第171夜 寄生獣ゲーマー襲来!「スーパーマリオブラザーズ2」
このゲームが発売された1986年当時は、まだファミコンのディスクシステムをみんなが買おうかどうか迷っている時期でしたから、この「スーパーマリオブラザーズの新作」というのは、まさに「キラーソフト」だったような記憶があります。でもまあ、実際のところは、「しかしこれ、あまりに難しすぎないか……?」と悩んでしまうくらいの高難易度ゲームではあったんですけどね。最初からいきなりパタパタが跳んできますし。毒キノコ、嵐で流される、逆さ土管、スーパージャンプ台などなど、「新要素」もたくさんありましたし、なかには、「隠しゴール」なんていうとんでもない面もありました。そうそう、この「2」では、ルイージも使えて、しかもルイージはジャンプ力があるけれど止まりにくいとか、そういう設定だったと記憶しています。残念ながら、実際に使っている人は、あんまり見ませんでしたけど。
先日、「ゲームセンターCX」のDVDを観ていたのですが、その中に、「スーパーマリオ2」を1時間でクリアするという「ゲーム名人の子供」が出てきます。彼を見ていて、僕の周りにもああいうゲーマー、いたよなあ、なんて思い出しました。
あの時代には、ファミコンの本体と同じくらいの値段がするディスクシステムは、あまり普及していなかったのですが、それでも「スーパーマリオ2」をやりたい友人たちは、比較的早くディスクシステムが導入された僕の家で、ずっとこのゲーム「なんだこの難しさは…」と嘆きながら少しずつクリアしていったのです。
しかし、そんななか、あるゲーム名人の友人が僕の家にやってきたのです。
「あっ、スーマリ2だ。やってもいい?」と彼は言うと、ワープゾーンや数々の裏技を駆使して、見事な腕前で、僕たちが行き詰っていたところも見事にクリアし、ほんの1時間くらいで、「はい、これで終わり」と平然とエンディングを見せてくれました。彼はまさに得意満面。
でもね、僕の本音としては、せっかくヘタなりに少しずつやっていたのに、いきなりエンディングとかを見せられてしまうと、やっぱりかなりモチベーションは低下してしまったんですよね。てめえ、まだ手しか繋いだことがない、オレの彼女にいきなり何しやがんだ!とか、そういう感じ。もちろん当時の僕は、「すごいなあ!」なんて感心したフリを表面上していましたけど、内心「なんてことしやがるんだ…僕の楽しみを返してくれ!」と憤っていたのです。
そういえば、当時はこんなふうに、「友達の家でゲームをクリアするヤツ」って、けっこういましたよね。「ゼルダの伝説」をゲームだけ自分で買って、ディスクシステムを持っている友達の家で裏ゼルダまでクリアしたしたなんていうツワモノもいましたしね。