きます。ジョジョを演じた子役のローマン・グリフィン・デイビスの演技が素晴らしいです。個人的には彼に主演男優賞を上げたいくらいです。
 第2位は今年のアカデミー賞作品賞を獲得したポン・ジュノ監督の韓国映画「パラサイト」です。半地下に住む家族が息子が金持ちの家の家庭教師に潜り込んでから、しだいに家族そろって金持ち一家に寄生していく様を描いていきます。でも、これだけに終わらないところがポン・ジュノ監督のすごいところです。
 第3位はサム・メンデス監督の「1917」です。第一次世界大戦中、ドイツ軍の待ち伏せを知らせに味方部隊に伝令に走る二人の若い兵士を描きます。冒頭、二人が陣地を出て撤退していったと言われるドイツ軍の陣地を横切って行くシーンは緊迫感がありました。話題になったのはワンカット撮影だったこと。撮影シーンが公開されましたが、カメラマン大変でしたねえ。その甲斐あってアカデミー賞撮影賞を受賞しています。
 第4位はクリストファー・ノーラン監督の大作「TENET」です。時間の逆行ということが一度観ただけではよく理解できず二度観に行ってしまいました。ストーリーが難解だけでなく、同じ画面で時の流れの順行と逆行が描かれるので、頭がついていきません。オスロ空港のシーンで時を順行している人と逆行している人の格闘シーンとか、また、クラッシュしていた車が元に戻って走り出したり、ラストの戦闘シーンでビルが崩れたり元に戻ったりするシーン等々考えてもよくわかりません。
 第5位は邦画から「罪の声」。実際にあった「グリコ・森永事件」をモデルにして、子どもの頃、企業を恐喝する声に自分の声を使われた人たちの人生を描いていきます。映画祭では主人公の小栗旬さんが主演男優賞を獲得していますが、個人的に彼よりすごいなと思ったのは宇野祥平さん。今回はかなり体重も落としたようで、いつもの雰囲気とはまったく違う姿を見せてくれます。見事なまでに、声を犯罪に使用され、その後過酷な運命を辿った人間を演じ切っています。出演シーンはそれほど多くありませんが、熱演です。
 第6位は「ナイブスアウト」、第7位は「9人の翻訳者」とどちらもミステリー作品です。前者は“ジェームズ・ボンド”のダイエル・クレイグが名探偵役を演じるコテコテの本格ミステリです。最後に登場人物みんなを集めて犯人を指摘するというお馴染みの場面があります。後者は世界的なベストセラーのシリーズ最新作を発売するに当たって、秘密保持のために翻訳者を缶詰めにする中で情報が外部に漏れていく中で犯人は誰かを探る話です。こちらは本格というより観客を騙す映画です。
 第8位は今月公開になったばかりの「ワンダーウーマン 1984」です。前作が第一次世界大戦時を舞台にしていましたが、今作の舞台は1984年。でも、ワンダーウーマンは老いないので相変わらず若いままです。この作品は、何と言ってもワンダーウーマンを演じるガル・ガドットの美しさとカッコよさですね。黄金の鎧をまとった姿にも目を奪われます。
 第9位は「コンフィデンスマンJP プリンセス編」です。「コンフィデンスマンJP」シリーズ第2弾です。公開前の東出昌大さんの不倫事件でミソをつけましたが、それとは関係なく、やはり面白いものは面白いです。長澤まさみさんの弾けぶりに今回も圧倒されます。ビビアン・スーさんが出演していたのは、僕らの年代には懐かしい。
 第10位は「ミッドウェイ」です。作品の見どころは言うまでもなく戦闘シーンです。冒頭の真珠湾攻撃や日米の戦闘機による空中戦も手に汗握る臨場感ですし、何といっても空母の真上から急降下爆撃をするシーンは大迫力です。