第113夜 ターボを超えたワープ!「スーパーモナコGP」
この「スーパーモナコGP」は、まさにメガドライブ史に残る(とか書いたら、「そんなのたいしたことないじゃん!」とか言われそうですが)傑作レースゲームなのです。
のゲームはコックピットからの視点が本物っぽく再現されているのですが、当時のF1は、セミオートマのマシンが全盛の時代。ハンドルの裏にシフトチェンジのためのボタンがついていたのですが(シフトチェンジはハンドルを握りながら指先で行うのです)、それも忠実に再現されており、カッコいいなあ!と思ったのをよく覚えています。操作性も当時のレースゲームとしては、マシンの重みを感じさせる挙動をちゃんと示していて、キチンとぶれーキングをしないと曲がれなかったり、「リアルだなあ」なんて感動したものでした。
確か、アーケード版の「スーパーモナコGP」は、モナコしか走れなかったのですが、このメガドライブ版は家で長時間遊ぶことを想定して、いろいろな点がアーケード版とは異なっていました。
とくに、全16コースでの1年間の「F1サーカス」を再現する「ワールドチャンピオンシップモード」には、熱くなって眼がかすむくらいやりこんだものです。
これは、新人F1ドライバーとして最弱チームに所属することになったプレイヤーが、ライバルたちを倒してワールドチャンピオンを目指すというモードなのですが、最初はとにかく自分のマシンが遅い!弱いチームなので、根本的なマシンパワーが違いすぎ、どんなに上手く乗っても優勝なんて夢のまた夢です。それではどうすれば良いかというと、F1サーカス(PCエンジン)では、「良いレースをしているとポイントに応じて強いチームから声がかかり、その中から来年のチームを選ぶ」というシステムなのですが、このゲームはもっと単純。あるチームのドライバーを「ライバル」に指定して、その相手に2回連続で勝つと所属チームを入れ替えられる、というシステムになっています。要するに、その相手より先着すればいいのですから、ただひたすら相手を妨害しまくる、というような手もありますし。そして、速いマシンを手に入れると、本当に世界はガラッと変わります。
ゲームというのは普通、先に進めば進むほど強い敵が出てくるものですが、このゲーム(やF1サーカス)に関しては、どんどんマシン性能が上がっていくわけですから、最初がとにかくキツイ状況で、良いマシンに乗れるようになるとゲームそのものはラクになっていくのです。
逆に、他のドライバーから挑戦されることもあるんですけどね。
そういえばこのゲーム、一度ワールドチャンピオンになってクリアーかと思いきや、まだ続きがあるのです。なんとセナのニセモノみたいな生意気な新人ドライバーが出現してプレイヤーに挑戦してくるのです。
そしてそのドライバーはワールドチャンピオンであるプレイヤーに2回勝つ(マシンが入れ替わる)まではとにかく信じられないほど速く、プレイヤーは絶対一度負けるようになっているんですよね。
だって、「抜ける!」と思ったら、ワープして前にいるんだよセナもどきは!
それにしても、このゲームでも「モナコGP」はタイトルでありながらあまりに難しく、非常に憂鬱なGPだったなあ。ゲームでも、あんなところを走るのは無理だって…